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hydra(ハイドラ)とは、ギリシャ神話で九つの頭を持つ大蛇。 読み終わってから調べて、なんとなく表題の意味が理解できた感じです。最初に調べときゃよかった! 私みたいに20代をとうに過ぎた者としては、「若者よ大いに悩め、人はひとつの殻に収まるものではない!」と言いたいですね。 読後感のすっきりしない(それがこの作家のいいところ)でも心にずっしりくる作品でした。星三つ
2008.01.26
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こころの新書シリーズです。(講談社) サンカに興味を持ったおかげで、また五木寛之の本を買ってしまいました。庶民の歴史を残したいという著者のシリーズです。 「隠れ念仏」とは九州南部の鹿児島県などで、三百年も弾圧されてきた信仰。 「隠し念仏」とは岩手県を中心とする東北の各地に見られる信仰。その違いについては簡単に説明できないので、ぜひ読んでください。 なぜ、隠れたり隠したりしたのかというと、念仏を唱えることは一向宗の信者であり、それは身分に関係なく極楽浄土へ行けるという教えで、江戸時代は、一向一揆などを恐れて禁止する藩があったそうです。 また、温暖な九州と冷害で苦労した東北地方の、信仰の根付き方の違いがよく取材されていて、面白かったです。
2008.01.25
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《ロストオデッセイ 千年の夢》 厚い本ですが、31の短編で構成されています。 前書にも書かれていますが、ここに収められた短いお話はすべて、ゲーム『ロストオデッセイ』のために書かれたものである。一千年という悠久の時を生きるゲームの主人公・カイムが出会ってきたひとたちとの記憶でもある。 永遠の生を生きる―すなわち、死ねない男。 私自身ゲームはしないので、作者名だけ見て図書館で借りて、家に帰って前書を読んだとき、ゲームにこんなストーリーがあるの?って驚きでした。 でも、ひとつひとつの物語がそれぞれ完結していて読みやすく、カイムの哀しみを感じさせるものでした。 背景には常に戦争や人間の争い、差別などがあって、限られた生を生きる私たちの哀しみと、永遠の生を生きるカイムの哀しみ、が対照的で心に響くものがありました。
2008.01.13
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「むげんどう」と読みます。「設定は幻想的かもしれないが、私はきわめてリアリスティックな小説だと思っている」 本の帯に作者が書いています。 はっきり言って、つかみどころのない作家ですね。以前も『われら猫の子』『在日ヲロシア人の悲劇』を読みました。いままでにない、面白さを感じたんですが、今回はさっぱり解らない。 飛び降り自殺する人が増えすぎて、行政が対応しきれないので、死体を発見した人が処理することになり、自宅の庭で焼いて埋葬しなければならない、という時限立法ができた。毎日自宅マンションの前には死体がころがっていて、街に出ても死体を避けて見ないようにして歩くという毎日。 自分が死んでいるのか、生きているのか、どちらでも同じなのか? 自殺者が年々増えている日本の近未来か? 興味のある方は是非読んでください。 私からの注意:心臓の弱い方、妊娠中の方は読まないでください!
2008.01.12
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一人の少女の14歳から23歳までを描いたものです。少しずつ色合いを変えて成長してゆく様子がうまく表現されていて、惹きつけられます。お正月休みには丁度いい、読みやすくてほんわりした本でした。暮れに図書館へ行ったときに、新刊コーナーで見つけて借りてみました。そういえば、前にも「ドロップス」を借りて読んだなあ不思議な魅力のある作家ですね。
2008.01.05
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