日々、考察中。

日々、考察中。

昨日のバーボン!

昨日のバーボン!

2004/6/16
 給料日は今週末である。
 しかし、僕の家にはウイスキーがない。昨日、ボトルの底に数センチ残ったワイルドターキーを飲み干したからだ。僕は、なけなしの数枚の1000円札が入った財布をジーンズの尻ポケットに入れ、車に乗りこんだ。
 数キロの道のりを進んで到着したのは、なんという事もない酒屋。真っ直ぐ向かったのはウイスキーの棚である。バーボンのコーナーを猟犬のようににおいでかぎわける。ワイルドターキー8年。発見したが、給料日前の財布にはつらい相談だった。
 僕は視線を右横に走らせる。ブッカーズ、ブラントン、フォアローゼズ・プラチナ。どれも僕の財布には重い。もっと視線を高速で走らせた。フォアローゼズ・イエロー。6年という若いバーボンは、とげとげしい味が好みではある。しかし、今日はフォアローゼズの気分ではない。I・Wハーパー。ゴールドのラベルが僕の心を奪いそうになったが、財布がNOと言った。
 アーリータイムスを見つけたのは、バーボンの棚の端まで視線を移動した時だった。イエローのラベルとブラウンのラベル。僕の好みは、幾分こうばしいブラウン。財布は即OKを出す。
 ブラウンラベルのアーリータイムスを持って、僕は帰途に着いた。

 ロックグラスに氷も入れないまま、アーリータイムスを8分目まで注ぎ入れる。それを持って座りこみ、傍らのフォークギターを取る。背中側に転がっている、数年前の歌本を拾う。ページをめくる。秋桜。歌う前に、アーリータイムスをゴクリとのどに流し込む。熱い液体がのどを伝っていく。
 数曲弾き終わったときに、グラスの中のアーリータイムスも終わった。
 僕は立ちあがり、もう1度同じだけの量のアーリータイムスをグラスの中に注ぎ込む。そして、もう1度、秋桜を歌う。

 給料日前のウイスキーの日々である。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: