Fooの小部屋

Fooの小部屋

リプレイ


著者名:ケン・グリムウッド
出版社:新潮社

感想:
この本を手にとったきっかけは、北村薫さんの時間テーマの三部作「ステップ」「ターン」「リセット」を読んだことだった(面白かった。特に「ステップ」は衝撃を受けて、読後感想も載せている)。その中で北村さんがこの作品にふれていたので、古本屋で見かけた時、すぐに購入した。
結構手に取ると、厚めの本だ。実はあまり期待しないで読み始めた。
ネタバレになるが、タイトル通りの話なので書くが、43歳で死亡した主人公が、気がつくと大学生に戻っていて、そこからまた、人生をやり直すという話だ。予想通り、新たな人生も主人公の望むようにはならない。そして・・・あとは読んで楽しんでほしい。わたしはこども絡みのところで、やはりぐっときてしまった。これはずるい。この厚みでこれからどうなるのーと思っていたら、半ばぐらいで急展開してラストに向けて突っ走っていく。結末がどうのこうのというより、それまでのいろいろなドラマが面白かった。
あとがきに<これはSFではなくてファンタジーである>という一文があって、わたしは筒井康隆さんの「旅のラゴス」を思い出した。
あれは時間テーマではないが、主人公の放浪を楽しむ点では同じかも。
久しぶりに読みごたえのある長編を読んだ気がする。毎日の通勤時間読書ですこしづつ読み続けていたので、読んだという達成感も大きかった。
一気に読むのもいいが、すこしづつ読んでいくのも快感である。やはり読書は面白い。

点数:82点(人物描写のところでちょっとマイナス。個人的好みではありますが)
スリル  ☆☆☆★★
泣ける  ☆☆☆★★
ドキドキ ☆☆★★★


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