2018.11.01
XML
カテゴリ: 京の見どころ

京都迎賓館


 東京の赤坂迎賓館と同じく海外からの国公賓を接遇する場として、平成17年4月純和風の趣をもつ国の迎賓施設として建設され開館しました

(迎賓館、開館当初は一年に10日の抽選による特別公開だけでした、たまたまH23・9月とH27・8月の二回運良く当選して見学して来ましたが、当初写真は個人の記念用としか許されずブログ等での発信は不可とされていましたが、H28・7月以降現在は通年一般公開され、休館日と行事のある日を除いて当日受付により拝観出来る事となり他にブログへのUPも見られる所から、今回迎賓館に問い合わせたところ自分のブログへの登載ならという事で許されました、念の為写真はH23orH27両年に撮影したものです、
少し長くなりますお時間が許せる時に見直して下さい)


 ↑館内一番大きな部屋「藤の間」です 

京都迎賓館は洋風建築の東京赤坂迎賓館とは対照的に「現代和風」と「庭屋一如(テイオクイチニョ)」をコンセプトとして、京都に受け継がれている数多くの伝統技術や伝統工芸が活かされ造られたと紹介されています
日本の歴史・文化を象徴する建物H14年3月に着工3年を経て完成しました、地上・地下それぞれ一階の延床面積1万6000平方メートルで建物南側を「表(オモテ)」公の場とし会談・会議・晩餐会・和風会食の場が、北側を「裏」私的設備とし賓客の居住・宿泊の施設が配置されています




 ↑ (上) 迎賓館正門とその向こうが西門で (下) 正面玄関です、玄関扉は樹齢700年の欅(ケヤキ)の一枚板が使用されています
正門は賓客をお迎えする場合のみ開けられる門で玄関ともども特別公開の折は入れていません、この折入場は南門と玄関は通らずスロープを使い地下よりの入場でした、一般公開されてからは西門及玄関を通って入場する事になっています


 ↑玄関に続く廊下です、伝統の京指物により創られている行灯(あんどん)が行く通路ところどころに配されています




 ↑「聚楽(ジュラク)の間」
晩餐会や会合が行なわれる際のロビーや待合室として使われるところです
椅子は有職織物と竹組みが用いられた椅子が並び、置かれている八角形の飾り台は螺鈿(ラデン)・漆(ウルシ)・竹工芸の技法で造られています

 ↑壁面は風神・雷神の額です

 ↑清水焼の器と冠物です


 ↑「夕映(ゆうばえ)の間」
大臣会合などの会議室また70名が利用出来る大広間で立礼式のお茶のおもてなしなどにも使用されます、ホール東西にそれぞれ縦2.3メートル横8.6メートルの西陣綴織り(つづれおり)の技法を用いて制作された織物が壁面を飾ります

 ↑東面は京都の東に聳える比叡山を月が照らす様を描いた「比叡月映(ヒエイゲツエイ)」です

 ↑西面は京都の西に連なる愛宕山に夕日が沈む様を描いた「愛宕夕照(アタゴユウショウ)」です
京都の東西を護る山の日・月の夕景が表現されています

 ↑愛宕山麓に京都夏の風物詩・鳥居形が見られます

 ↑比叡の山に輪のかかった月が輝きながら昇ります


 ↑建物中央にある大きい池を中心にして造られた日本庭園です、見えるのは池の南側です


 ↑冒頭で紹介した「藤の間」
正面の壁面装飾は「麗花」と名付けられ、藤を始めとする39種類の四季の花々・草木が描かれ、夕映の間と同じく綴れ織りの技法にて制織された作品で、縦3.1メートルX横16.6メートル.の大きなものです、共に京都の二大製織会社の作品です


 ↑横から見た広い藤の間です、向こう側面に舞台が設けられてます
この広間、洋風の晩餐会や歓迎式典の会場として使われます

 ↑満開のさくらの花と月がイメージされている様です 

 ↑床の段通にもいちめん優雅に藤の花びらが舞っています 


 ↑側面の「桧舞台」です、舞や能が演じられたり箏の演奏や雅楽などが披露され訪れた賓客の方々に日本の伝統文化を紹介する場となります

 ↑舞台扉は「響流光韻(コウルコウイン)」と名付けられ、伝統工芸「戴金(キリカネ)」の技法で金箔と銀プラチナを細く切り使われています


 ↑格子光天井は本美濃紙と京指物の技法が用いられ、和凧が連なる様な三段の傘の高さが15種調節可能な照明です


 ↑移動のため廊下に出ます


 ↑「桐の間」
京料理を賞味戴く畳56帖敷の座敷「和の晩餐室」です
座卓は、全長12メートルある漆塗りの一枚仕上げで、8メートルある大床の間には三幅の枯山水の掛け軸が掛けられています

 ↑最大24名までの会食が可能で、テーブルの下は座り慣れない海外の方々のため掘りごたつ式となっています

 ↑漆塗り座椅子の背は日本の国の紋章「五七の桐」が蒔絵で描かれています、桐の葉の色は微妙に異なり同じ柄色の椅子はないそうです


 ↑控えの間、畳はすべて「中継ぎ表(ナカツギオモテ)」という昔ながらの技法で造られています


 ↑桐の間に面する京庭園です


 ↑「和舟(ワセン)」海外からの賓客に和舟に乗って日本の文化「舟遊び」を楽しんで戴こうという配慮からです


 ↑「廊橋(ロウキョウ)」池の上東西の建物を繋ぐ橋で、この橋を境に池の水の深さが変り北に島が配された海と、南はネビキグサが植えられた水田とに分けられています
天井は、船の船底を逆さにしたように造られ中央部分が高く両端が低い船底天井となっています


 ↑橋の中央から島も見られる北側の池です、向こうは貴賓室や客室の建物です
最初の紹介で、「庭屋一如」と記していますが庭園と建物が一体となって調和し、どの建物からも庭園の景色が楽しめるよう設計されています


 ↑最後は「水明の間」
国と国との首脳会談などの為の格式の高い部屋です
水がテーマになっていて、水の上に乗り出した釣殿(ツリドノ)のような形の部屋になっています

 ↑天井のオブジェは30個、宙に浮いたように見え照明に対しそれぞれの面に光が当たるように設計されています

 ↑「悠久のささやき」と題された飾り台は蒔絵(マキエ)」の技法が施され、7万ものプラチナ粒が使われたテーブルです


 ↑池に浮かぶような水明の間です




これ迄、この迎賓館にお迎えした賓客は、フアン.カルロス1世スペイン国王.王妃・ワンチュクブータン国王.王妃・J.ブッシュ米元大統領・メリケル独首相・温家宝中国元首相・モディインド首相・メイ英首相などがおられます(順不同)



「京都御苑」

案内図です 迎賓館は京都御所の東側御苑の北東部に位置します、
入場は東中央にある清和院御門(寺町通りに面す)が一番近くですが北側今出川御門からも便利です
京都御所 私のブログでは 「遷都一千年余の内裏」 「春の一般公開」 にて紹介させて頂いています、来年の新天皇即位の儀式に使われる高御座(タカミクラ)もチラッと見て頂けます


[編集あとがき]
京都迎賓館、ご紹介してきましたが如何お感じでしょう、
 内部の装飾・調度品一つ一つにおもてなしの粋を極めたと云えるものばかり、各分野の伝統技術者の方たちによる技が生かされていて見事と感嘆するばかりでした
ただこの建物建築前には、日本に立派な東京の赤坂迎賓館があるのに二ヶ所は要るのか?、加えて指摘されたのは年に迎える賓客は最小三回、多い年でも十回迄の利用頻度なのに?との異論が上がっていました、
又御苑内の護られてきた美しい自然環境を破壊するなどの反対意見もありました、が
どうしても日本らしい和風の設備を京都に造り賓客をもてなし、日本の良さ伝統的な技術を見て貰い日本文化の発進に寄与したいとの趣旨で建設された京都迎賓館です
 この迎賓館建設費用は、240億円と云う膨大な額で又維持費が年6.8億円と謂われています、もちろん国費(税金)です、他に類を見ない立派な和風建築であり、京都に住まいする者として誇らしくもある設備ですが、開館来13年お迎えした賓客、主な方々は先に記しましたが年に5組迄、一般公開での収入では維持費も賄えません、国費だからこそ出来た迎賓館ですが宝の持ち腐れまた無駄使いになっては趣旨に反する事となります、国として造って終りでなく海外への発進も含め更に有効活用を進める方策を切に要望してやみません
*私の偏見を伴う主観です、お許しを・・・





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018.11.01 13:30:08
コメント(98) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

カレンダー

プロフィール

fujiwara13

fujiwara13

バックナンバー

2024.11
2024.10
2024.09
2024.08
2024.07
2024.06
2024.05

コメント新着

人間辛抱 @ Re:新年.おめでとうございます(01/01) どうもお久しぶりです。 新型コロナウイル…
fujiwara26 @ Re:勝ち運と開運の神様・石清水八幡宮(04/05) 謹賀新年 2022年 明けましておめでと…
Advokatv9958@ Вернеи деньги проиграные в казино Проиграли деньги в казино? Мы поможем …

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: