ブッダ



ブッダは、この世界が苦悩に満ちていることを知っていた。

人は生まれれば、必ず死ぬ。
人を愛すれば、必ず別れが訪れる。
どんなに求めても、手に入らないものがある。
社会に暮らせば、嫌な人間にも会わなければならない。
したくないことも、しなければならない。

生まれてくること自体が、「苦」なのだ。

彼はこの世界を、「一切皆苦」と呼んだ。


しかし、彼はあるとき、人が苦しみを苦しみだと思うのは、
「自我」を絶対の存在だと思うからだ、と悟った。

苦しみを逃れ、幸福を求めたいと思う「自分」がいるから、
自分が苦しむのだ、と。

崖から落ちそうな人を必死に助けている人は、その瞬間、自分の
幸福や苦しみのことなど考えない。

そのような「無我」の状態こそが、人があるべき姿だと悟った。


“諸行無常 諸法無我”
      ---- ブッダ

すべてが常に変化していく世界の中で、「自分とは、こんな人間だ」
と、決めつけられるようなものは、実は、存在しないのだ。





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