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酔眼教師の乱雑日記
日米におけるSC開発の比較
日米におけるショッピング・センター開発の比較
――次世代商業集積間競争への模索――
1.問題の所在
来年度から「大規模小売店舗立地法」が施行され、「大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律」(通称:大店法)が廃止される。1973年以来、大規模流通企業と小・零細小売業者との調整政策としての役割を果たしてきた大店法がその使命を終えることになった。
周知のごとく、「大店法」は小・零細小売業者を保護する立地制限政策であり、大規模流通企業の店舗開発を意図的に制御したり、ショッピング・センター(以下,SC)のデベロッパーが希望する面積をはじめ、マーケティング諸活動に様々な制約を加えていた。大店法はわが国の大規模流通企業やSCの発展を遅らせた大きな要因であると同時に、流通構造の近代化を遅らせた原因の1つといえる。
しかも近年、流通分野におけるグローバル化や規制緩和および地価の低下などを背景に、アメリカでのSC競争を勝ち抜いた商業専業デベロッパーが欧米の流通企業をテナントとするSC開発計画を進めており、15年遅れの安定生活文化度対応型の日本型SCでは次世代のSC競争に打ち勝つことは出来ない。その上、今まで兼業デベロッパーとしてSC産業発展に大きな役割を果たしてきた量販店をはじめとする流通企業が、バブル後の景気低迷による売り上げ不振に陥るとともに、過去のSC投資の固定化と有利子負債の増加に苦しんでおり、今後もデベロッパー役を担うことが困難になっている。流通企業は1テナントとして、SCに入店する時代が来ているのである。
そこで、本稿では、SCを「組織された行動体系」の1類型としてとらえ、その上で、流通産業において常に10数年わが国よりも先の仕組みを創りあげ、また、SC先進国であるアメリカにおけるSCの動態的変化を導入期、進化期、再設計期に分けてリビューし、次に、日本のSCの推移を見たうえで、最後に、アメリカの動向を参考に、これからSC間競争が本格的に展開されると予想される日本で、今後開発されるべき次世代SCを模索してみたい。
2.組織された行動体系としてのショッピング・センター
商業集積は1つの組織された行動体系(Organized Behavior System, 以下:OBS)としてとらえることができる。
オルダ―ソン(W. Alderson)はOBSを次のように定義している1)。人間を構成要素とし、構成要素間の相互行為が人間の行動であり、個人が独自で活動する場合よりもシステムに参加する方がヨリ大きな満足を得られるという「期待」によって構成要素間が結びつけられるシステムであり、その代表として企業と家計を上げている。企業の集合・集積である商業集積も1つのOBSと考えることが出来るとしている2)。
また、オルダーソンによれば、OBSは構成要素の組織内における位置づけを示す「勢力システム」、構成要素間の相互行為を斉合させるための「情報伝達システム」、OBSと環境との間の相互行為を示す「投入―産出システム」、投入―産出関係を通して勢力システムや情報伝達システムの構造や機能を調整・変更するとともに環境に能動的に働きかけて環境自体をある程度変革させる「対内―対外調整システム」の四つのサブシステムから構成される明確な目的志向性をもつものであり、その行動を通して環境に動態的に適応し、存続・成長していくものであるとしている3)。
自然発生的商業地域と比べて、計画的商業集積であるSCはデベロッパーをリーダーとする「勢力システム」と「情報伝達システム」を内部構造に持ち、デベロッパーとテナントである流通企業群は集客を中心とした共通利害で結ばれ、地域生活者のニーズに対応したテナント・ミキシング(「投入―産出システム」)を行うことによって、OBSとしての特徴をヨリ強く持っていると考えられる。
OBSの要件を強く備えているSCは商店街に代表される自然発生的商業集積よりも統一された組織・マーケティング行動面で競争有利性を発揮しており、商業集積間競争に打ち勝ち、結果として、商店街が衰退しているのである。自然発生的商業集積が再活性化するためには、OBSとしての4つのサブシステムを再構築することが必須条件であろう。
新SCの建設は地域社会に影響を与え、生活者の購買行動を変革し、競争環境を一新するし、一方、生活者の価値観の変化はライフ・スタイルや購買行動の変化をうながし、また、競争の激化は、SCの運営システムやマーケティング行動の刷新を求める。ここに、「体内―対外調整システム」の重要性を見いだすことができる。
OBSであるSCは社会経済的環境との相互作用(「投入―産出システム」)のなかで、市場機会をとらえるた場合にのみ成長・繁栄していくことができるのである。
本源的環境である生活者の価値観とそれに伴う生活文化構造4)は経済の発展・所得の上昇とともに変化し、生活文化度も変容する。また、小売競争環境も業態開発、情報技術の発展に伴うオペレション・システムの開発および商品調達システムの開発に伴って変貌する。
それらの環境変化は、流通企業の行動変容と同様に、SCにもダイナミックな行動変容を迫るのである。
{ 図表1を挿入 }
3. アメリカにおけるSCの動態的変化5)
最初に、現在のアメリカにおけるSCの現況を1998年の統計を中心に見ておくと、SCの総数は43,600であり、規模別内訳は図表2のとおりである。
規模別では約85%が売り場面積18,600㎡以下の小規模SCであり、近年は小規模なネーバーフード型のSCが増加傾向にあり、平均売り場面積は11,357㎡である。経年でみると、対前年増加率は90年代に入ると著しく低くなっており、SC は飽和状態になっていることがうかがえる。そこで、アメリカの商業デベロッパーは海外進出を図っており、とくに、潜在需要の大きい日本を有望市場としてとらえ、進出計画を進めているのである。
自動車販売業を除くと全小売販売額の51%(10,446億ドル、約120兆円)を占めており、州税納入額は43.0億ドルである。農業従事者を除くと労働人口の8%を雇用しており、月間にSCを訪れる成人の数は188.8百万人である。SCがアメリカの経済・流通において果たしている役割の大きさが理解できよう。
日本では、アメリカの大規模な非日常的なアミューズメント型のSCが話題になることが多いが、その実態はほとんどが小規模な日常生活を充足するためのSCであることを認識しておくことは今後のわが国のSCを検討する上においても重要なことである。
[ 図表2を挿入 ]
3.1 導入期のSC――計画的商業集積の誕生――
アメリカにおけるSCについては、19世紀の終わりから今世紀のはじめにいくつかの開発実験が見られるが、現在の開発や運営の原型は1920年代および30年代に始まったといえる。本格的なSCの開発時代は第2次大戦後の50年代からである。
ただ、第2次大戦前にSC産業の基礎となるコンセプト(1つの施設として計画され、開発され、管理された商業集積)とデベロッパー、プランナー、アーキテクト、コンストラクターなどの共同による開発システムが形成されていたことには留意しておく必要がある。SC開発は、さまざまな組織や専門家の協同作業であり、それぞれの役割が明確にされた協業システムが確立していたことが、戦後の急速なSCの導入を可能にしたのである。
[ 図表3を挿入]
1950年代、SCは社会経済的環境の変化によって必然的に導入されたといえる。第二次大戦後、復員した若者が結婚し、核家族化が進み、子供(80年代の消費の中心であったベービーブーマと呼ばれる人たち)が生まれ、住宅需要が旺盛になった。この需要に応えて、郊外に新興住宅地(サバーバン)が開発され、消費者所得の急増と相まって、1つの市場が形成された。その需要の受け皿として、生活必需品を販売するネーバフッド型ショッピング・センター(neighborhood shopping center, 以下:NCS)が建設された。ほとんどのNSCは、単一の住宅地域の日常的需要を個別的に満たすために開発されたものである。この時期、消費者は買回品購入には、都心まで買い物に出かけていた。しかし、消費者は都心までのドライビング・タイムや都心における駐車場不足に不満を感じていた。
このような消費者の不満を解消するために、都心の百貨店や専門店の郊外出店が考えられ、それらを核店舗とし、生活必需品を提供する店舗で構成されるコミュニティ・ショッピング・センター(community shopping center, 以下:CSC)が開発されてくる。CSCによって、消費者はワン・ストップ・ショッピングが可能になった。この時期が、導入期から進化期への過度期である。
デベロッパーはテナントを集めることだけで、消費者需要を満たすことができ、収益を上げることが出来た時期であり、OBSとしてのSCにおいては勢力システムだけが必要な状況であった。
3.2 進化期のSC――規模の拡大戦競争――
進化期の始めは、住宅開発とSC開発とが同時に進行し、コミュニティに焦点を当てた計画的センターが建設されるようになった。住宅開発と商業開発が結びつくことによって大規模なデベロッパーが出現した。住宅と商業施設の同時開発の理念は、大規模な地域開発から近隣型の小規模開発まで取りいれられるようになり、都心部に居住する多くの中産階級の消費者が快適な生活環境を求めて、郊外へと移動していった。
CSCに進出した革新的流通企業(量販店)の成功を見て、多くの流通企業が郊外出店を図り、小売業の活動の舞台はサバーバンに移り、SCの繁栄時代を迎える。一方、ダウンタウン(都市中心部)は衰退し、スラム化が進み、ダウンタウンの小売業は衰退していく。
活発なSC開発は1つのシステムとして確立し、建築・造園、交通問題や駐車場、テナント構成、省エネや照明などに携わる多くの専門家が出現するが、ショッピング環境(店舗環境)は同質的であり、同レベルのSCは規模やレイアウトで、同じような品揃えとサービスを提供することになってしまい、OBSとしての投入―産出体系が同じである同質的競争が進展し、消費者にとっては魅力のないものになってしまったのである。
そこで、デベロッパーにとっての課題は、差別化したSCを創造することに移っていく。
差別化の第1歩は、規模の拡大に置かれ、複数の百貨店や全国チェーンの量販店をキーテナントとするリージョナル・ショッピング・センター(regional shopping center, 以下:RSC)が誕生する。その結果、中途半端な魅力のないCSCは競争に敗れ、衰退することになる。
RSCは快適性を保持するために広いオープンスペースを持ったエンクローズドモールで建設され、流行のファッションや最新の生活スタイルを提案し、消費者を楽しませる場としての特徴を強めたために、実用的な買い物場所としての役割を果たさなかった。このようなRCSの投入―産出システムと対外―体内調整システムは、消費者の生活必需品の購買行動との間にソゴを生じさせ、結果として、RSCに付帯的に設営されていたNSCがRSCから独立して、生活者の住居の近くで短時間に生活必需品を購入したいという欲求に対応して、居住地域の周辺にオープン・モール形式で形成された。
70年代に入ると、規模の拡大はさらに進み、スーパー・リージョナル・ショッピング・センター(super regional shopping center, 以下:SRSC)を生みだす。SRSCは将来の地域開発を予測して、主要高速道路の交差する付近の原野に、住宅建設の数年前に建設された。SRSCは地域開発の動因の役割を果たすことになる。SRSCはいくつかの百貨店や量販店をキーテナントとし、百を越える専門店をミックスしたものであり、魅力はセンターの規模であり、主要テナントは,市場が十分に開発されるまでの財務的余裕のある全国チェーンであった。
70年代の後半になると、「クオリティ・オブ・ライフ」を求めた人たちの流入が続き、高い成長率を示していたサンベルト地帯を除いては、サバーバン開発の終了とともに、SC産業の市場は飽和状態になり、デベロッパーは規模の拡大戦略から新たな差別化・成長戦略を立案する必要に迫られた。OBSとしてのSCは全く新しいOBSサブシステムを創造しなければならなくなった。SC開発関係者間の新たなる勢力システム、情報伝達システム、戦後生まれのベビーブーマーと呼ばれる知的生活者のニーズに合致した投入―産出システム、知的生活者との新たな対内―体外調整システムの再構築が求められることになった。すなわち、それまでのSCとは全く異なったOBSパラダイムへのシフトが求められることになり、SCは再設計期へと進んでいった。
また、衰退していたアーバンの再活性化が全国的に課題となり、そのための装置の1つとしてのアーバン型SC開発がテーマとして取りあげられるようになった。都市間競争が厳しく展開されているアメリカでは、行政が多くの再開発に対して、土地の払い下げ、市債発行による低利資金調達、駐車場などのインフラ整備等を積極的に行い、さらに、売り上げ税の払い戻し等を含む手厚い支援を行っている。
3.3 再設計期のSC――多様なSCの開発競争――
80年代に入ると、有望な立地場所の確保が困難になり、既存店舗は老朽化し、RSCは飽和状態になり、テナント・ミキシングが消費者のニーズにあわなくなった。とくに、RSCやSRSCのキーテナントの役割を果たしてきた百貨店や量販店がアパレル・ファッションの不振を始めとして市場適合力を低下させ、業績が悪化し、SCから撤退を余儀なくされる企業も出始めた。
デベロッパーは新たな投入―産出システムとしてのテナント・ミックスを開発しなければならなくなった。そして、内部構造に新たな勢力システムと情報伝達システムの確立の必要が生まれたのである。ここに、デベロッパー業における新たな市場機会が生まれ、SC専門のデベロッパーが不動産投資信託などの資金調達方法を採用して、急速な発展を遂げ、新たなSC間競争を展開し始める。SC開発は再設計に入ったのである。
この時期以降、消費の側においても大きな変化が生じた。すでに述べた団塊の世代であるベービーブーマーが消費の主役となった。戦前・戦中生まれの安定型生活文化度レベルにあるマス消費者世代の価値観や購買行動とは異なり、この世代はモノを所有することに満足するのではなく、十分な情報探索を行い、豊富な情報を持ち、商品の質やファッション性を重視し、その商品が生活空間の中で、どのように他の商品と組み合わされて、自分や家族の生活にベネフィットを提供してくれるかを購入の基準にする生活文化を創造するエンジョイ型生活文化度レベルの人たちである。そのため、マス消費者世代のような共通的なジェネラル・ニーズの充足で満足するのではなく、ベービーブーマーは個人的なスペシャル・ニーズを持ち、得られるベネフィットによって、徹底的に価格にこだわる買い方と全く価格を気にしない買い方を使い分ける。
しかも、女性の高学歴化と社会進出によって、ワン・ファミリー・ツーインカムという家族形態や、子供のいないダブルインカム・ノーキッズ所帯が増加し、所得も増加した。有職主婦は当然ながら、生活必需品の買い物に出かける回数も買い物時間にも制約を受けるので、従来とは異なる購買行動をとるようになり、買い物習慣が週に1度から月に2度に変化したといわれる。買い物に時間を取られないように、ワン・ストップ・ショッピングのニーズが一層強くなる。
また、自由の国アメリカでは80年代にエスニック化が進展し、アジア系人口が80%、ヒスパニック系が40%も増加し、今後もこの傾向が続くものと思われる。多民族になればなるほど、生活者の価値観もライフスタイルも購買行動も多様化していく。
しかも、90年代にはいると、80年代の消費の主役であったベビーブーマーがブラックマンデーを経験し、バリューシフトを起こし、ライフスタイルを変え、購買行動を変えている。行動変化は次のように表現されている6)。
「トレンドや物質主義にうんざりした米国人は、家庭の楽しみやベーシックな価値や長く使用できるモノを再発見しだした。いまアメリカでは質素革命が進行している。彼らは“不況を生活を改めよ”という警告だととらえ、その7割が“リラックスした人生を送りたい”と答えている。彼らの趣味や生活態度をスケールダウンすることは必要に迫られた美徳だ。これまでの彼らの支出は共稼ぎと借金に支えられたものだった。80年代の消費の中心であったベビーブーマー世代は、いまや年老いた両親を介護し、ファッションやフィットネスの代わりに自分の引退を考える年になった。」
消費側のこのようなバリューシフトによって、既存の流通業態が衰退していくとともに、流通企業に新たな市場機会を生みだし、様々な業態が開発されることになった。流通企業も再設計期に突入したのである。
80年代中頃から、スーパーセンター(日常生活品を総合的にワンストップショッピングを可能にした店舗:ドラッグストアとスーパーマーケットとディスカウントストアが1つになった店舗)、ウエアハウスストア(倉庫運営型店舗)、アウトレットストア(製造業者が過剰品などを低価格で販売する直営店舗)、オフプライスストア(ファッション関連のブランド商品を低価格で販売する店舗)、カテゴリー・キラー(ある特定の商品群を徹底した低価格で販売する店舗、スーパースペシャリティストアとも呼ばれる)などの新業態が次々と誕生した。
新核店舗と新業態の店舗のテナント・ミックスを伴った新コンセプトによるSC開発・運営システムの必要に迫られていたSC専業デベロッパーは、流通企業の業態開発と連動した形で、新OBSパラダイムを持ったSC 開発をおこなうようになる。
デベロッパーは、全ての業種・業態・サービス・アミューズメントを取り込んだ一層大規模なSC開発の途もしくは、小規模ではあるが買い物の利便性を提供し、投資収益率の高い小規模型SC開発の途への2極分化を進めた。また、生活者のニーズの即応した機能によって、SCはコンセプト開発を中心に多様化と細分化が進展している。
最近のSCを業態的な切り口で整理すると次のようなものがあげられる。
1. 日常生活品を中心にした品揃えや営業時間など利便性を強調したコンビニエンスセンター
2. 百貨店や専門店を中心にテナント・ミックスしたファッション・センター
3. ディスカウントストアやカテゴリーキラーを中心としたパワーセンター
4. アウトレットストアを集めたアウトレットモール
5. エンターテイメントセンター
まさに、アメリカのSCは百花繚乱の呈を示している。
以上のように、動態的な変化を果たしてきたアメリカのSC産業を支えてきたのは、小売産業における絶えざる企業間および集積間競争と対応策としての業態開発と新コンセプトによる商業集積開発、デベロッパーを中心とする多くの専門家集団から構成されるSC開発システム・チームの存在であることがわかる。
4. 日本におけるSCの発展
この節のタイトルに動態的という言葉をつけなかったのは、小売企業の業態開発と同様に、日本におけるSC開発はアメリカのSCの模倣であり、OBSパラダイムを創造的に構築し、4つのサブシステムを作り上げていないからである。言い換えれば、日本におけるSC開発は10年程度遅れて、その時々にアメリカで開発されたSCが、無秩序に日本の本源的・隣接的環境を考慮することなく導入されているために、導入期と進化期は混然としており、明確な時代区分をすることができない。ただ、後で述べるように、現在、再設計期を迎えていることは間違いない。
ここで、(社)日本ショッピングセンター協会(Japan Council of Shopping Centers,以下:JCSC)のデータをもとに、わが国のSCの現況をみておこう7)。
JCSCはSCを「ひとつの単位として計画、開発、所有、管理運営されている商業・サービス施設の集合体で、駐車場を備えるものをいう。その立地、規模、構成に応じて、選択の多様性、利便性、快適性、娯楽性などを提供するなど生活者ニーズに応えるコミュニティ施設として都市機能の一翼を担うものである」と定義している。
このように定義されるSCを、年度別開設数の推移、立地別開設数の推移、開設年度別平均面積の推移、年度別売上高と小売売上高におけるシェアの推移、現在のデベロッパー別SC数、キーテナント形態別SC数などで検討し、その趨勢をみてみよう。
年度別開設数では、80年以前に開設されていたSCは805であり、80年代始めまでは毎年80-90がオープンしていた。その後、開設数は少し減少するが、80年代末からは再び増加傾向になり、大店法が緩和された92年以降は、毎年100を越えるSCがオープンしている。
開設年度別立地をみると(図表4)、89年までは中心商業地域・周辺商業地域・郊外住宅地域での開発がほぼ同数で推移しているが、90年代にはいると、中心商業地地域と周辺商業地域の開発数に比べて、郊外住宅地域とその他の町村地域での開発が盛んに行われるようになり、開発の主流は郊外や田園地域での立地創造型へと移りつつある。
開設年度別平均面積は大体1万―1万2千㎡で推移してきたが、93年以降はより大型のSC開発が進められており、ここ3年は平均1万7千㎡前後の面積になっており、大規模化の傾向にある。
[ 図表4を挿入 ]
核テナント形態別SCの構成比ををみると(図表4)、核なし21.9%、1核のSCが62.6%、2核のSCが13.5%、3核以上のSCが1.9%である。主流は1核のものであり、キーテナントは兼業デベロッパーである量販店とスーパーマーケットで1核の87%を占めている。94年と対比してみると、売り場面積の拡大に伴って、多核化していく傾向にあり、94年にはなかった百貨店とスーパー、量販店と専門店(カテゴリーキラー)を核テナントとするSCも出現し、核テナントのミキシングも多様化してきている。
SCのデベロッパーを業態別(産業別)にみると(図表5)、1番多いのは小売業で全体の44.1%、1124店舗を占めており、その中でも、量販店が670店舗(全体の26.3%)と食品スーパーが355店舗(13.9%)と小売業の90%以上を占めている。2番目は不動産業で662店舗26.0%である。不動産業の中には駅ビル会社も含まれるが、多くは全国各地の中小不動産業者である。ついで、SC専業が293で11.5%、そのうち複数のSCを展開しているのは10社程度である8)。そして、共同店舗管理業が278店舗で10.9%である。SC専業と共同店舗管理業を併せても全体の約4分の1であり、SC開発のノウハウを持っている専業デベロッパーは数少ない状態である。
[ 図表5を挿入 ]
SCの98年度末の総数は2,551、売上高は256,039億円である。全小売業におけるSCのマーケット・シェアは、82年9.7%、85年10.4%、88年11.8%、91年11.4%、94年15.5%、97年17.3%と推移しており、SCが小売業において中心的役割を果たすようになってきている。また、約1,200のSCが現在計画中であり、わが国においてもSC時代が幕を開けようとしている。
[ 図表6を挿入]
4-1 導入期・進化期のSC
アメリカのSC開発と比較した場合、日本が車社会になっていなかったこと、専業のディベロッパーが存在せず、SC開発のノウハウがなかったこと、アメリカ流の郊外型SCだけでなく、都心部にもSCが展開されたことなどに違いがある。
初期にSCの名称がつけられた商業施設は寄り合い百貨店か駅ビルのなかの店舗集団であり、アメリカ型のSCが開発され始めたのは1965年頃である。
1960年頃から、大都市から周辺都市への人口移動がおこり、周辺都市で商業施設が不足するという環境変化をとらえて急成長しはじめた量販店(GMS)はアメリカのSCを参考にしながら、自社を核店舗としたCSCとNCSの開発を進めるとともに多店舗展開をしていった。
当然、デベロッパーの役割を果たしたのは、量販店を中心とする流通企業であった。デベロッパー役を果たした流通企業は土地を取得し、建物を建設し、それらを担保として、資金調達を行い、新たなSCを建設するという戦略を展開していったのである。
兼業デベロッパーである流通企業は郊外立地だけでなく、駅前立地にも積極的に出店していった。チェーン・ストアの台頭の影響を受けた商店街が衰退するのではとの危機感から、駅前再開発の計画が次々と立てられた。これらの計画は、ジュニアデパート化を目指し、市街地志向を進めていた流通企業の戦略と合体し、再開発型SC開発が進められた。これらは日本型SCと呼べるものであり、基本的には車消費者ではなく、電車利用者を対象とした「駅ビル型SC」・「地下街型SC」・「ファッション・ビル型SC」などがあり、また、自転車客や徒歩客なども対象とする「郊外駅前型SC」も開発されていった。
極端にいえば、日本における導入期・進化期のSC開発は量販店を中心とする流通企業のマーケティング戦略における立地戦略の一環として進められたものであるといえる。
70年代半ば以降になると、百貨店・量販店・専門店などの異業態の複合機能を備えたRSC、文化施設を備えたSC、本格的SRSCの開発、地方でのRSCの開発が展開されるようになる。さらに、80年代に入ると、SCの数も1,000を越え、ホテル・オフィス・公共施設などの複合化したSC、街づくりと連動したSCなど多種多彩な開発がなされた。
4-2 再設計期のSC――SC時代の到来
90年代に入ると、従来型SCをより大規模化したSC開発や、80年代後半にアメリカから移入された価格訴求を武器とする業態であるカテゴリー・キラー、ファクトリーアウトレット・ストア、オフプライス・ストア、ウェアハウス・ストアなどをテナントとして組み込んだSC開発が進められ、アウトレット・センター、パワーセンター、ウォーターフロントSCなどが出現してきた。また行政支援型の村おこし・町おこしの運動と連動したSCも出来てきた。
最近のSC開発の特徴は、アミューズメント施設を併設した時間消費型のメガSCと田園立地にあるといえる。
立地選択では、都心再開発型と同時に、田園地域に立地するSCが建設される傾向が強くなってきている。
それは次のような理由によると考えられる9)。
(1) 大都市と周辺都市のオーバーストア現象
(2) 自動車の普及と全国的な幹線道路および地方都市における道路網の整備
(3) 産業構造の転換と海外移転に伴う遊休跡地および農業政策の変更に伴う遊休農地などの遊休地の出現
(4) バブル経済崩壊により、地価および賃借料が低下したこと
(5) 大店法の緩和により、出店調整期間が短縮したこと
このような環境変化をうけて、広域商圏を対象としたアミューズメント施設を併設したメガSCが都心部や郊外地域に建設され、話題をよんでいる。アメリカの70年代終わりのような規模の拡大競争が行われているが、その競争は成功したといわれるSCの模倣であり、同質的競争である。
しかし、広域商圏を対象とするメガSCが狭い国土のなかで人口密度が偏っている日本にそんなに多く必要だとは思われない。いたずらに過当競争を招くだけであり、規模の魅力などの話題性のある間は集客できても、その場は非日常的な場であり、SCの本来の機能である地域住民の日常的需要を満たし、生活空間を豊かにし、暮らしを革新する施設でなければ、リーピート客を獲得し、継続的関係性の維持を期待することはできない。
しかも、バブル経済崩壊後、消費者は知的生活者へと変貌しつつあり、安定型生活文化度から、エンジョイ型生活文化度に移行し始めている10)。その上、兼業デベロッパーとしてSC産業発展に大きな役割を果たしてきた流通企業は、バブル後の景気低迷による売り上げ不振に陥るとともに、過去のSC開発投資資金の固定化と有利子負債の増加に苦しんでおり、今後は兼業デベロッパーとしてSC開発を担うことが困難になっている。流通企業は1つの核テナントとして、SCに入店する時代が来ているのである。
次世代SC産業において、外国の流通企業やSC専業デベロッパーと競合して行くには、萌芽的に誕生しつつある商業専業デベロッパーの成長が必要になってくる。そして、もっと小商圏を対象とし、その商圏内の限定した知的生活者の価値観やライフスタイルから生まれる生活空間別のニーズや欲求を満たすことのできるテナント・ミックスをした多種多様なSCが求められるであろう。同質的競争から異質的(差別化)競争へと転換していく時期である。
生活者の生活文化の変容や競争環境の激変によって、まさに、日本においてもSC産業が再設計期に入ったのである。
5. 結語にかえて ――差別化戦略の進展――
生活者のバリューシフトのなかで、限定された需要を奪い合うSC間のメガ・コンペティションに打ち勝ち、OBSとして存続・成長していくためには、どのような規模・業態のSCであろうと他のSCとの差別化を明確にしなければならない。差別化戦略はどのような投入―産出システムを目指すかによる。具体的には、デベロッパーは地域の知的生活者の価値観やライフスタイルを調査し、4つの生活空間11)のどれかもしくは全部を豊かにし、生活空間を革新することを基本コンセプトし、それをもとにした開発コンセプトを策定し、市場ポジショニングを決定し、コンセプトを具現化するためのテナント・ミックスを選定し、デベロッパーを核とする勢力システムと意志情報伝達システムを確立し、体内―対外調整システムとして、SCのコンセプトと魅力を統一的かつ継続的に生活者に訴求するためのコミュニケーション力を高めなければならない。
次世代SCは先に述べたように差別化戦略が核となる。そこで、次世代SCの類型を考える場合、差別化のファクターの組み合わせによって、多種多彩なSCが考えられる(図表7)。
すなわち、それぞれの地域特性に応じて、図表7示したファクタ1:開発コンセプト、ファクター2:立地、ファクター3:規模、ファクター4:モールの形式、ファクター5:小売テナント・ミックス、ファクター6:その他のテナント・ミックスを組み合わせることになり、開設後はファクター7:コミュニケーション・メディアの選択、ファクター8:テナントの入れ替えなどが加わるので、次世代SC産業においては、汎用的モデルは成立しないのである。
これからは、OBSの中核的存在であり、開発主体であるSCデベロッパーの力量が問われる時代になったのである。
[ 図表7を挿入 ]
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