愛山先生の模範演技は、創作ご当地講談 『 上杉房能
管領塚由来』。越後の国の守護 上杉房能
のお話。房能は将軍を補佐する関東管領上杉顕定の弟でありました。守護代 長尾為景
の反乱にあい自害(1507年8月7日)しました。これが戦国時代の始め、下克上の最初の犠牲者でありましたという、今、越後松之山温泉の小学校の脇に残っている管領塚由来の一席。あと一席は、新作歌謡?講談『修学旅行』。舟木一夫でヒットした懐メロ同名曲をモチーフにした心あたたまるお話でした。この他、アマチュア講釈師の方々への講談公開稽古を聴きました。レベルが高く上手いと思った拙僧ですが、愛山先生からの「登場人物により喋る早さを変えるとそれぞれの違いが際だつ」などといった的確なアドバイスを聞くとなるほどと思うことばかりでした。古典ばかりでなく、新作講談も楽しめて講談の多様さと芸の奥深さを実感させていただきました。
そして後は、講談や落語など話芸の話で盛り上がり、美味しいお酒を飲み交わしながらご馳走をいただき、温泉に浸かるという誠に結構な一日でありました。
また、拙僧の最近の課題である話芸と朗読の違いについて愛山先生にお伺いしたところ、「講談や落語などの話芸は外に向かう、伝えることを前提とした芸であり、顔を上げて観客と向き合いながら話すが、朗読は内に向かう、モノローグのようなものであるという違いがあるのではないか」と、お答えいただきました。「文字を書いていくとき人は下向きになり、内向きにならざるを得ない。それを朗読するときもまた下向きになり文字を追いながら読んでいくので、心は内向きだ」。なるほど文学、特に小説には内向きなものが多いのは確かですね。中には童話のように読み聞かせることを前提とした文学もありますし、先日も書いたように詩歌の方は本来伝えるための文学だったので、「叫ぶ詩人の会」のように若者にも伝わりやすいのだと思います。一方では現代詩の一部のように朗読を前提としない、コミュニケーションを拒絶したような内向きなものがあるのかもしれないので、作品の質だけでなく外向き内向きという分かりやすい判断基準で朗読向きの作品かどうか選択できるのではないかと思いました。
話芸って奥深いですね。でも素晴らしいですね。
あ~極楽極楽! 合掌 観学院称徳
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