本棚≪愛久愛輝羅好≫

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第31話・前




ここは何もない荒野。

周りの景色は雲に覆われた黒い空と

荒れ果てた地面。

まるで初期の魔界を思わせるような場所。

そこで

「ッ・・・!!」

「ほら、さっさとかかってこい」

セツナとゼロスが、対峙していた。

他の一同よりも、ケガがひどかったため

傷が癒えきっていないはずのセツナ。

だがセツナは、普通に立ち、普通に話せている。

体が鈍ったりも、していないようだ。

「・・・!!」

指を向けるも、気閃を撃てないセツナ。

髪を切られたことにより

父親に対する壁を厚く感じ

越えられない壁・・・そう思ってしまっているのだ。

「こねぇなら、俺からいくぜ」

そう言うとゼロスは高速でセツナに詰める。

そのまま突きを放った。

セツナの方はギリギリかわし、

「ドーンッ!!」

弱いが、気閃を放った。

当たったが、ゼロスにダメージはない。

だがセツナの方も、少し戦う決意が固まってきたらしい。

バチバチッと指の周りに気が集まる。

そしてそれを、ゼロスに向けた。

「はぁぁ・・・ドッカーーーーーーーンッ!!」

そして、懇親の力を込めて、気閃を放った。

だが

「弱いな・・・お前の決意はそんなもんか?」

そう言いゼロスは

片手を前に出して、気閃光を防いだ。

「!!」

それを見てセツナは、思ってしまった。

思っては、いけないこと

(勝てない・・・無理だ・・・)

セツナの最大の弱点は

自分を過小評価するところ。

メンタルの弱さである。

今の仲間と出会い彼は、

本当の強さの意味を知った。

幼少期は、自分は他の子より強いと思っていた彼。

しかし、カイトたちと共にウルボロスを倒した彼は

本当の強さの意味を知った彼は

自分を過小評価している。

少しのことで、すぐに

『自分は弱い』と

思い込んでしまうのだ。

だが

「お前・・・俺様を越えるんじゃねぇのかよ」

「!!」

ゼロスは、そんなセツナの心を見透かしたように話し始めた。

「いずれ越えるとか・・・そんな甘い考えは通用しねぇよ・・・小せぇとき、俺につっかかってきてたことを思い出せ」

セツナは回想する。

幼少期の彼は、ゼロスを倒そうと

いつもケンカをふっかけていき

学校でも、彼は1年生のときから

1番強い存在であった。

「お前は強い・・・自信持って、俺を今、越えろ!!」

「!!」

セツナの目に、覇気がこもった。

そして

「!!」

ゼロスが驚くほどの、気が発生した。

「俺は・・・親父を・・・越える!!」

セツナの真の力が、解放された。




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