前回は、デジカメと銀塩カメラのどちらを買えばいいのかについて
お話しました。
今回は、その続きというか、「どのカメラをどう買うか」について、
もう少しだけ続けます。
コンパクトカメラか、一眼レフか
コンパクトなデジカメやフィルム(銀塩)カメラと、一眼レフ。
サイズに歴然とした差がある両者の、どちらの方が「買い」なのか。
これも、実は「何をどう撮りたいか」によって、意外と簡単に
結論が出ます。
おっと、最初にお断りしておきますが、
「一眼レフは操作が難しそう」と言うのは、単なる思い込みです。
シャッターを押すだけで撮れます。コンパクトカメラと一緒です。
まずは、細かい原理を説明する前に、例によって「向き不向き」を
挙げてみましょう。
【コンパクトカメラが向いている人】
A.ハンドバッグにカメラを忍ばせて持ち歩きたい人
B.写真をメモ代わりに使いたい人
C.交換レンズや三脚など、重たくかさばる機材が嫌いな人
D.ある程度、写真を撮る事に慣れてきた人
E.一眼レフのサブカメラが欲しくなってきた人
F.予算を出来るだけ抑えたい人
【一眼レフが向いている人】
G.花や小物などを大きく撮る「接写」がしたい人
H.遠くの風景をグッと引き寄せて撮りたい人
I.子供や動物など、動き回る被写体を撮りたい人
J.室内や夜景など、暗い場所で写真を撮りたい人
K.フラッシュを使わない撮影をしたい人
L.狭い場所から遠景まで、幅広く使いたい人
M.コンパクトカメラの画質に不満な人
N.写真を本格的にやってみたい人
どうですか?
こうやって見てみると、一眼レフの方は、撮影の目的がはっきりしている
ほとんどの人に当てはまる事が分かると思います。
一眼レフの最大のメリットは、「豊富な交換レンズで、ほぼすべての
撮影シーンに対応できる」という、システムとしての柔軟性の高さに尽きます。
見方を変えると、コンパクトカメラでは撮れない物を撮ろうと思ったら、
たくさんの交換レンズが必要になったと言うことも出来ます。
実は、これこそが「写真の世界」の現実です。
一台のコンパクトカメラで、すべての撮影シーンを
カバーすることは、不可能なのです。
では、コンパクトカメラは一眼レフには何一つかなわないのでしょうか?
う~ん、それもちょっと違います。
一眼レフに対する絶対的なアドバンテージ、それは文字通り
「小さく軽い事」です。セカンドバックにもすっぽり入ってしまう
スリムさは、どこにでも持ち歩けると言う抜群のフットワークの良さに
つながります。
実は、一口にコンパクトカメラと言っても、性能の差が本当に激しいので
話が混乱するのですが、性能の良い機種を選んで使いこなせば、
場合によっては一眼レフをも凌ぐ働きをしてくれるのです。
一眼レフか、コンパクトカメラか。
結論は、
「一眼レフを買うことに抵抗がない人は、迷わず一眼レフにするべき。
しかし、制約や限界を知った上で携帯性やフットワークを優先するなら、
コンパクトカメラでも十分に良い写真が撮れる!」
ということになります。
買ってはいけないカメラがある
ここまで来ると、どうしてもこのテーマを避けて通れなくなりました(笑)。
コンパクトカメラを選択される方のために、「これだけはやらない方が
いいですよ」というポイントを(こっそり)お教えします。
×1.フィルムカメラの「高倍率ズーム機」は、買ってはいけません。
理由を説明すると難しい話になるのですが、とにかく買っちゃダメです。
メーカーが、いつも消費者のためを思っているとは限りません。
ちゃんと良心的なカメラもありますので、ズームの倍率に惑わされず、
使い勝手の良いカメラを選びましょう。
ちなみに、エンゾーが所有しているコンパクトカメラは、どれも
真面目に作られたものばかりなのでお勧めなのですが、残念ながら
新品で買えるものがほとんどなくなってしまいました・・・。
×2.デジタルズームしか出来ないデジカメは、やっぱりダメです。
デジカメのズームには、「光学ズーム」と「デジタルズーム」の
2種類があります。このうち「デジタルズーム」というのは、
撮影データの解像度を下げて擬似的にズーミングしているだけ
なので、実際には画質を著しく低下させていることになります。
ズーム機能は、あくまでも「光学ズーム」を基準に考えましょう。
×3.30cm以上の接写の出来ないデジカメは、買う意味がないです。
デジカメがフィルムカメラと比較して非常に優れている点の一つに、
「圧倒的に接写に強い」という事が挙げられます。これは
デジカメの構造的なメリットですが、安いデジカメの中には、
全然被写体に寄れないものも存在します。
せっかくデジカメを買うんだったら、絶対に「寄れる」デジカメを
選ぶようにしましょう。
ちなみに、どのくらいまで寄れるかを表す指標を「最短撮影距離」
と言います。カタログを見て、これが短いカメラを買えば良いわけです。
「じゃあ、逆に『これなら買って良い』というカメラはどんなカメラなの?」
はいはい、ではその話は、次のコーナーで述べる事にします。