BONDS~絆~

BONDS~絆~

再会

ハート(白)

楓に打ったメールの内容は
-今から会えないか?桜の咲く丘の下の公園で待っている-
たったこれだけの内容なのに俺の指は脳の焦りという指令に従いキチンと打たせてくれなかった。楓からの返事はすぐだった。
-来週の日曜まで待てなくなったの~?(笑)良いよ!10分で行くから待っていて★-と来た。わかったとだけ返し公園のベンチに座っていた。待っている間時計を見ても1分経っただけ、もしくは秒単位で時計を眺めていた。こんなにも時を遅く感じたのは小学校の時インフルエンザで楓が3日間学校を休んだ日ぶりのような気がする。何十回も時計を見て10分を過ぎた頃楓が来た。キョロキョロしていた楓は俺を見付けると可愛い笑顔で駆け寄ってきた。
「久しぶり!」
「あぁ」
あまりにも可愛すぎて話しているのが楓なのか信じられなかった。淡くて薄い水色のジーパンの上にベージュのスカートを履き、インには黒いキャミソールで白のネットを重ね着してベージュのカーディガンをはおっていた。首にはシルバーのラインネックレスが煌めいていて少し濃いキャスケットをかぶる楓の笑顔は正直惚れ直した。
「イメージかわったね」
「そうか?楓もな」
「スッチーですから!」
「そういう所は相変わらずだな」
「あはは!菘と上手くいっている?」
「ああ」
空返事だ。
「そう・・・。今日何か用事あったのよね?」
「うん」
「何?」
「・・・結婚の話なんだけどさ」
「あぁ」
「さしでがましいのは解ってるんだけど・・・その取り消せないかな?」
「・・・誰の意志?菘?」
「え?」
菘に行けと言われたが俺の心のわだかまりを無くすためでもある。いや・・・でも。
「誰なの?」
「二人だよ」
「そう・・・嬉しい」
「じゃあ!」
「無理よ。理由知っているでしょう?」
「・・・菘がそこは何とかするって言っていた」
「菘が?出来るわけないわ。何の根拠があって・・・」
「菘ん家だって金持ちだし、菘は御曹司だろ?下手なことはしないさ」
「でも」
「俺らを信じられないか?」
「信じたくても出来ないわ。根拠ナイシ・・・両親のためなのよ」


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