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いしいひさいちの世界R4
<いしいひさいちの世界R4>
嫁さんから図書券(千円)をもらったので、さっそく本屋に出向いたのです。
文庫本では余るがハードカバーの単行本には足りないという微妙な金額やなぁ。
おお 手ごろな値段の「いしいひさいち、仁義なきお笑い」というムック本があるやないけ♪。
この手のムック本は、たぶん図書館にも置いてないだろうし、いしいひさいち氏デビュー40周年、総特集というキャッチコピーも大使を後押して、買い求めた次第です。
この本が加わったこの際、「いしいひさいちの世界」をまとめてみました。
・ツチヤ学部長の弁明
・ほんの一冊いしいひさいち
・現代思想の遭難者たち
・となりの山田くん
・いしいひさいち、仁義なきお笑い
・山野シゲ
・関川夏央著『やむにやまれず』
・怖るべし、天才の一歩
・最強の4コマ漫画家
・藤原ひとみ先生
(笑)いしい商店
が、ええでぇ♪
R4:『ツチヤ学部長の弁明』を追記
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<『ツチヤ学部長の弁明』>
図書館で『ツチヤ学部長の弁明』という本を、手にしたのです。
ツチヤ教授の哲学的な著作はこれまで何冊か読んできたのだが・・・
頭の中のコリが解けるようなツチヤ学部長(学部長に就任とのこと)のエッセイを見てみたいのです。
【ツチヤ学部長の弁明】
土屋賢二著、講談社、2003年刊
<「BOOK」データベース>より
教育崩壊、権威失墜、不可解な大学人事。青天の霹靂で学部長となった哲学教授は初めて忙しくなり社会的発言にも軽みを増す。お笑いエッセイ、上級者仕様。
<読む前の大使寸評>
ツチヤ教授の哲学的な著作はこれまで何冊か読んできたのだが・・・
頭の中のコリが解けるようなツチヤ学部長(学部長に就任とのこと)のエッセイを見てみたいのです。
rakuten
ツチヤ学部長の弁明
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<『ほんの一冊いしいひさいち』>
図書館で『ほんの一冊いしいひさいち』という本を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、漫画6割、文章4割という感じで…
大使の好きなビジュアル本となっています♪
【ほんの一冊いしいひさいち】
いしいひさいち著、朝日新聞社、1999年刊
<「BOOK」データベース>より
ベストセラーを笑え!!シドニィ・シェルダンから『絶対音感』『大河の一滴』まで…まさかこんな「読み」があったとは!!いしいひさいちのユーモアが冴える驚愕と笑いの書評まんが集。
<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、漫画6割、文章4割という感じで…
大使の好きなビジュアル本となっています♪
amazon
ほんの一冊いしいひさいち
硬軟取り混ぜた書評のなかで、小学校の先輩でもある土屋賢二氏の1冊を、見てみましょう。
p122
<『哲学者かく笑えり』:ヒロオカ>
漫画家いしい被災地が生まれ育った岡山県の瀬戸内海沿岸地方は、古来、海運流通の大動脈に位置し、人々は航行する船舶にインネンをつけ、税を取り立てる海賊行為を生業としてきた。
そのためか利にさとく、理屈っぽいひねくれ者の大産地として知られている。著者の土屋賢二はその代表的人物で、いしいの小学校の先輩でもあり、いしいがつねづね他山の石とさせていただいている人物であるそうだ。
御茶ノ水女子大教授である著者の専門は哲学。女子大で哲学を教えるという。華やかなような辛気臭いような日常を、哲学的なような非哲学的なような語り口で綴った文章に、いしいの手になる、どうやら特定のモデルがいるらしい「ツチの子教授」の「哲学ゼミ」なる漫画が添えられている。
文章も漫画も一筋縄ではいかないヒネクレ方、との評を聞いていたが、私に言わせればまだまだ甘い。読者が一読怒りに震え金を返せと喚く、あるいはあまりの無意味な難解さに本を投げ捨てるなどの要素はまったく無く、面白がったり大笑いできる程度なのだ。
ただし、見るべきものが無いわけではない。特に後半に収録されている、著者と友人との書簡集における芸術的なイヤミのかましあいなどは、なかなか参考になる。こうして書いている私の文章まで一段とひねくれてくるようだ。機会があればヒネクレ者同士、こころゆくまで語り合いたいものである。(ヒロオカ談)
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<現代思想の遭難者たち>
図書館に予約していた『現代思想の遭難者たち』という本を、待つこと半月でゲットしたのです。
ニーチェ、マルクス、フロイト、レヴィ=ストロース、ラカン、ウィトゲンシュタイン等々・・・その著作を読んだこともない現代思想家のオンパレードで、とにかく難しい漫画である。
【現代思想の遭難者たち】
いしいひさいち著、講談社、増補版2006年刊
<「BOOK」データベース>より
いしいワールドに分け入った現代思想の冒険者たちは、鬼才漫画家の頭脳内部で氾濫、溶解し、そして遭難!変わり果てた遭難者たちの姿がここに。
<読む前の大使寸評>
ニーチェ、マルクス、フロイト、レヴィ=ストロース、ラカン、ウィトゲンシュタイン等々・・・その著作を読んだこともない現代思想家のオンパレードで、とにかく難しい漫画である。
辛辣なオチがあるのか?と見てみても・・・思想家自体をよく知らないのであまり笑えません(汗)
<図書館予約:(9/19予約、10/06受取)>
amazon
現代思想の遭難者たち
ちなみに、ウィトゲンシュタインの1例を見てみましょう。
・・・ワカラン(汗)。
『現代思想の遭難者たち』の画像
より
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<となりの山田くん>
図書館で『となりの山田くん』という本を手にしたのです。
大使は、まだこのアニメを観ていないのだが・・・
とにかく、いしいひさいち原作、高畑勲監督という組み合せが素晴らしいではないか♪
【となりの山田くん】
スタジオジブリ編、文藝春秋、2015年刊
<「BOOK」データベース>より
いしいひさいちの長期新聞連載四コマ漫画を原作に、1999年に公開された『ホーホケキョとなりの山田くん』。高畑勲監督のもと、デジタル作業を駆使した制作過程も話題になった本作を、爆笑問題・太田光をはじめ、哲学者・土屋賢二や社会学者・阿部真大、中国人研究者・徐園などの多彩な執筆陣が読み解く。
<大使寸評>
大使は、まだこのアニメを観ていないのだが・・・
とにかく、いしいひさいち原作、高畑勲監督という組み合せが素晴らしいではないか♪
rakuten
となりの山田くん
いしい氏の毒のあるユーモアについては、曰く言いがたい趣きがあるのだが・・・
そのあたりについて、同県人の土屋賢二さんが鋭く喝破しています。
さすがに哲学者と言われる由縁なんでしょうね。
p193~194
<岡山県の人>
わたしはこの漫画がジブリのアニメになるとは思いもしなかった。第一、原作のシンプルな絵がアニメになるのか想像できなかったし、いしい氏の毒のあるユーモアがジブリのメルヘン的味わいに合うとは思えなかった。
だが出来上がった作品は見事だった。作品は自然で無理な感じがなく、気品さえある。愚かな家族の低俗な失敗を描くにはもったいないほどの気品である。洗練された音楽と画面があいまって、低俗な家族をやさしい愛情で包み込むような感じを醸し出している。「愚かさなんか包み込む必用はない」と思う人もいるかもしれないが、「賢くなければ愛するに値しない」と考える人は、駄犬や頭の悪い子の方が可愛いという事実をどう説明するのか考えてもらいたい。
いしい氏の作品をアニメ化する場合、ふつう人間の愚かさを攻撃するようなアニメ化を考えるのではなかろうか。だが高畑監督は、痛烈な風刺をほのぼのしたアニメにくるみ、いしい氏の毒に新たな味付けをするという新しい可能性を開いている。それを成し遂げたのは、高畑監督の愚かな登場人物への共感と愛情にちがいない。
もちろん、どんなに味付けしても、いしい氏の辛辣さはやわらぐわけではない。『となりの山田くん』の登場人物の表情は、バラエティに富んでいるが、どんな表情になっても滑稽さと愚かさは失わない。こんな絵を描くいしい氏はどこまで辛辣に人間を見ているのだろうか。一度でいいからいしい氏に質問してみたい。
「一度でも人を尊敬したことがあるんですか?」と。
わたしがいしい氏の辛辣な人間観を友人に話すと、その友人が言った。
「岡山人はみんなヒネクレているんじゃないのか。内田百閒しかり、いしいひさいちしかり、お前もその末席を汚している。そう言えば高畑監督も岡山出身だろう?」
それにしても・・・
岡山県玉野市出身の人とは、何故、そろいもそろって、こんなに都会的な辛辣さに溢れているのだろうか?♪
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<いしいひさいち、仁義なきお笑い>
ロングインタビュー、キャラクター辞典、寄稿マンガ(西原理恵子ら)などサービス満載のところが、ええでぇ♪
【いしいひさいち、仁義なきお笑い】
ムック、河出書房新社 、2012年刊
<内容紹介>より
デビュー40周年記念いしいひさいち大特集。本人書き下ろし「でっちあげインタビュー」、しりあがり寿、吉田戦車、宮部みゆきらの寄稿、大友克洋インタビューのほか、貴重な資料満載!
巻頭カラー4p含む「ひさいちい散歩」では、いしい氏の案内で『バイトくん』と『ののちゃん』の舞台を巡ります。
<大使寸評>
この本の巻頭にインタビュー嫌いのいしいさんの(でっちあげ)ロングインタビューが載っています。
その他、キャラクター辞典、寄稿マンガ(西原理恵子ら)などサービス満載のムック本です。
ちなみに、大使お気に入りのキャラクターは山野シゲ、藤原ひとみ先生、ポチ、ヒロオカ、ゴキブリ軍団・・・あたりでおます
とにかく、政治、経済、スポーツ、会社、時代劇、SF、思想など何でも描ける奥行きの深さが魅力ですね。
rakuten
いしいひさいち、仁義なきお笑い
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<山野シゲ>
『ののちゃん』の登場人物では、シニカルでハードボイルドなしげ婆さんが一番のお気に入りである。
山野しげ
wikipediaよりしげさんのプロフィールを紹介します。
ののちゃん
より
山野しげ
祖母(まつ子の母)。70歳(アニメ版では68歳)。活動的だがひねくれもののハードボイルド婆さん。さすがに娘や孫娘よりは勤勉だが、陰湿な一面も。怖いもの知らずで墓石の上に腰掛けたり、金属バットとスパナを持って暴走族を注意しに行くなどの行動をとる。あと30年は生きるつもりである。相撲は貴乃花、野球は巨人ファンでシーズンにはアンチ巨人のたかしと言い争う。FIFAワールドカップ フランス大会ではイタリア代表を応援していた。山田家の土地(埋立地)の所有者。『となりのやまだ君』初期は現在より少し意地悪に描かれている。気紛れにビーフストロガノフの調理を試みることがあるが、これまで成功したためしはない(それ以前にこの単語をろくに言えない)。関西出身で関西弁を話す。
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<関川夏央著『やむにやまれず』>
関川夏央は、谷口ジローのマンガの原作を書いたり、とかく、マンガに造詣の深い作家であるが・・・・
へそ曲がりのいしいひさいち氏と波長があうようですね♪
【やむにやまれず】
関川夏央著、講談社、2001年刊
<出版社からの内容紹介>
まことに残念なことではあるが、ネコにだって過去はある。人間にだって記憶はある。
人生の秋?をつぶやく18の物語
「中年シングル生活」その後の好エッセイ!
40歳にして惑わずどころか50歳にして日々はますます混乱する。大人のせつなさを虚実ないまぜに描いた司馬遼太郎賞作家の最新エッセイ。マンガ/いしいひさいち
<大使寸評>
いしいひさいち氏のマンガとコラボした、見て読んで楽しい・・・・言ってみれば、一粒で二度美味しいエッセイです・・・・というのは冗談で、関川夏央のエッセイがわりと好きなんです。
Amazon
やむにやまれず
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<怖るべし、天才の一歩>
いしかわじゅん氏が「漫画の時間」という本の中で、いしいひさいちの天才を見抜いています。
<怖るべし、天才の一歩>p97~99
なんたって、いしいひさいちは面白い。
彼は4コマを変えてしまったのだ。
確か、20年近く前、『バイトくん』という漫画で、彼は中央デビューした。当時いしいは、大阪を中心とした求人雑誌で4コマ漫画を連載していた。それが『バイトくん』だ。関西地区ではすでに不動の人気を得ていた彼を全国区にしようと、今はなきプレイガイドジャーナル社が、それをぶ厚い単行本にして、関東に送りこんだのだ。ぼくらは、それを読んで愕然とした。あのころ4コマ漫画を描いていた人たちは、旧態依然とした<起承転結>に縛られた退屈なものしか描いていなかったし、それ以上の可能性を探ろうともしていなかった。それが、文化的には傍流と思われていた大阪から、いきなり、漫画の世界に新たな視点と文法を持ち込んで、いしいが登場したのだ。驚くのも無理はないのだ。彼は、たった4つのコマがあれば、大河ロマンだって描ける、ということを証明してしまった。つまり、それまでの旧弊な狭い場所に閉じこもり、「4コマはすべての漫画の基本」などと寝言をいって納まり返り、既得権益に頼って細々と生きていた怠惰な漫画家に、引導を渡したのだ。ま、引導を渡されたからといって、その人たちが引き下がったかどうかは別問題だが。
その後、いしいは『がんばれタブチくん』で大ヒットを飛ばした。それを追って植田まさしが噛み砕いた平易な4コマ漫画を描いて支持を受け、その後を、ただ形だけ安易になぞった大量の4コマ漫画家が追い、ついに4コマはブームを経て、現在ではついに定着したひとつのジャンルとなってしまった。つまり、天才いしいが大阪から踏み出した一歩は、現在の4コマ漫画全体の、巨大な第一歩でもあったのだ。
いしいは現在、『朝日新聞』朝刊で連載している。『となりのやまだ君』だ。
ずーっと前、新聞4コマのメンバーが変わるとしたら誰か、と聞かれて、まず植田まさしで、次はいしいだ、と答えたことがある。『サザエさん』亡きあと、不愉快なほどひとつも面白くない新聞4コマが変わるとしたら、まず普遍性のある植田、それが成功したら、次は天才いしい、とぼくは考えたのだ。
新聞漫画は難しい、ということになっている。老若男女すべてに、ある程度の満足を与えなくてはいけない、と思われている。そのために漫画家たちは、不必要なまでに読者に擦り寄ったり、あるいは自分が特別の存在ででもあるかのように、尊大に庶民を啓蒙したりして、<新聞漫画>という特殊なジャンルを作ってきた。それはヒトコマだろうが4コマだろうが、変わるところはない。おまけに、そのほとんどは、なんの新しい工夫もない退屈な絵しか持ちえていない。進歩とか進化とかいうことを捨ててしまった哀しい絵だ。 いしいは、きっと違うぞ、とぼくは思った。彼はきっと、いつものようにいつものアレを描いてしまうに違いない。全人類に満足を与えることなんて、実は必要ないのだ。面白いものは、誰にだって面白いのだ。
(中略)
しかし、しばらくたってから、ふと気づいたのだ。いしいの意図は違っていたのではないか。いしいは、最初から、これをやるつもりだったのではないか。いつものアレではなく、新聞という舞台で、<家庭劇>をやってやろうと思ったのではないか。父と母と子供らの形作る、家庭ごとに少しずつ違う濃厚なオリジナルな空間。大阪精神世界の地下に根付く、天外・十吾の松竹家庭劇以来の伝統を、いしい版のあの世界でやってやろうと思ったのではないか。それも、天下の公器、大朝日の朝刊で。それはきっと、なかなか面白い試みではあったろう。大体いしいが、どこで描こうが、筆を弱めたりするはずがないのだ。いつでもどこでも、自分が描きたいものを堂々と描いてしまうに違いないのだ。そんなことは当たり前なのだ。
*******************************************************************
<最強の4コマ漫画家>
現役の漫画家のなかで、最強の4コマ漫画家は誰か?と問われば・・・・
いしいひさいちとなるのは衆目の一致するところです!(大使が断言します)
図書館で「スチャラカお宝大明神」というふざけたタイトルの本を借りたけど・・・
ええでぇ♪
【スチャラカお宝大明神】
いしいひさいち著、双葉社、2008年刊
<内容紹介>より
一冊丸ごと単行本未収録作品集の第二弾。お宝作品続々発掘。バイトくんから宇宙人までいしいキャラの総出演。はたまたスポーツマンからサリーマン、アンマン、ニクマン、カレーマン、とにかくクモの子散らすキャラクターの大洪水。4コマ、8コマ、16コマ、コマ数選ばぬ著者渾身の作品がまだまだこんなにあった!著者が生涯隠しておきたかった作品群が、今ここに堰を切って溢れ出す。
<大使寸評>
いしいひさいちの多様性にチャレンジした企画といえば聞こえはいいが、これまで単行本に未収録だった作品を並べただけのようです。
読者を舐めた企画と思わなくもないが、それが結構面白いのです。
rakuten
スチャラカお宝大明神
この本の「 あとがき」にとり・みきがいしいひさいちの面白さの秘密を述べているが・・・なかなかのもんやでぇ♪
<理想のマンガ家:とり・みき>
いしい4コマが登場したときの素直な印象は「あ、対象読者の偏差値を引き上げている」ということであった。
誤解を招きやすい言い方かもしれないが、これはスノッブやペダンティックということ全然違う。「いまの普通のマンガ読者は、もうこれくらいのことは説明せずともわかっていますよ」という作者のユーザ認識の上に描かれているマンガ、という気がしたのだ。
つまりそれまでの作り手の認識のほうが低すぎたのですね。これは数年遅れてタモリやたけしが放送界で行ったお笑い偏差値の底上げと対応する。「一部の客しか通じない」と最初は言われていた彼らが圧倒的な支持を受けメジャーになったように、いしいひさいちもまたあっというまにトップランナーになった。現実認識が正しかった証拠である。
つまり、いしいひさいちの「すごさ」は、マンガを読むような教養人(?)なら作品に接すればわかることであって、こざかしい「解説」だのをまったく必要としないものである。事実、近年まで氏の著作には、そうした文章によるフォローはほとんど入っていなかった。作者のポリシーというか矜持でもあったっはずなのだ。
この「自分のマンガを語らない」という姿勢はいっそ頑固一徹であり、いしい作品が印刷されない日はなくともご本人がメディアに登場することはほぼ皆無・・・に近かったはずだ。ろくにマンガも描かずにたまにテレビに出ているような輩とは格が違うのである。
少なくとも雑誌や新聞を読むような日本人でいしいひさいち(のマンガ)を知らない人間は存在しないが、いしいひさいち本人を知っている者もまたほとんど存在しない。純粋に作品だけで評価されている。マンガ家の理想ではないですか。少なくとも私の理想ではある。
大新聞の朝日が「ののちゃん」の掲載を続けているのは、大使としては有難いのであるが・・・
はたして朝日は「ののちゃん」の毒気が分かっているんだろうか?
分かっているならまだ脈があるが、分かっていないならアホというべきか。
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<藤原ひとみ先生>
いしいひさいちの多彩な引き出しから、大使一押しのキャラクターです。
豪放磊落大胆不敵な藤原ひとみ先生ワールドは、どないだ♪
藤原ひとみ先生
・藤原ひとみ先生の近況
・女には向かない職業1、おぼえてないわ
・女には向かない職業2、なんとかなるわよ
(笑)いしい商店
で藤原ひとみ先生の近況を見てみましょう。
二日酔いは日常茶飯事なひとみ先生であるが、この日はシャキっとしていますね?♪
【女には向かない職業1、おぼえてないわ】
いしいひさいち著、東京創元社、2006年刊
<内容紹介より>
朝日新聞でおなじみの、ののちゃんの担任の藤原瞳先生。その藤原先生が新人賞を受賞してミステリ作家に転身!? 大酒飲みで時間にルーズ。しかも書下しのペースで連載の仕事を引き受けてしまう、ザ・大物の作家藤原瞳に明日はあるのか。ゴーイング・マイウェイの極致、藤原先生の痛快テキトー生活が遂に文庫で登場。巻末に「COMICAL MYSTERY TOUR」の未収録作品も加えた、いしいファン必携の一冊。
<大使寸評>
この本では瞳先生の本性がよく表れているが・・・・
朝日新聞でここまで本性をさらすと、読者からクレームが出ると思われるので、現状の連載スタイルを続けるほうが無難でしょうね。
tsogen
女には向かない職業1、おぼえてないわ
【女には向かない職業2、なんとかなるわよ】
いしいひさいち著、東京創元社、2006年刊
<内容紹介より>
ミステリ作家・藤原瞳はいかにして形成されたのか? 高校生時代、小学校教師時代にも垣間見える、作家としての輝く文才。そして今もかわらず超テキトーな「なんとかなるわよ」的性格。豪放磊落大胆不敵。ちょっとやそっとじゃ動じない、そんな藤原先生の自由気ままな日常生活を、ドタバタ四コマ漫画でお贈りします。おなじみホームズとワトソンに、A先生や(依願)退職刑事など、充実のおまけ漫画も嬉しい、文庫化第二弾!
<大使寸評>
瞳さんはもともと、朝日新聞でののちゃんの担任として登場したが、このシリーズでは小学校を退職し、専業作家になっています。
豪放磊落大胆不敵な片鱗が見える高校生時代の素顔が面白い♪
瞳さんの両親も出てくるが、これがわりとまともでほんのり爽やかで、いしい作品のなかで異彩を放っている。
瞳さんと言うか、いしいさんがフォルクローレなどの中南米サウンドが好きなことが垣間見えます。
tsogen
女には向かない職業2、なんとかなるわよ
いしいさんがなんで、こんなに女性心理の機微に詳しいのか?
ムック本『いしいひさいち、仁義なきお笑い』によれば・・・
何人かの女性編集者の合成です。ルックスはともかくこんなのばかり担当にまわされていたわけです。・・・だそうです。
いしいひさいちの世界
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