やっぱり「やまなこ」が大好き!

探偵事務所問題編のみ



ゆかりん「やまとなでしこ探偵事務所 第1話 問題編!」
ほっちゃん「名探偵やまとなでしこ現る」


雨音


ほ「(エコー)私達がその奇妙な事件に出会ったのは、夏の終わりを告げるような激しい雨が窓を叩く、今思えば少しだけ悲し気な夜の事でした」


ドリカンBGM


冨永みーなさん「と言う訳で来週も楽しみですね。それではエブリシングドリームス」
3人「マルチメディアランキング、また来週~」
3人「お疲れさまでした~」

ほ「(エコー)私は やまとゆき。世間ではアイドルって言われる仕事をしています。今私達のグループ『やまとなでしこ』がパーソナリティを務めている番組『エブリシングドリーム マルチメディアランキング』、通称『エブラン』の生放送が終わった所です」

ゆ「ゆき~、おなかすいちゃったね~。回転寿司でも食べに行こうよ~。あ、でも ゆきサーモンしか食べないからな~」

ほ「(エコー)この女の子は やまとゆりかちゃん。私の相方です。あ、ちなみに名字が一緒なのは単なる偶然、姉妹じゃないんです」

冨「へ~、ゆきちゃんはサーモン好きなんだ~」

ほ「(エコー)そしてこの綺麗なお姉さんは 永山ナミさん。私達の先輩アイドルで、この『エブラン』のメインパーソナリティ」

野村邦丸さん「お疲れさまで~す」
3人「お疲れさまでした~」
ゆ「あ、古屋ディレクター、お疲れさまです」
古「あ、ゆりかちゃん、おつか、う!!」
ゆ「ふ、古屋さん!?」
古「う・・・ティ・・・ティ・・・ビ・・・」
冨「古屋さん!」
ほ「古屋さん!」
伊福部さん「だ、大丈夫ですか、古屋さん!し、死んでます」
3人「えー!? いやあーー!!」



(銃声)
ほ「やまとなでしこ!」
ゆ「探偵事務所!」



CM



(銃声)
ゆ「やまとなでしこ!」
ほ、冨「探偵事務所!」



ほ「(エコー)平和だった番組を突然襲ったハプニングは、私達の退屈な日常からは遥かに想像の及ばない出来事でした。さらには現場の状況から見て、明らかに殺人事件であると言うのです。
しかし次の瞬間、私はそれ以上に驚くべき言葉を、隣にいた私の愛すべきパートナーの口から聞く事になります」


ゆ「警察を呼ぶのはもう少し待って下さい!この事件は、私達やまとなでしこが解決します」

ほ「(エコー)一瞬周りの空気が固まりました。確かにこの番組を守りたいと言う気持ちはわかるのですが。
後でこっそり『なぜあんな事を言ったの?』と聞いてみたところ」


ゆ「私、昔から探偵に憧れてたのよね~。だってかっこいいじゃない!この前も探偵の面接に行ったんだけど、落とされちゃって」

ほ「(エコー)だそうです。面接って事は、この人はやまとなでしこを辞めるつもりだったんでしょうか。ま、とにかく何だかわからない内に私達はこの奇妙な殺人事件を捜査する事になってしまいました。
現場にかなりのアーモンド臭がしていた事から死因は青酸カリによる中毒死と、私達が断定。まずは事件があった時間に現場にいた3人に聞き込みをする事にしました」




ゆ「じゃ、ADの立石恭子さん、どうぞ」
立「はい」
ゆ「立石さん、あなたは本番中、ずっと古屋さんの隣にいましたね」
立「はいー、2人も知ってると思うけど、パーソナリティの3人と伊福部さんはスタジオのブースと呼ばれるマイクのある部屋にいますけど、私達はガラスで隔てられた調整室にいて、曲を掛けたりしているんです。だから本番中~はキューを振るディレクターの隣にいます」
ゆ「なるほどー。ところで立石さん、古屋さんが本番中に飲んでいた烏龍茶はあなたが喫茶室から運んで来た物ですよね」
立「はいそうですが」
ゆ「普通は喫茶室の人が運んでくれるんじゃないんですか?なぜ今日に限って立石さんが自分で」
立「わ、私を疑ってるんですか!?」
ゆ「いえいえ、あくまで形式的な事ですよ」
立「何だか今日は喫茶室が忙しかったみたいで、自分が運んだ方が早いと思ったんで。だけど烏龍茶もストローも6個ずつあったんです。古屋さんがどれを取るかなんてわっかんないし~」
ゆ「なるほどわかりました。ところで古屋さんが最後に言った言葉『ティービー』に心当たりはありますか?」
立「いえまったく」
ほ「え、そ~ですか?立石さん前にテレビ、つまり『TV』の仕事をやりたいと言ってたじゃないですか」
立「え!? ま、まあ・・・」
ゆ「それでこの番組がジャマになって・・・古屋さんを殺した」
立「そ、そんな~」
ゆ「私はただ可能性を言ったまでです。もういいです、立石さん、ありがとうございました」
立「え、では失礼しまーす」



ほ「すごーいやまとさん、本物の探偵さんみたいですね~」
ゆ「あんたね~、いい加減私の事を『やまとさん』って言うのをやめてよね。大体あなたも『やまとさん』でしょ?」
ほ「ご、ごめんなさい、やまとさん」
ゆ「ハァ・・・じゃ次は構成作家の伊福部崇さん、どうぞ」



伊「あの俺明日早いんでそろそろ帰りたいんだけど」
ゆ「すみません、そんなに時間は取らないので、少しだけ話を聞かせて下さい」
伊「はあ・・・」
ほ「伊福部さんは台本を書いてるんですよねっ」
伊「あ、作家だからね。本番中はずっとみんなと一緒にこのブースの中にいるけど、本当の仕事は台本を書く事だからねえ」
ゆ「ところで今日の台本をコピーしたのはあなたですね」
伊「あ、そうだけど?」
ゆ「あなたは古屋さんが台本をめくる時に自分の親指と人さし指をなめる癖がある事を知っていましたか?」
伊「それはどう言う事ですか?」
ほ「え、ど~ゆ~意味?」
伊「確かに知ってたけど、そんなのこの番組に関わっている人間ならみんな知ってるよ。大体俺はコピーした台本をテーブルの上にまとめて置いといたんだぜ?誰がどの台本を取るかなんてわからないよ。嘘だと思うならナミさんに聞いてくれよ。俺が来た時にはもうスタジオの中にいたから、俺がテーブルの上に置くの見てる筈だよ」
ゆ「そう興奮しないで、別に疑ってるわけじゃないですよ。ところで『ティービー』って言葉に聞き覚えがありますか?」
伊「さ~」
ゆ「あなたは桑島法子さんのファンでしたよね?」
伊「えー!」
ほ「あ~、club db!桑島さんがやってる番組!そ~言えばあの番組も古屋さんがデイレクターでしたよね」
ゆ「あなたはその番組に入りたいと言って、古屋さんと口論していましたよね・・・」
伊「あ、いや、いや、で、でもどうしてそれを」
ゆ「もういいです、ありがとうございました」
伊「え、あ、はあ・・・」



ほ「なるほど~、やっぱり伊福部さんはこの番組より他の番組が大事なんですね~」
ゆ「最後はナミさんね~、どうぞ入って下さい」


冨「どう?捜査は進んでる?」
ゆ「ええまあ・・・すみません、ナミさんにまでこんな」
冨「いえ大丈夫、気にしないで」
ほ「ナミさん、差し入れのコーヒーゼリー、ありがとうございました」
冨「どういたしまして。でもおかげで私も容疑者の仲間入りね」
ゆ「いえ、何に毒物が混入していたかは調べればすぐわかる事ですから。ところでナミさんは今日伊福部さんがコピーした台本をテーブルの上に置くのを見ましたか?」
冨「ええ見たわ。今日私が一番早くスタジオに入ったから。でもディレクターの机で来週月曜発売の『オリコンウイークザイチバン』を読んでたから詳しい様子はわからないけど」
ゆ「そうですか・・・」
ほ「そ~言えばナミさん、今日は珍しくミスしてましたね」
冨「えへ・・・疲れてたせいかしら、EDで間違えちゃった。でも言いづらいでしょ?『マキシマムウエイブ』って」
ゆ「えへ、そうですね~、でも今日はその事で随分古屋さんと揉めてましたね」
冨「んーそうね~、みんなも知ってると思うけど、ラジオのスタジオには私達のテーブルとディレクターの卓にトークバックって言うボタンがあって、それを押すと本番中でもブースの中と外で喋る事が出来るの。今日はそのトークバックでかなり古屋さんと揉めちゃったわね」
ゆ「それで腹が立って・・・」
ほ「やまとさん、何を!」
冨「大丈夫ゆきちゃん!そうね、確かに少しは腹が立ったわ」
ゆ「そうですか、じゃ最後に『ティービー』と言う言葉に心当たりはありますか?」
冨「うん、その内わかる事だと思うから言ってしまうけど、実は私TBSラジオでカウントダウン番組をやらないかって誘われていたの。その事を古屋さんに相談して何度かケンカになった事もあったわ。今日古屋さんと揉めたのは、実はそんな事情があったからなの」
ほ「そうだったんですか・・・でも行かないで下さいね~」
冨「ゆきちゃん、すごい社交辞令ありがとう。ゆりかちゃん、そろそろいいかしら」
ゆ「あ、はい、ありがとうございました」



ほ「あ~、全然わからないですよね、やまとさん」
ゆ「そうね~、やっぱりどこに毒物が入っていたかわからないと辛いわね。せめて鑑識道具みたいな物があれば」
ほ「鑑識道具なら私、持ってますよ?筆入れの中に」
ゆ「え!? あんたなんでそんな物持ち歩いてるのよ」
ほ「もしもの時に使うんじゃないかと思って!ほら私、大学 薬学科だから!」
ゆ「とにかく早速調べて。古屋さんの烏龍茶とコーヒーゼリー、それと台本よ」
ほ「え、台本もですか?」
ゆ「そうよ、早く!」
ほ「え、と、んと・・・あ、出ましたよ、全てから」
ゆ「え、全部・・・?」
ほ「でも、おかしーなあ」
ゆ「どうしたの?」
ほ「いや反応は出たのは出たんですけど、致死量には全然足りないんです。これじゃ人どころか猫だって殺せませんよ。しかも烏龍茶はストローから、コーヒーゼリーは付いているプラスチックのスプーンから反応があるんです」
ゆ「え、でも・・・それじゃあ・・・そうか、わかったわ!」
ほ「じゃ、犯人が!?」
ゆ「ええ、じゃ ゆき これ、言うのよ」
ほ「え、これ言うんですか?」


2人「この謎は必ず私達が解いてみせる。みーなさんの名にかけて!」


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