CONTAX G2



CONTAX G2D

CONTAX G2
            CONTAX G2D + Planar 45mmF2


勝手にインプレッション

手に持ったとき、そのズシリとした重さにまず驚く。見た目の大きさと、実際の重さにギャップがあるのだ。いや、昔の真鍮製カメラは皆こんなものだったかもしれないが、エンジニアリングプラスティック全盛のいま、これほど「かたまり感」のあるカメラも珍しい。

G2は、かなり特殊な位置付けのカメラである。レンジファインダーを名乗ってはいるが、距離計が内蔵されているわけではないので、厳密にはレンジファインダーではなく、レンズ交換が可能なコンパクト(?)カメラと言うのが正しい。フィルムの巻き上げ・巻き戻し、露出、絞り制御、そのすべてが自動化されている。ヒット作となったG1のコンセプトを煮詰め、さらに完成度を高めたG2は、まさに「銀塩爛熟期の落し子」という表現が相応しい。

AFの弱さなどG1で指摘された弱点をブラッシュアップした結果、図体はさらに巨大化してしまった。確かに性能は良くなったが、ここまでシステムが重くなると、防湿庫の前で迷った挙句「だったら一眼レフ(もしくは正真正銘のレンジファインダー)でもいいか」と思えてくるところが悲しい。

距離計がないので、ピントの正確な位置がわからず、外れているかどうか、常に一抹の不安を感じながら撮影する事になる。非常に高性能なレンズを使えるがゆえに、それを生かしきれないところにストレスを感じることがある。事実、水族館でガラス越しに魚を撮ったときは、インジケーターの示す合焦位置に注意しながら撮影したにもかかわらず、半分がピンぼけであった。

メーカーの謳い文句では「アクティブAFとパッシブAFを併用してピント検出能力を飛躍的に高めた」と言う事になっているが、一眼レフではないのだから、やはりこの辺が限界であろう。G2で「やっとAFが普通のコンパクト並になった」とする辛口な評価もよく耳にする。

G2アップ
(美しいプラナーのコーティング。そして、燦然と輝く T* の文字。)

写りに関しては、Gユーザーで文句を言っている人を見たことがない。もちろんエンゾーもその一人である。カメラとしては中途半端なポジションにあるG2を買ってみようと思ったのは、一重に「すこぶる評判の良いGレンズを使ってみたかった」という一点に尽きる。

よくツァイスのレンズを指して「濃厚な発色」という表現を聞くが、コントラストが高く発色の良いレンズは、他にもたくさんある。
カールツァイスの持ち味は、濃厚な中にある「ヤニっぽさ」であるとエンゾーは勝手に思っている。画面全体に、ごくわずかに暖色系ののベールが掛かったと言えばいいだろうか。そのベールが、何気ない風景を名画に変えてしまう。使って初めて分かるもので、雑誌のグラビアなどではだぶん分からない。

使い勝手に関しては「?」な部分もあるが、この先「G3」の出現がありえない事を考えれば、「銀塩時代」の末期に現れた一つの到達点的名機として、語り継がれるべき一台であると思う。


長所

○他のカメラとは一線を画する、非常に手の込んだ造り。もうこの先、こんな
 ヘンテコでバブリーなカメラは出てこないであろう。
○コンパクトカメラなのにレンズ交換が出来る。各レンズで50cmまで寄れる。
 (ただしホロゴン16mmは30cm、ゾナー90mmは1m)
○とにかくGレンズは出来が良い。カールツァイスの面目躍如。特に、
 プラナー45mmを使ってツァイス沼にはまり込んだ人が、多数発生した。
○G1と比較して、明らかに向上したAF性能。

短所

●巻き上げ音やレンズの駆動音が、結構大きい。
●とにかく高い!一番オーソドックスなP45mmとの組み合わせで、実に
 定価200,000円(G2Dだと257,000円)。とても中古以外で買う気にはなれない。
●高性能には違いないが、ここまでデカくて重いと、あえて一眼レフを使わないで
 G2を選択する理由が、あまりなかったりもする。
●構造上、正確なピント位置が確認できない。故に、90mmが怖くて使えない。

超個人的オススメ度 (10点満点)
☆☆☆☆☆ ☆☆☆

偏愛度 (10点満点)
☆☆☆☆☆ ☆

Yahooオークション出現率 (10点満点)
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
*最も安く手に入るツァイスの最高画質。それがGシリーズ。使いこなせれば至福の時が約束される。




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