Fooの小部屋

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暗黒童話


著者名:乙一
出版社:集英社

感想:
乙一さんの作品は、他には文庫で「平面犬」しか読んでいない。
でも、その中の「ブルー」という作品は強烈にこころに残った。
他の作品の印象もそうだが、なんか不安定な感じ、ぐるぐる回る世界観に魅かれた。

で、この「暗黒童話」
読むと分かるが、この物語は<アイのメモリー>という童話と、<ある童話作家>の語り、<事故で左目を失ってしまったわたし>の語りで構成されている。
ホラー?ミステリー?スプラッタ?
ストーリー自体や、謎解きにはそれほど魅力を感じなかったし、スプラッタが好きというわけではないし・・・。
だが、最後の章にガツンとやられてしまった。
この章があるために、今までのすべてが意味を持ってくる。
これがこの作品で作者がいいたかったことか。

始めに書いた、語り手が変わっていく、ということも、
「ああ、こういうこともありかあ!」と目を開かれた気がした。
このおはなしの着地点が、こんなところに来るなんて・・・。
未読の方は、とにかく読んでほしい本。
たぶん、読む人それぞれに、残るところが違うと思う。

点数:83点
スリル  ☆☆☆☆★
泣ける  ☆☆★★★
ドキドキ ☆☆☆★★



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