Flatのガンプラ製作日記

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2020.01.14
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カテゴリ: 本の感想

書籍の感想です。

今回は「夢より短い旅の果て」です。



夢より短い旅の果て (角川文庫) [ 柴田よしき ] ​ 

旅情って言葉ありますよね。

この小説を読むと「ああ、鉄道旅してみたいなぁ」と思います。

そのくらいとても旅情を感じます。

物語の本線は大学の「鉄道旅同好会」(鉄道同好会、ではなく、「旅」が入ることが

この同好会のこだわりらしい)に所属していた叔父が謎の失踪を遂げてしまい、その謎を

追いかけるために、同好会の入会した香澄の成長物語なのですが、それに負けず劣らず

町並み、駅舎、鉄道そのものの素敵な描写に魅了されます。

例えば、 JR 氷見線の景色の美しさ。

景色の美しい場所はたくさんあると思います。

ですが、氷見線はそれだけではない。

空の蒼さ、日本アルプスの雪の白、日本海の水色が見事なコントラストを描き、さらに

その真ん中にトンネルがあることで、その絵の中に飛び込んでいくかのような、

「まるで自分が絵の中の一部になってしまうかのような感動」を味わえるのだそうです。

うーん、ぜひ見てみたい、と思っちゃいました。

さらに良いところは、この小説、単に見どころ満載な路線だけ書いているわけではないところです。

横浜市にある「こどもの国線」なんてものも取り上げています。

鉄道旅同好会は各駅でその路線に乗り、そのレポートを書くことを義務付けています。

こどもの国線は駅が 3 つしかなく、叔父の行方を追うという邪な理由で入会した香澄は

鉄道に詳しくないため、できるだけ楽な路線という理由でこどもの国線を選びします。

しかし、選んだことを後悔します。

こんな短い路線では、見どころも少なく、「旅」という言葉にふさわしいレポートを

書くことができないからです。

しかし、鉄道旅同好会の部長に鉄道とは人を乗せる乗り物であり、乗客それぞれに

人生があり、それぞれの旅があると教えられます。

そう言って、駅のベンチに座っていた男性に話しかけるのでした。

そして、それはそれは素敵なエピソードを聞かせてもらうのでした。

そうなのです。

こんな近くでも、こんな短い路線でも、「旅はできる」。この小説はそう教えてくれます。

いやー、良い小説です。

お勧めです。






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Last updated  2021.04.03 13:31:28
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