ブッダが仏教を始めたのとほぼ同じ頃、およそ2500年前のインドに
ジャイナ教という世にも不思議な宗教が生まれた。

ジャイナ教の唱える『善』は徹底している。

1.生き物を傷つけないこと
2.虚偽を口にしないこと
3.盗まないこと
4.性的行為をいっさい行わないこと
5.何も所有しないこと

すべての動植物はもちろん、地・水・火・風・大気にも、生命が
宿ると考えていた。

空気中の小さな虫を吸い込んで殺さないように口を白い布で覆い、
土の中の生き物を殺す恐れがあるので農耕もせず、果物は実が
なっている状態をむしりとったりせず、自然と実が落ちるのを
待って拾って食べた。

彼らにとって最も理想的な生き方は、あらゆる物をそのままの
形で存在させた結果の、「断食死」だった。

また、「虚偽を口にしないこと」も、驚くほど徹底している。

彼らは、言語による真理表現の限界を深く探求した結果、言語に
よって「唯一絶対の真理」を表現することが不可能であることを
悟った。
そして、「~である」という断定的表現は「虚偽」になるとして、
あらゆるものを語る際に、「~という立場を取ると~である」と、
わざわざ相対的な表現を使った。

「性的行為をいっさい行わないこと」「何も所有しないこと」に
関しては、説明の必要もないだろう。

ジャイナ教の戒律は、あらゆるものに対する「愛」と、純粋無欠な
「善」を徹底的に追求した、1つの理想形であるには違いない。

しかし、ジャイナ教徒が上の1~5の戒律を忠実に実践すれば
するほど、この世界からジャイナ教の信徒が減っていくという
仕組みになってしまっていることは、誰の目にも明らかだ。

にもかかわらず、現在、インドには、約260万人ものジャイナ教徒が
存在する。

その秘密は・・・

(つづく)






© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: