BESSA T





BESSA T (limited Olive)

BESSA T1
 BESSA T + HEXANON 50mm F2.4 + TRIGGER WINDER

勝手にインプレッション

懺悔する。エンゾーが、凄まじいお金の無駄遣いをしたカメラである。なんで買ったのかというと、これを買う直前に手に入れた 安原一式 のために、良いレンズを奮発したかったからである。…って、なんのこっちゃ。

えー、では最初から説明しよう。ご存知の方はご存知かと思うが、写真のベッサTは、ただのベッサTではない。通常のブラックでなく、「ネイビーブルー/ツヤありブラック/グレー/オリーブ」の各色限定500台で発売となった「ヘリアー101周年記念モデル」なんである。じゃあヘリアーとは何かと言うと、要はレンズの名前で、往年のフォクトレンダーが世界に誇った沈胴式50mmの名玉のことである。それをコシナが復刻して、このカメラとセットで売り出したのだ。エンゾーはその「レンズのみ」が欲しかった。

ではなぜそのレンズでなければならなかったのかと言うと、「 安原一式 に最初に付けるレンズは、ぜったい沈胴レンズ!」と心に決めていたから。実にしょーもない理由だ…。
安原一式はLマウントである。比較的入手しやすいLマウントの沈胴レンズというと、ライカのエルマーかズミクロン、あるいはロシアのインダスター辺りという事になるが、エルマーやそのコピーレンズは、インフィニティーキャッチャーが一式の本体と干渉するという事で却下。ズミクロンともなると、程度の良いものは非常に高価である。それでいて、古いレンズなのでフレアが出るのは避けられないし、曇り玉も多く、リペアに安くない投資が必要だ。

では、沈胴式で最新の光学設計をなされたレンズは存在しないのか?と探してみたら、唯一、新品で手に入る沈胴レンズがあることが判明した。それがベッサTにくっついている「ヘリアー50mmF3.5」だった。ところが、このレンズは限定モデルであって、レンズのみの単体販売はしていない。そこで仕方なく、涙を飲んで本体ごと買ってしまったというわけである。あー疲れた!


前振りが大変長くなったが、そういう経緯を経てやってきたベッサTは、だから最初からお荷物であった。おまけに、レンズとセットになっている50mmの外付けファインダーは視野が狭くて異常に見にくく、眼鏡をかけているエンゾーには使い物にならなかった。そういう訳で、レンズは安原一式に移植し、ファインダーはとっぱらった。後には、ポツンとオリーブ色のベッサT本体が残された。

それから半年くらい経ったある日、エンゾーは沈胴式のレンズで、ヘリアーの他にもうひとつ、新しい設計のレンズが存在する事を知った。それが、コニカが藤澤商会の依頼で限定発売した「Lヘキサノン50mmF2.4」である。和製ズミクロンとも言うべきそのレンズを衝動的に落札したとき、空いているボディはベッサTしかなかった。ついでなので、カメラ屋に行ってノーマルのコシナ50mmファインダーも買った。こっちの方が、限定モデルのそれよりも何倍も見やすい。

新しく手に入れたレンズとファインダーをベッサTに付けてみたら、無性にこのカメラで写真が撮りたくなり、ふらりと町に出た。適当にフィルムを消化して出来上がった写真を見たとき、そのピント精度に驚愕した。わざわざファインダーを外付けにしてまで稼いだ有効基線長は、伊達ではなかったのだ。エンゾーはこの期に及んで、ようやくベッサTの実力を正しく認識した。
惜しむらくは、パララックスが結構目立つ事。最短撮影距離付近では、よく考えて撮らないと、外付けファインダーの視野枠を当てにしすぎると、簡単に構図が狂う。

BESSA T2
 (トリガーワインダーと。コシナの遊び心がにくいアイテムである)

このベッサTが発売になったとき、同時に発表された「トリガーワインダー」がちょっとした話題になった。別に実用性が高いという程のものではなく、あくまでもアクセサリーなのだが、粋な小物を商品化してしまうあたり、コシナの社風が偲ばれて面白い。よって、エンゾーのベッサTには常に付けっぱなしになっている。

アクの強いカメラでなかなか出番がないが、だからと言って手放すには惜しい、困った奴である。

(追記:やはり、エンゾーにこいつを使いこなすだけの甲斐性はなかった…。構図決めとピント合わせと露出確認にそれぞれ別々のところを目視しなければならないのは、はっきり言って不便すぎた。結局ヤフオク行きに。)



長所

○脅威のピント検出能力。90mmクラスまで楽勝でピントが合う。
○小刻み巻上げが出来る。巻き上げの感触も上々。必要があるかどうかは別だが(笑)
○トリガーワインダーが装着できる。けっこう楽しい。
○密かにMマウント。よって、ほとんどのライカMマウントレンズが装着可能。

短所

●近距離では、常にパララックスを考えながら撮らないと、明らかに構図がずれる。
●レンズ交換ごとにいちいちファインダーまで載せ替えるのはちょっと面倒。一本勝負向きか。
●限定版付属の50mmファインダーは、はっきり言って使えん!
●露出合わせとピント合わせと構図決めを、それぞれ別のところで行わなければならないのは、
 かなり面倒である。バルナックライカのような感じか。


超個人的オススメ度 (10点満点)
☆☆

偏愛度 (10点満点)
☆☆

Yahooオークション出現率 (10点満点)
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆
*リミテッドモデルがどんどん出てくる。みんな飽きっぽいなあ・・・。




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