常緑樹23 市民会議の…


(平成14年12月号 2003/11/20)

札幌市の人口は、一八五九〇三五人(15年10月1日現在)、東京・横浜・大阪・名古屋に次ぐ大都市である。
新しい首長が誕生して半年以上が過ぎた。
公約の一つ「市民の声を取り入れ新しい札幌を作る」ため、各区でのタウンミーティングも活発に行なわれている。
各区の対応も、郷土芸能あり、子育ての話題、各町内会の意見発表など色々な形があり、本当に生活者の生の声が聞こえているのか、興味深い。

その市民参加の一つに「市民会議」というのがある。
これは新市長が提唱し、新しい札幌市の目玉となっている企画である。
市民会議は「札幌市市役所改革市民会議」と「札幌新まちづくり計画市民会議」の二つあり、どちらも9月1日から30日までの期間公募された。
前者は市民10名に、有識者5名を加えて15人程度、後者は市民8名に学識経験者など16名を加えて24名程度となっている。

応募要領は、ほんの少し違うだけで、ほとんど同じ内容。
よく見ると、前者は総務部市役所改革推進室、後者は企画調整局企画部と担当が異なる。
別々の部門で同じ時期に同じような書面を作っているのだ。
一緒の書面を使い、どちらかを選ぶようにしたら手間もかからないのに。
あぁそうか、一方が「有識者」であり、一方が「学識経験者」だから一緒にできないか。

この募集に対して応募者は、前者が157名、後者が122名だったそうな。
この数字を見てどうお感じか、どうも私には少なすぎるような気がする。
自分たちの住む町の首長と一緒に考える、意見を言える、そんな会議に出ませんか、と声をかけられた割には少なすぎませんか。
この町には186万人もいるのに。

ところで、「市役所改革」は市民10名に対して、有識者が5名と2対1の割合だが、「まちづくり」の方は市民8名に対して、学識経験者が16名と、逆に1対2になっている。
折角市民会議と銘打つのであればせめて2対1が妥当だろう。

というわけで、私もつたない経験が少しでもお役に立てればとこの「まちづくり」の企画に応募した。
結果は残念ながら1次の書類選考で落選。
122分の8だから、入学試験より難関、こりゃ無理かと納得する。
しかし、せめて122名ぐらいの面接をして下さっても良いのに、と残念でならない。

25名の方が2次選考の面接に進み、結果8名の予定にところ、十名の市民が選ばれた。(これを書いている11月始め現在、市役所改革に関する途中経過は逐次発表されているが、まちづくりの方は全く発表されていない)
この稿の〆切直前の9月6日、双方とも第一回目の会合が開かれた。
もちろん選ばれた方々は立派な見識を備え、素晴らしいまちづくりを実現してくださること、期待してやまない。
一応応募させていただいた人間の一人として、今後も注目していきたい。

でも、一つだけ不満を。
一般市民には、「識」いわゆる「見識」「知識」がないと思っているのかねぇ、この要領を考えた人たちは。



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