その6


 天井の木の模様が見えます。
わたしは自分の部屋で横になっているのです。まわりのものは普段通りに見えていても、どうやらまだ半分夢の中のようです。
 と言うのは、どうにもこうにもおかしな考えが頭に浮かんでしまうからです。
「東の神様にエネルギーをもらおう!」
これが何を指しているのかは不明です。それでも刻一刻とこの思いが強くなっていきます。
 その思いが頂点に達したとき、大きな存在があらわれました。「やった!」という思いと共に「なんで?」という疑問も湧いてきます。どうしたことか、やって来たのは南の神様だったからです。
 南の神様は不動明王のようないかめしい姿でした。
「わたしがお願いしたのは、東の神様なんですけど・・・」
という訴えなど、完全に無視をして南の神様はエネルギーを送ってきました。
 千手観音のように手がたくさんある不動明王を想像してみてください。いやいや、手がたくさんあるわけではなさそうです。手は2本でも、人間には想像もつかないほど速く動かすことができ、いろいろなことが同時にできるのです。
 エネルギーの波動は、地鳴りのようにわたしを揺らします。わたしの体は受信機になり、否応なく南の神様の波動で満たされます。
 ビリビリビリビリ・・・・・・・・・
 わたしに十分エネルギーが伝わったと感じた南の神様は、満足げに帰って行きました。
南の神様の姿を見たのはこのときだけです。ですが、わたしが心身ともに弱っているとき、本当にどうしようもなくなったとき、あのエネルギーの波動を夢の中で感じることがあります。
 ああ、南の神様が癒しのエネルギーを送ってくださっている・・・。わたしは激しくも暖かい波動に身をまかせます。





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