本棚≪愛久愛輝羅好≫

本棚≪愛久愛輝羅好≫



スールズよりやや北、冬を抜けた場所、

サイトが修行をしていた小屋よりも数十キロほど東の地域。

そこには農家が数件並ぶ、名もなき集落があった。

農作業をしていた初老の男性が、突如空から降ってき、粉塵が舞う目の前の光景に手を止める。

粉塵が晴れたとき、声をあげるよりも先に男性は自分の家へと走っていた。

歪。

降ってきたものを表現するならば、まさにこの言葉。

3本の首に狼のような顔。神話に出てくるケルベロスのような魔物が、そこにはいた。

体は黒に近い紫で、見た目からいって闇の勢力であるのが、一般人でもわかるほどのもの。

ケルベロスは咆哮をあげ、畑を暴れだした。

同時に各地に降り立った、クラマが生成した魔物たち。

イセリアのすぐ近くの海には、巨大なイカ、クラーケンのような魔物。

シルアラ、テレパスの中央にある火山島には、首の8つある龍、オロチのような魔物。

フラノールとスールズの間にある雪山には、白い毛皮の、雪男のような魔物。

トリエット付近、砂漠には巨大なミミズのような魔物。

パルマコスタ付近には、闇の化身サタンのような魔物。

ミズホの里裏山には、侍のような人の型をした魔物。

オゼット付近側のガオラキアの森には、阿修羅のような魔物。

グランドキングダム付近には、魔物というより、人の型をした闇。

それぞれの地域へと降り立った魔物たちは、近くの地域を荒らしだす。

それに対応するため、近くにいる戦える者たちが戦闘体制をとった。

そしてそれらの魔物に逸早く気づいたのが

「!!・・・かなりまずいな・・・」

「うん・・・この状況はかなり・・・」

リンクの力がある、カイトとカリンである。

ライオ、イオン、ジオと共に行動していた2人であるが、

すでにナチュラルリーフ付近まで移動してきていた。

そして、ナチュラルリーフ付近、リフィルたちが潜伏する洞窟へとやってきたのだが

「来ましたか・・・」

そこには真天界から改めて派遣されたヒカリがすでにおり

一同に状況説明を始めた。

クラマの生成した魔物が、各地へ降り立ち荒らしているという状況。

「現地戦力が乏しい地域もあります・・・本体を叩く前に、まずこちらをどうにかしないといけませんね」

まだコーザが目覚めておらず、クラマについての情報を聞き出せていないので、

ヒカリの提案通り、先に各地に降り立った魔物たちへの対応をすることとなる。

コーザの治療のため動けないリフィル、そして手伝いおよび護衛の為ここに残るベールを除いて、

一同は各地への魔物の対応へと向かう。

スールズ北東の集落へは、民間人がいるので緊急性が高いため、近くにいるミュウに、ライ、スララが合流。

イセリアはまだツバサとモモカがいるので、この2人に。

スールズとフラノールの間の雪山へは、クール、ジーニアス、ナック。

火山島へは、カイト、ライオ、イオン。

パルマコスタへは、コレット、カリン。

トリエット砂漠へは、ヒカリ、サイト、ジオ。

ミズホ付近へは、蓮、姫。

ガオラキアの森へは、アーネ、ハルナ。

グランドキングダムへは、王国にいるレムに、ライン、コードが合流。

距離がある地域もある為、時空移動を使う等の手段も考慮し、この編成で移動することとなった。

グランドキングダムへ向かうメンバーには、時空移動できる者がいないが、ハートブリッジを強行突破で渡る作戦、

ミズホへは、抜け道を知り、徒歩でも時間のかからない蓮と姫が移動、といったような感じである。

皆が戦っている間に、コーザと焔の治療をし、クラマの情報を聞き出すという算段。

「じゃあ・・・みんな、気をつけろよ。無事にまた、ここに集まろう」

カイトの言葉で、一同はそれぞれの場所へと移動を始めた。

そんな折

「・・・くっ・・・」

宇宙船内で目を覚ましたセツナ。

カイトが書置きしていたようで、それを読み

「・・・相変わらず汚ねぇ字だなぁ・・・」

ナチュラルリーフを目指すこととした。

だが

「くっ・・・まだ全回復とまではいかねぇか・・・」

傷が深かった為、移動スピードはかなり遅そうである。

(聞こえますか・・・)

「!!、ヒカリさん!!」

神官の力によるテレパシーで、ツバサやモモカ、ミュウなど、魔物付近にいる者たちに状況を伝えるヒカリ。

これより、総力戦の火ぶたが切って落とされた。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: