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2025.08.28
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カテゴリ: エッセイ

 お父さんの大好物の一つにウナギのかば焼きがある。ウナギを焼いているニオイを嗅いだだけでもうウナギが食べたくてたまらなくなる。ところがお父さんが住む地域には専門の鰻屋が存在しない。鰻屋などそこら中にある地域で生まれ育ったお父さんは、本当に驚いた。そもそも東北地方の田舎町ではウナギは買って食べるものではなく、捕まえて自宅で捌くものであったのが原因の一つであるらしい。皮で捕まえてすぐに捌くので、お父さんより年上の世代は「ウナギは泥臭くて美味しくない」という人が結構いる。

 だがお父さんは最近よくウナギを食べている。ベトナム出張時にハノイでよく鰻屋に行くようになったからだ。お父さんが知る限りハノイには鰻屋が3店舗あるが、3店舗目に知った鰻屋が、ほとんど日本の鰻屋と変わらないうな丼を提供してくれるのだ。

 お父さんの日本人の同僚もそこのウナギはおいしいと言ってくれるので、月に2回ぐらいハノイでウナギを食べている。

 日本に戻ってくると、鰻屋がないのでネット通販でウナギを購入している。自分の好みの味に出会うまでにいろいろなウナギを購入したが、今はあるウナギ屋のウナギをリピートしている。家族もそこが一番おいしいと言っているので、これ以上のところを探すつもりはない。だがこの国産ウナギも値段は非常に高い。専門店で食べるよりは安いが、スーパーの国産ウナギよりは高価である。

 今年の夏、家族を連れて帰省した時に、母親と家族の計6人で地元の有名な鰻屋に食べに行った。久しぶりの専門店でのウナギであった。お父さんは初めての店だったが母は何度か来たことがあって、美味しいと言っていた店である。

 運ばれてきたウナギは見た目もおいしそうだったし、実際食べたら文句なくおいしいウナギであった。舌も胃も心も満足したが、6人で会計は3万円を超えた。懐には非常に厳しいウナギであった。

 昔から中国産のウナギはスーパーで安く購入できるし、夏の土用丑が近づくとスーパーのウナギをおいしく食べる方法などがテレビで紹介されるが、お父さんは何度も中国に行っているので、安全性という面からどうしても中国産のウナギを食べようとは思えない。

 きちんと管理しているとか、検査しているとか言われても、そもそも検査自体が疑わしいし、中国の魚の養殖場の不衛生さは見たことのない日本人には想像できないと思う。

 しかしながらそんなお父さんも実は中国産のウナギを食べている。それもベトナムではなく日本で食べている。それがスシローなど回転寿司で出てくるウナギである。店で食べるときも普通にウナギを頼んでしまうし、持ち帰りで自宅で食べるときもよくウナギが入っている。

 不思議なことにこういうときにはあまり抵抗感がない。ただ単にウナギの寿司として受け入れている。

 寿司に「中国産」と書いてあったら頼まないし食べないかもしれないが、深く意識していない場合は食べてしまうので、お父さんの中国産ウナギへの不信感も実は気分の問題だけなのかもしれない。

 中国産のウナギが本当に安全で問題ないものになってほしいと思うのだが、そうなるとおそらく国産と変わらない値段になるとお父さんは思っている。






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最終更新日  2025.08.28 00:10:06
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