(Ωサーバー)隠されし 金色の 資金石 Lv.85

(Ωサーバー)隠されし 金色の 資金石 Lv.85

悲しく生きた僕がいた


僕は、いつも悲しくて
矛盾を持って生きてきた。
そして、何度も幕を閉じようとし、そのたびに失敗した。
「そうだぞ。それを飲めばあっというまにあの世行きだ。」
「ありがとうございます。」
福沢を渡して、駅へと歩く。
暗くなりかけた、細いひとりぼっちの道。


悲しく生きた僕がいた


何でこんなに悲しいんだろう。
学校では、ただ無気力に生き、
自宅では心休まる暇すらない。
母は、いつだって僕に期待する。
僕の、何がわかるっていうんだ。

悲しくて、仕方がなかった。
だから、悲しみから開放されるため何度も自殺をした。
しかし、一度も成功はしなかった。
何で、だろう?
なぜ、死ねないのだろう。
壊れたかった。
すべてから離れたかった。

高校なんて行ってられない。
いつも頭の中にあるのは死を望む願望だけ。
僕は、とても弱い人間なんです。
とても弱くて、醜い人間なんです。
だから、消えたかった。

そんな僕は、死ぬ前に何を望んだのだろうか?
そして、何を見たのだろうか?
そして、僕は最後どんな顔をしていたのだろうか。

いつものように覗く自殺サイト。
今日は、同士と集まる。
駅の近くのカラオケボックス。
そこで、自殺を誓った。
「イェーイ!」
そこで、待っていたのは、僕の望むものではなかった。
ただ、集まっていた。
そう。自殺とか考えないで。
ただ、戯れたかったやつらがいた。
「さあ、お前も何か歌えよ。」
「そうよ、座ったまんまじゃつまらないわよ?」
うるさい。
「曲入れちまったぞ?」
うるさいうるさいうるさい。
「ホラ、一緒に歌おうよ」
「うるさいんだ!!!!!!!お前たち!!!!!!」
僕は、呆気にとられる奴等をよそにカラオケボックスから出た。

僕は、何でここにいるんだろう。
さびしい。
空しい。
苦しい。
「そう、君は苦しいんだ。」
突然の声。
振り返るとそこには髭をはやしたこじきみたいな男が立っていた。
「そうそう。君の悲痛が俺を呼んだんだ。」
「だ、誰ですか?」
男は、ニコリと言った。
「ラフメイカー」

「ラフメイカーが何のようですか?」
「いや~。用ってわけでもないんだよ。」
男は、少し真面目な顔をして
「君は死にたいと思っているんだね?」
と言った。
僕は正直に「はい」と言った。
すると男は「なら、ここで殺してあげようか?」
と言ってきた。
僕は、少し呆気にとられ少したってから
「お願いします。殺してください。」
と言った。
しかし、男は「嘘だな」
と言った。
驚く僕を傍目に彼は、
「君は、死にたいんじゃない。消えたいんだ。」
と言った。
「同じじゃないんですか?」
「いいや!違う!一緒にしてほしくない!」
彼は、怒りながらも顔は笑っている。
「死んでも、君を覚えてくれる人間は、少しいるはずだ。
しかし、消えるということは、君の存在が消えて
君は存在しなかったことになる。」
僕は、途中、男の目が冷ややかになるのを感じた。
「一週間後、ここで待ってるよ。
そのときまだ、消えたかったのなら言いに着てよ。
消してあげるから。」
僕は、その場に立ち尽くした。

僕は、このまま消えてしまいたい。
だけど、あの男に消されると思うとゾッとする。
消えたはずの恐怖。
まだ、体に残っていたのか思うと少しほっとする。
まだ僕は人間だった。
失ったはずのものは、まだ残っていた。
(もしかしたら、もとの自分に…。)
ありえない。
自分ですぐに否定した。
僕は、生きたくないんだ。
どうせ。
クソッタレ、理由が思いつかないじゃないか!
すぐに僕は寝た。

次の日の学校。
ほら、いつものとおり。
クダラない。
何が楽しい?
一人、しかも女子をいじめて。
何が楽しい?
クダラない。
みんな死ね。
僕も死ね。

放課後、教室に一人の僕
『死ね。来るな消えろ!』
机に刻まれた悪口。
僕に当ててかかれたものではないのに僕はそれを眺める。
ムナクソ悪い。
僕は、黒板に
『皆、死ね』
と書いた。

「あ、芳賀君」
下校途中、僕はそいつにあった。
「ないてたのか?」
その女子の目は赤かった。
「ないてなんかないよ?おかしいねw」
「うそつけ」
僕は、彼女の顔を睨んだ。
「何で、あそこまでやられて何もいわない!?」
彼女は、黙ってうつむきそして
「だって、何かできるの?」
と、聞き返す。
僕は答えられない。
「何も知らないで生半可な事言わないで!」
彼女は、僕を置いて走っていった。
僕は、取り残されたまま空を見上げる。
(クソッタレ)

僕は、家で入学当初彼女から聞き出したメルアドを必死になって探し、
それを見つけて送った。
[すまなかった。でも、なぜ、一人で黙ってる?
あんなクソども殺せば]
僕は、送るのをやめた。

次の日。
彼女の姿は学校にはなかった。
無断欠席らしい。
イジメが原因だろう。
僕は、気にしなかった。
帰り道。
僕は、彼女にあった。
「芳賀君。」
彼女は、僕にやさしく微笑んだ。
「ごめんね。昨日は。あんな事いって。」
僕は「いいよ」と言い返し、彼女の横を歩く。
「変な事いった俺が悪い。」
「いきなり怒った私が悪いのよ」
「俺が悪い」「私が!」
互いの顔を見て、僕らは笑った。
「明日は、学校来いよ。」
「何で?」
「そりゃ…」
僕は、お前に会いたいからという言葉をのどの奥に押し込んだ。

次の日、彼女は学校に来た。
僕の顔を見て、少し笑ってまた暗い顔をした。
帰り道、昨日のように二人で歩く。
「芳賀君、私と一緒だと、いじめられるよ?」
「気にするか。」
「私だけですむのに…」
「んな事言うなよ!」
僕は怒鳴った。
「あ、ごめん…」
彼女は申し訳なさそうに謝った。
「お前は、何でも抱えすぎるんだ。何かあったら僕に言えよ!」
僕がそう言うと、彼女は心からうれしそうに笑って
「うん」と言った。
僕は、本当に彼女に引かれていった。
一日でも長く一緒にいたいと思った。
でも…。
約束を果たさなければいけなかった。

あの男との約束の日。
僕は、あの男との約束の場へ向かった。
死への恐怖はない。
ただ、
少しの後悔が残った。

「やぁ、また会ったね。」
「あなたが、呼び出したんでしょう?」
「そうだったねw」
男はとぼけた口調で笑った。
「さっさと、やっちゃってください。」
「おっと、その前に。」
男は、ポケットからひとつ何かを取り出した。
彼女の付けていた、ヘアピン。
血が付いて赤くなっていた。
「君の事を観察していた。彼女、確か『池上由美子』だったっけ?」
「彼女は!!」
僕は、男の持っているものについている液体が誰のものであるかを、考えて、そしうて否定した。
「俺は、人殺しが好きでね。ついつい手を出してしまう。
彼女を必要としている人間がいなくなったので、僕が手を出した。
彼女もそれを望んでいたし、とがめるものはいなかったからな。
それに…。」
男は、ゾッとする顔で
「君は、もう死んでしまうだろ?」
と言った。
キレた。
「あああああああああああああああ!!!!!!!」
叫び声をあげて男に殴りかかる。
「無駄だ。俺に勝てるわけがない。」
男は、ナイフを取り出した。
先端に血が付いている。
「うわあああああああああああああ!!!!!!!」
僕は、理性も無くし男を殴り続けた。
大切なものを無くした僕が
唯一見つけた大切なもの。
それを壊したこいつが許せなくて。
殴り続けた。
「芳賀君何してるの?」
彼女の声がした。
彼女は、呆然として僕と男を見ている。
「池上…。」
僕は、その場に座り込む。
男はニヤニヤしながら立ち上がる。
「最初から、彼女になんか手を出していない。
このヘアピンは、そこらを探せば簡単に手に入る。
そして、この血は、俺の血だ。」
僕は、呆気にとられたまま呆然としている。
そして、突然、笑い出した。
笑いながら、涙があふれた。
彼女とまた、歩けるんだということに気づいた。
僕のなかで、わずかに芽生えた生きたいという気持ち。
それに気づいて、僕は笑った。
「さて、これで俺の仕事は終わり。あとは、自分で解決しな!」
男は、そのまま遠くへと消え去った。

僕は、家に帰ると
隠してあったたくさんの睡眠薬をすべて
ゴミ箱に投げ入れた。


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