本棚≪愛久愛輝羅好≫

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一番近い場所にいたため、そこへと最初に到着したのは

「ッ・・・ひどい・・・」

防衛戦のあとスールズに残っていたミュウだ。

ミュウが見た光景。

まだこの魔物が現れてから1時間前後ほどしか時間は経っていないのだが、

畑は荒れ、農村の家々もほぼ破壊されていた。

人の姿は確認できないので、住民の安否は不明である。

その光景をみて、怒りをあらわにするミュウ。

けん玉を構え、戦闘開始。

力のこもった攻撃を放つ。

だが

「がぁぁぁぁ!!!」

ケルベロスは一本の首を振ることにより攻撃を弾き、

そのままの勢いで振り返り、別の顔から炎のブレスを放つ。

「!!」

間一髪、回避するミュウ。

そのブレスの速度はかなりのものであった。

ミュウには比較することができないのだが、

この魔物は、クラマの尾一本分の力で生成されている。

ゆえに、実力は、カイトやセツナが戦ったときのクラマとほぼ同レベル。

ミュウ一人では厳しい。

次々に放たれるブレスを避け、ケルベロスそのものの攻撃もけん玉の糸を使い、ダメージを抑える。

だが防戦一方である。

そこへ

「ミュウ!!」

ライとスララが到着した。

「音速突!!!」

スララの音速の突きにより、ケルベロスが多少吹っ飛び、ミュウとの距離ができた。

「魔神剣!!」

更にライが斬撃を飛ばすことにより、魔物をより遠ざけ、怯ませ、会話する隙を作った。

「村民は皆さま北へ逃れ、無事です」

スララからの報告により、ほっと胸を撫でおろすミュウ。

「とんでもない強さだね・・・どうするか・・・」

対面するだけで強さが伝わり、ライに緊張が走る。

「私とスララで陽動をかける・・・隙を狙って大技を叩き込んで!ライ!」

今いるメンバーで、できる限りのことを。

この中で一番攻撃力の高いライに大技を放ってもらい、決めようというミュウの作戦である。

その作戦を伝えたと同時に、ミュウは前線へ出た。

「聖闘気!!」

スララも状態変化を発動し、前線に出る。

「双重蛇!!」(そうじゅうじゃ)

二個のけん玉により、蛇のようにうねる攻撃を放つミュウ。

気による操作が行われており、ケルベロスの攻撃を避けながら2個の頭をヒット。

更に

「瞬避突!!」(スライドブレイク)

足の動きを瞬時に切り替え、突いた瞬間に自分が引き、カウンターを避ける技を放つスララ。

ミュウの攻撃が放たれていることもあり、1個の頭の動きを止めた。

だが、頭全ての動きが止まったケルベロスは

「がぁぁぁぁ!!!」

「キャア!!!」

足元より気を放つ衝撃波のような技を使用し、ミュウとスララを吹っ飛ばした。

スララの方が距離が詰まっていたので、直撃回避は不可能に思われたが、

ミュウがけん玉の糸で、スララをガードし、直撃は避けていた。

そのかわり、自分自身をガードする余裕のなかったミュウは

「ぐっ・・・」

今の攻撃で膝をついてしまう。

更に、ガードしてもらっていたと言っても、スララにもダメージがないわけではない。

しかし、威力の高い攻撃であったため、ケルベロスは長い硬直時間に入っていた。

その隙を、ライがつく。

「くらえ!!」

秘奥義、発動。

「魔皇焦炎斬!!」

コンボ系の攻撃であるが、威力はかなり高い。

それにより、ケルベロスの首二本は動かなくなったのだが

「ッ!!」

一本はまだ力があり、ライに対してカウンターを放つ。

ブレスが諸に直撃し、吹っ飛ばされた。

「ぐっ・・・はぁ・・・・」

一撃で体中が傷だらけになり、ライも戦闘不能。

しかし、このチャンスを逸してはいけない。

それを理解し、傷だらけの体から力を振り絞るのは

「これで・・・決める!!」

スララだ。

秘奥義、発動。

「聖虹突!!」(セイントブレイク)

状態変化にあてていたオーラを、全てレイピアの一点に集中させ、更にそこから放つことにより、突きが入ると同時に虹色のオーラが相手を襲う技。

かなりの威力であり、ケルベロスの最後の首を仕留めた。

そのまま闇の塵となり、ケルベロスは消えた。

「ッ・・・う・・・」

しかし、だいぶ無理していたスララは、ここで気絶してしまった。

「なんて強さなの・・・こんなのがあと8体も・・・?」

どうにか勝ったが、状況の悪さに唖然とするミュウ。

「ぐっ・・・」

剣を杖がわりにし、立ち上がるライ。

ひとまず彼らの戦闘は終わりである。










スキット
『引き継がれた意志』

スララ「許せない・・・私たちを利用して・・・世界に闇を・・・」

ライ「感情的になりすぎちゃだめだよ、スララ」

スララ「わかってる・・・私だって英雄の血族なんだ・・・世界を・・・守ってみせる!!」

ライ(血は争えないね・・・じいちゃん、父さん、俺たちに力をくれ・・・!)


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