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「仲野マリの気ままにシネマナビ」を隔月刊「Wife」に連載していますが、この春から「Wife」が季刊になることから、掲載する映画以外のレビューをウェブでも紹介することになりました。名付けて「仲野マリの気ままにシネマナビonline」。2月から少しずつ形にしてきましたが、これまでに「ラヴ・レース」「グランドピアノ~狙われた黒鍵~」「五右衛門Rock3ジパングパンク」のレビューを書いています。「グランドピアノ」については、監督の電話インタビューもありますので、ぜひお立ち寄りくださいませ。ホームページからも読めるようになっています。
2014.03.31
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今年も「東京国際映画祭」が始まりました。かつては渋谷のBunkamura界隈を中心に開催していましたが、そのうち渋谷と六本木で、昨年からは六本木のみで行われるようになりました。六本木ヒルズ内のTOHOシネマズ六本木のほか、六本木駅にほど近い「シネマート六本木」でも作品が上映されます。作品は上映回数が少ないので前売券を購入して行くのがベストですが、すでに早々と売り切れたものも多く、そういう場合は当日券狙いですね。こちらもそうそう数がないので、人気の作品はちょっと大変そう。封切りの決まっているものは、後からでも見られますが、地味めの作品、特にハリウッド映画以外のものは、この時期だからこそ見られるものも少なくありません。そうなると、あれも、これも、見てみたくなるけど、なかなか時間が合わないもので、苦労します。ただ、この時期は外国からの映画人も多くなり、気付くと有名監督が歩いてた!っていうことも経験できます。映画を観なくても、近くに来たら立ち寄るのもいいかもしれませんね。昨年からプレスパスを取得していますが、今年は初日に1本プレス用の試写を見てまいりました。初日の六本木ヒルズはとても華やいだ雰囲気でした。六本木ヒルズでの国際映画祭、定着してきたのかな?
2010.10.23
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東京国際映画祭が今年も開催されます。第23回を数える今年、「アジアの風」部門ではカンフー映画史上最大のスターブルース・リーの生誕70年を記念して、特集上映をすることとなりました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第23回東京国際映画祭 アジアの風『生誕70年記念-ブルース・リーから未来へ』 <ブルース・リー主演作>■『燃えよドラゴン』(1973年)監督:ロバート・クローズいわずと知れた代表作!! ■『ブルース・リー 死亡遊戯』(1978年)監督:ロバート・クローズ1978年日本公開時の貴重なお宝プリント!! <オマージュ作品>■『ギャランツ~シニアドラゴン龍虎激闘』(2010年)監督:Derek Kwok、Clement Cheng認知症から蘇った老人ドラゴンたちが大活躍する、ブルース・リーと‘70年代カンフー映画へのオマージュに満ちた爆笑巨篇。 ■『伝説の男』(2008年)監督:リュー・フイン・リュー母親は障害を持つ息子に、ブルース・リーが父親だと嘘をつき武術を教え込んだ・・・香港以外の国でブルース・リーの影響が見られる注目のベトナム映画。 他数作品を予定、とのことです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今年もプレスパスをいただきました。10月23日から31日は、六本木に日参することになりそうです。新しい情報が入りましたら、またご紹介しますね。
2010.08.25
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6/30は、マイケル・ジャクソンの1周忌。これに合わせ、今日からかつてディズニーランドの人気アトラクションだった「キャプテンEO」がリニューアルし、来年の6/30までの期間限定で復活しました。初お目見えの1986年からの映像技術の進歩はもうすごいものがありますから、一体どのような「キャプテンEO」に蘇えるのか、観たくて観たくてしかたありません!(まさか「あのまま」ってことはないよね?)とっても楽しみ。でも…混むでしょうね。いつ行くか。それが一番の問題です。
2010.07.01
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現在、蜷川幸雄演出の舞台「血は立ったまま眠る」に出演中の寺島しのぶが、ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した。おめでとうございます!作品は若松監督の「キャタピラー」。戦争で手足を無くして還ってきた夫を献身的に支えながらも、自分の中の「女」と格闘する役だそうです。
2010.02.21
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韓国の映画配給や「フラ・ガール」などが有名なシネカノンが民事再生法を申請したというニュースが流れました。ビックカメラの上の階の有楽町1丁目のシネカノンは、1月28日で閉鎖されてしまった。私の大好きな銀座シネ・ラ・セットが、有楽町駅前再開発とともになくなってしまって、でも映画館は新しくなって(名前も変わったけど)残ったのですが、その新しくなった有楽町2丁目のシネカノンは「ヒューマントラストシネマ有楽町」という名前でこのまま引き継がれ残るそうです。映画館の閉鎖って、うら寂しさが残ります。
2010.02.01
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アカデミー賞の最優秀短編アニメ賞を獲得した加藤久仁夫監督のオスカー像です。とある会社の受付においてある、とは知っていたのですが、何の巡り会わせか、たまたま仕事で訪問することとなり、間近で見ることができました。スタッフの方が「受付の人に言ってもらえば、写真もOKですよ」とおっしゃったので、ずうずうしくも、1枚撮らせていただきました。思ったよりずっと小ぶりで、それだけにずっしりと重く感じます。一緒にいた知人が「これ、アメリカからやってきたんですよね~。 あの場所から…」と言っていました。ほんと。気前よく、公開してくれて、本当にありがとうございまいした。そして、受賞、おめでとうございます!
2009.03.14
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祝!「おくりびと」の最優秀外国語映画賞受賞!祝!「スラムドッグ$ミリオネア」の最優秀作品賞受賞!私としては「踊るマハラジャ」のA・R・ラフマーンが、「スラムドッグ$ミリオネア」で最優秀音楽賞を受賞したのが、またまたウレシイ。うれしいにはうれしい…のだが、どちらも映画界の一年をしめくくるには、かなりこぢんまりしている作品だ。なんというか。「ささやかな個人のシアワセ」「マジメに生きていれば、きっとイイコトがある」「最後には分かり合える」「きっと巡りあえる」的な。どちらも、脚本が巧みだし、それでいて自然。予定調和なんだけど、そこまでの行きつ戻りつのエピソードがいい。でも脳天ぶち割られるような、そんな衝撃は、感じられない。ノミネートされていたほかの作品のなかには、もっと斬新だったり、もっと壮大だったり、もっと問題作だったりするものがあったはず。アメリカ人、ほのぼのしたいんだよね、きっと。眉間にシワ寄せ、難しいこと考えるのはやめて、温かい愛に包まれて、安心したい。今はがまんの時だけど、きっとよくなると信じたい。そんな世相がこの2作を選ばせたのではないかと思う。インドと日本、奇しくもアジアの世界を描いたものでもある。少し、遠くを眺めて現実から目をそらしたい…のかな?「スラムドッグ$ミリオネア」に関しては、近々レビューを書きます。
2009.02.23
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昨日、日本アカデミー賞の各賞の授賞式があった。結果は「おくりびと」の圧勝。私も大好きな映画だからうれしいにはうれしいが、もう少し各賞は割れるかな、と予想していたから拍子抜けだ。アメリカのアカデミー賞・外国語映画部門へのエールだけではないだろうが、見ごたえのある映画が続々と封切られた2008年、ここまで独占するほどだったか?と首を傾げる気持ちもある。最優秀助演女優賞を受賞した余貴美子は「票の数えまちがいじゃないか、と思う方もいらっしゃるんじゃないかと思いますが」と素直に意外性を自認、それでも満面の笑みをたたえて、本当にうれしそうだった。私は、松雪泰子にあげたかったけどな。「最優秀助演」には、「その人がいなければ成立しなかったくらいの存在感」を感じさせた人を選びたい。その意味でもっとも激戦だった最優秀助演男優賞は、山崎努が獲った。「主役を食った」とさえ言われた堤真一も捨てがたいが、やはり山崎の醸し出すこなれた軽妙さというのは一段上。「納棺師」の神妙さ・荘厳さ・美しさ・優しさを彼が体現しなければあの映画は成功できなかったのだから、むべなるかな。もうひとつ、「ぐるりのこと」の木村多江が受賞。よかった!「主演」女優賞なのだから、まず、主役じゃないとダメだと思うんだよね。その意味で、広末涼子とか仲間由紀恵は、ノミネート自体に違和感を感じた。裏を返せば、昨年の映画はそれほど男性上位だったという証拠でもあるのだけれど、こうしたなか、二映画で受賞、それも「まぼろしの邪馬台国」って、ヒットした?みたいな中での二映画な吉永小百合が、「山田洋次」「反戦」「サユリストご推薦」の三拍子そろってもう「定位置受賞」じゃないか、などとも囁かれていたくらい。「ぐるりのこと」は、地味な映画だけどものすごく評価を得ていたし、彼女にあげたい、と思っていたので、とてもうれしかった。最優秀主演男優賞は、本木雅弘。「自分らしさ」を追求する「わがまま」にこだわり続けた彼が、自分の企画で自分が演じ、そして評価につながった。「ザ・マジックアワー」の佐藤浩市も新境地開拓でよかったけれど、常連なんで、今回は、彼しかない。式や番組の進行については、場違いなギャグがすべりまくったり、司会がプレゼンターで、そのうえ身内だったり、そのことをネタに司会が話を振ったり、といつもながら、なくもがなのものがちりばめられ、思わずチャンネルを変えたくなるほど。そんなものはいらないから、各受賞者のコメントをカットせず、全部聞かせてくれ!というのが私の切なる願いである。ぜひ来年こそは!カットされなかったあいさつの中で、抜きん出て新鮮、かつ光を放っていたのが、新人賞を受賞した松田翔太。まだもらうほどの仕事はしていない、そんな自分がここにいていいのか、という戸惑い、これをもらって浮かれてたらダメだぞ、という戒め、オレはまだまだ満足してないぞ、こんなのがオレだと思われたら困る、という憤慨、でも、もらってうれしいという素直な気持ち。ひと昔(いや、ふた昔?)前のとんがった若者なら、賞そのものを辞退したり、トロフィーを投げつけたり、「コトバ」ではなく「態度」で、それも照れ隠しで行き過ぎた態度で示していたかもしれないことを松田はきちっと言葉にした。たしかに、受賞対象となった映画「イキガミ」よりも、テレビの「篤姫」や「花より男子」の映像がガンガン流されるし、「何でオレ?」の気持ちが渦巻いていたのかもしれない。彼の場合、父親も母親も、兄弟も俳優。やはり心境著しい兄の松田龍平に「まいった」と言わせるだけの役者か、すでに伝説となっている父・松田優作の七光りと言われぬだけのものをもったか、二世俳優だからこそのハードルの高さを彼は胸に抱えながら歩んでいることがわかる。「今は人のおかげでここに立っていると思う。 もう一度、自分の力でここに戻ってきたいと思います」いい言葉だ。もう一度、戻ってきたときの彼が、見たい。
2009.02.21
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アカデミー賞の前哨戦とも言われるゴールデン・グローブ賞が決まりました。下馬評の高かった「スラムドッグ$ミリオネア」が複数部門で大賞をゲット、話題はケイト・ウィンスレットが主演女優も助演女優も獲得したこと。同時受賞は20年ぶりということです。助演男優賞では、亡くなったヒース・レジャーが「バットマン・ダークナイト」で。ヒース・レジャーといい、リバー・フェニックスといい、どうして死んじゃうんでしょうか。みなさん、命を大切に。
2009.01.12
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今年は日本映画、豊作でした。この前、日本アカデミー賞の件で書いた「ザ・マジックアワー」「おくりびと」「容疑者Xの献身」「クライマーズ・ハイ」「アフタースクール」「パコと魔法の絵本」などなど。しかし1本挙げろ、と言われたら、私は「闇の子供たち」を挙げたい。こんなに悲惨な話を描きながら、どこか人間を信じたくなるような、そんな作られ方をしている。役者も渾身、監督も全精力を傾けて真摯に作られています。あの原作からこの映画を生み出した阪本順治監督に拍手。ドキュメンタリーでは「ブロードウェイ・ブロードウェイ」。最高です。来年、この映画に出てくるオーディションで選ばれたキャストで舞台が来日するので、ぜひ見てみたい、と思っています。洋画では「イントゥ・ザ・ワイルド」に一票。若いということをいとおしむ大人たちのやさしい瞳が無鉄砲な青年をやさしく包みます。アジア映画では「光州8.15」。リアルタイムで知っていた光州事件のニュースとのギャップがこれを今作れる韓国の自由度とともに胸に迫ります。アン・ソンギなど、俳優達の熱演が光ります。あと、個人的には「シネマ歌舞伎」に始まり、終わった1年でした。10本くらい見た。見てないのは「文七」だけじゃないでしょうか。もっとも面白かったのは「研辰」、もっとも美しかったのは「鷺娘」もっとも心打たれたのは、「日高川花王入相」。「野火」「炎上」「破戒」と神保町シアターにもお世話になりました。WOWOWなど、テレビで見た映画では「ジャンゴ」。これは、映画館で見たかった。素晴らしいスキヤキ・ウェスタンです。あと、今日見た「明日の記憶」もよかった。渡辺謙って、タダモノではありません。さすがハリウッドで名をなすだけのことはありますね。話もよかった。この映画については、いつかゆっくり書きたいと思います。みなさんの心の中に何かを残した映画、今年は何本ありましたか?
2008.12.30
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今年も、東京国際映画祭の季節がやってきました。コンペティション作品や招待作品もいいですが、私はいつも、スペシャルプログラムに注目しています。今回は、黒澤明の「羅生門」がデジタル復元版としてスクリーンに甦ります。大きなスクリーンで、光と影の交錯する幻想の森、見てみたいですね。今年の初めに亡くなった市川崑の、唯一の未公開作品も上映します。「その木戸を通って」。山本周五郎原作、主演は中井貴一と浅野ゆう子。海外の映画祭出品作品です。「ブロードウェイ、ブロードウェイ」のオペラ版、みたいな「The Audition~メトロポリタン歌劇場への扉」もやります。あと、ヅカファン垂涎の企画、タカラヅカレビューシネマというのがあるんです。宝塚過激雪組公演ショー「ソロモンの指輪」。水夏希、白羽ゆり主演のものです。また、新企画「映画人の視点」もすごい。岩井俊二、黒沢清、滝田洋二郎の作品を、それぞれとことん味わうオールナイト。監督本人を迎えてのカンファレンスと、ファンが選んだ「スクリーンで見たい作品」上映の2部構成だそうです。ニッポンシネマクラシックには、大映の「忠臣蔵」も登場。長谷川一夫が大石内蔵助のものです。ほかに高倉健の「昭和残侠伝」、坂東妻三郎の「無法松の一生」、市川雷蔵の「陸軍中野学校」、、三船敏郎の「日本のいちばん長い日」など、“不滅のスター”をテーマに選んだ7作品を上映します。いつものように「アジアの風」も充実。なかなか見られないさまざまな国の映画にふれるいい機会です。最後に。今年は「TIFF傑作選」というのもあって、黒澤明の「デルス・ウザーラ」・深作欣ニの「復活の日」といった懐かしい大作から「ゴジラ対へドラ」・「キタキツネ物語」まで有名作品が並びます。今年亡くなったドキュメンタリー映画監督・土本典昭作品「不知火海」や同じく佐藤真監督の「阿賀に生きる」も上映。ロングテールに対応する、この幅の広さがTIFFのよさだと私は思っています。「手塚治虫生誕80周年記念特集」なんていうのもあるんですよ!「火の鳥」や「ユニコ」もやるけど、私としては「TV名作セレクション」に興味津々。映画祭にあわせてシンポジウムやセミナーもたくさん催されるので、一度公式HPを訊ねてみてください。10/18~10/26と期間が短く、ロードショーと違って「1回こっきり」の上映作品も多いので、どうぞ「しまった!」ということのないように。
2008.10.15
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アジアの海にちなんだ映画をやる、ユニークな映画祭が、今日から3日間、千葉県の幕張(まくはり)で行われます。その名も「アジア海洋映画祭in幕張」。日本、韓国、台湾、タイ、フィリピン、インドネシアなど、海に面したアジアの国々からの新作映画の上映と、「映画になった千葉の海」という企画で、「パッチギ!Love&Peace」「木更津キャッツアイ」「赤い鯨と白い蛇」「ポストマン」などのDVD上映があります。ほかに、海を映したアマチュア短編作品コンペもあり。場所は招待作品上映がシネプレックス幕張、アマチュア短編コンペとDVD上映が、ホテルスプリングス国際ホール。(このホール、素敵ですねー。行くだけでもワクワクしそう!)いずれもJR海浜幕張(かいひんまくはり)駅近くです。JR京葉線に乗れば、東京から30分もかかりません。興味とお時間のある方は、ぜひどうぞ。*タイや台湾の映画には、 中孝介、田中千絵、蒼井そらなど、日本のアーティストや俳優も出演しています。 中さんはミュージシャンとして、蒼井さんは、「蒼井そらソックリの女の子」として という役まわりです。 アジアで名前が売れていればこその出演ですねー。 文化の浸透というのは、つくづく世界平和の1歩です。
2008.09.05
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日本に19年住んでいる中国人・李監督の作品。それまでは、チベットの文化を紹介するドキュメンタリーなどを制作していた。19年前といえば、1989年、天安門事件の年。「中国での報道に限界を感じて」彼は日本にやってきた。彼は日本を「第二の故郷」と思っている。これからも、日本で平和に暮らしていきたいと思っている。そのために、一生けんめい考えて、「靖国」という映画を作った。・・・と、新聞やインターネットの記事を読んで思った。私はこの「靖国」を見ていない。これから見ようと思っても、4月12日に封切り予定だった映画館は、なんと、全5館(うち4館が東京)で上映自粛。どんな映画か、見て確かめることができない・・・ので、今は何もいえません。自分の目で見て判断する自由が与えられないというのは、こんなにも歯がゆくて、辛いことなんですね。公式サイトはこちら。飛べなかった場合は、「靖国公式サイト」で検索してみてください。一応、予告編は見られますが、予告編はあくまで予告編的に作られているので、真意は全編を見なければわかりません。今の時点で言えることは、李監督は、日本が好きで、日本人を理解しようとしていること。そういう人が撮ろうと思い、日本と中国が共同で制作し、韓国の釜山国際映画祭アジアドキュメンタリーネットワークと日本の芸術文化振興基金が助成してできた映画だということだけです。大阪、京都では予定通り上映の運び。東京でも新たに上映する映画館がありそうです。
2008.04.03
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あと数時間で今年もおしまい。おかげさまで、アクセスも年内に50,000を超えました。たくさんの方々に立ち寄っていただき、コメントをいただき、家にいながらにして交際範囲が増えた!という感じです。来年も、どうぞよろしくお願いいたします。さて、今年1年で観た映画の中で、特にオススメなものをご紹介しましょう。年末年始のお休み、家でDVDでも見るか、という方は参考にしてみてください。日本映画では「クワイエットルームにようこそ」。オンナのすべてがここにある、みたいな、作品でした。がんばりすぎてるかな?っていう人へ。一緒に、映画で体験入院してみましょう。「幸福な食卓」もよかった。ミスチルのエンディングを聞きながら、流れる涙をそのままに、ただ心が浄化されていくような。パパもママもきょうだいも、みんな私を頼りにしちゃうのよね…と、すべてを背負ってしまうタイプの人、一緒に解放されましょう。「キャプテン・トキオ」も印象深いです。「ウェンツが好きだし、ガムさんがいいっていうから観に行ったけど、アタシ、だめだったー」という友人がいたので、好き嫌い分かれるパンクな映画ですが(笑)。いしだ壱成がハンパなくかっこよかったし、ハチャメチャだけど、ワクワクする映画だった。若者向けの映画みたいでいて、けっこう昭和の人受けするのかも。おそらくこれが遺作である石立鉄男さんが、70年代の文化の墓守のような役で出ていて、ものすごく存在感がありました。おとなしすぎる今の社会に飽き足らない人へ。一緒に叫びましょう。アニメーションでは、「ベクシル」です。フルCGのアニメで、初めてすごいと思った。スピード感に酔った。声優・松雪泰子がよかったです。洋画のイチオシは何だろう?かけこみで最後に観た「君の涙 ドナウに流れ」かな?「ハンガリー」という小国で作られた小品、と思うなかれ。ハリウッドでヒットを飛ばしている人が製作にあたっているだけあって見ごたえある美しい映画に仕上がっています。その上、扱ったテーマが深いです。来年も見られますから、ぜひどうぞ。今年は試写でずい分映画を観させていただきましたが、洋画はイマイチのものが多かった。その中で「よかったわー」としみじみ思ったのがニコール・キッドマン主演の「毛皮のエロス」です。不思議の国のアリスをモチーフにして、自分の内面を肯定し始めた「良妻賢母」の変貌をものすごくリアルかつ幻想的に描いています。未来の自分像が描けない専業主婦の方、一緒に「本当の自分」をみつけにいきましょう。あと、多国籍合作映画で浅野忠信が主演だった「インビジブル・ウェーブ」は、気持ち悪いくらいわかんない映画でしたが、その「わかんなさ」がまとわりついて、ずーっとひきずる映画でした。浅野忠信、光石研、怪演です。そして、この一年は、「ドキュメンタリーの一年」だったのではないでしょうか。「不都合な真実」で環境問題が世界でクローズアップされた年。「シッコ」でアメリカの医療制度の穴を知り、「大丈夫か?ニッポン」とこわくなった年。「暗殺リトビネンコ事件」や「Peace Bed アメリカvsジョン・レノン」で自由にモノが言えることの幸せを大事にしなくては、と認識させられた年。「バレエ・リュス」で、一流の人は、80歳を過ぎても美しいと知った年。その中で、私の心にもっとも残ったドキュメンタリーは…「デイト・ウィズ・ドリュー」でした!幼い頃からの憧れの女優、ドリュー・バリモアと一日だけデートしたい、それだけのためにガンバル自分を、なけなしのカネで借りたビデオカメラに収めた、というおバカなロード・ムービーですが、主演兼監督の、ほんまもんのニート男の天然な人の好さと、人を恋する気持ちの純粋さと冒険する楽しさとがMAX!とにかく、シアワセになれる映画でした。初笑いに、そしてデッカイ一年の計を立てる景気づけに、ぜひどうぞ!それでは、よいお年をお迎えください。
2007.12.31
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今日12月8日は、ジョン・レノンの命日。同時に昭和16年(1941年)、日本がハワイ・オアフ島のパール・ハーバー(真珠湾)を奇襲し、アメリカに宣戦布告した日でもある。ジョンの命日がこの日に重なったことは、ジョンを愛する日本人にとって、初めのうち複雑な心境を生んだ。ジョンの暗殺は、衝撃的だ。でも、戦争の記憶を風化させたくない、という気持ちを持っていた人は、いつか12月8日が「日本が泥沼の太平洋戦争に正式に足を踏み入れた日」ではなく、「一人のロック歌手が狂信的なファンに殺された日」に塗り替えられてしまうことにいいようのない気持ちを抱いたことも確か。近年、若者の間では「太平洋戦争」で日本が戦っていた相手は「ソ連」と答える人も多く、アメリカと日本が戦争していたなんて想像もつかないらしい。それより「ソレンって何?」の人も増えているくらいで、時の流れというのは本当におそろしい。1980年にジョンが亡くなって、今年で27年。ジョンの命日には今も「イマジン」が流れ「ハッピークリスマス(War is over)」が流れる。私たちは、それがジョンへの追悼だけでなく、「世界が平和になりますように」の祈りとなっていることを知っている。もし、哀しい死にも何らかの意味があるとすれば、日本人女性ヨーコ・オノと結婚しベトナム戦争にのめりこんだアメリカに一人挑み続け、一人の個の人間の立場から大国を非難し続けたジョンが日本とアメリカの開戦の日に殺されたことには、きっと意味がある。どこの国とどこの国とが戦ったということは忘れられても「イマジン」と「ハッピークリスマス(War is over)」が歌い継がれていけば、きっといつかは戦争がなくなる。「絶対失望をしてはいけない」2007年のヨーコ・オノが、明るく話す。「イマジンの歌が出来た時、私たちはすぐにでも戦争がなくなると思っていたの。 来年は、なくなるかなー、とか」戦争は今もなくなっていないけれど、彼女はまだ、絶望していない。私も信じよう。いつかは絶対、平和な世界を!今日から始まる「PEACE BED~アメリカVSジョン・レノン」は、当時のFBIの関係者などのインタビューも含め、貴重な映像資料とともにジョンが平和を求めていかにアメリカと闘い続けたかを追ったドキュメンタリー。「髪を伸ばし続けよう、戦争が終わるまで!」と微笑むジョンがまぶしい。上映館の一つ・六本木TOHOシネマズでは、明日、舞台挨拶にヨーコ・オノ氏もかけつける予定。また、「Chapter27」は、ジョン・レノンを暗殺した男の最後の3日間の心理に迫るフィクションである。
2007.12.08
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試写会で観た映画に関しては、できるだけ公開日直前にレビューを書くようにしています。というわけで、公開日がずっと先のものは、なかなか書けないのが、もどかしい。このところ、いい映画をたくさん観たので、ご紹介だけしておきますね。赤マル、頭の中でつけておいてください!まずは「アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生」デミー・ムーアの臨月ヌードや、ジョン・レノンの暗殺される数時間前の写真を撮っていた女流カメラマンを追ったドキュメンタリーです。彼女の密着取材を受けた経験のある大物たちの、今だから話せる裏話満載、女性の生き方としても、いろいろ刺激的な映画。何より、彼女の写真がスクリーンいっぱいに広がります。2つ目は「暗殺リトヴィネンコ事件」昨年、ロンドンの寿司レストランで倒れたロシア人を覚えていますか?放射能で暗殺されたか??と一時期騒然としましたね。イギリスに亡命していたリトヴィネンコがなぜ命を奪われる結果となったのか。今ロシアという国で起こっていることに、戦慄を覚える作品。知らないことばかりの2時間です。最後が「潜水服は蝶の夢を見る」今年のカンヌ映画祭でもっとも評価の高かった映画です。素晴らしい!のひと言。ポエティックなナレーション、現実と夢を自在に行き来するパーフェクトな映像、そしてあらゆる角度から人生をみつめるテーマの深さ。随所に散りばめられたパリのエスプリと軽い冗談。一つも見逃してほしくないです。公開近くなったら、また書きます。
2007.11.11
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東京国際映画祭、今年も始まります。ロードショー映画を先取りして見られる楽しさもありますが、私は「ここでしか見られないもの」が好きなので、そんな中から一つ、ご紹介します。キートンやチャップリンといった、1910年から20年代の古い無声映画に、Jazzの奇才・山下洋輔のユニットが伴奏をし、声優として不動の地位を築き上げた(大げさ?)山寺宏一と戸田恵子が、口演、つまり弁士のようにしてアテレコをやります。一体どんなふうになるのか、はっきり言って見当もつきませんが、パワフルで、奇想天外で、でもプロフェッショナルな夜を過ごせそうな予感!歌のうまさ抜群の二人が、映画とは別に山下洋輔とセッションもするようです。ますます楽しみ!去年は「ニッポン・シネマ・クラシック」という時代劇特集で、無声映画の忠臣蔵を弁士・楽団付きで見たのがとても感慨深かったのですが、今年はスタンダードではない口演に期待です。10/21(日)渋谷のオーチャードホールにて、18:30から。10月6日(土)の一般売出しを前に、これを含め、ほとんどの映画がプレリザーブ可能。ぴあの会員の方は、ねらい目ですからHPで見たい映画を早めにチェックしてみてくださいね。
2007.10.01
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仕事で訪れた上海。夜の街で「迷子」になったメイクアップアーティストの水島(本木雅弘)が、ホテルにたどり着くまでの長い長い一夜をカレを探す人々や、カレを跳ね飛ばしてしまったタクシーの女運転手・リンシー(ヴィッキー・チャオ)などそれぞれの恋模様を織り交ぜながら描いたのが、「夜の上海」。原作は同名のコミックス(日本)、監督は、中国のチャン・イーバイ。モックンが出ているということもあるのか、一時期のトレンディ・ドラマの空気感で突っ走る110分。「上海」という街のたたずまいが、すでにトレンディ、ということか。考えてみれば、今、このときが中国バブルなのかなー、などと思わずにはいられない。そんなバブルから取り残され、必死で働くリンシー。修理工の幼馴染ドン・ドン(ディラン・クォ)に会いたいばかりに車をガンガンぶつけまくる。そのドン・ドンが身につける白のタキシードは、まさにバブルの匂い。修理工とタキシード。夜の上海の裏道の一角に、そこだけ光り輝くブライダルショップのウィンドウ。この映画は、上海の二つの顔を実感する物語でもある。人間関係や仕事に疲れた水島が、ちょっとしたハプニングにでくわすとがぜんシャープになって、子どものような瞳の輝きを取り戻すそのギャップをモックンがうまく表現している。しかし、「おまかせ男」の水島が「仕切り女」の美帆(西田尚美)を面倒に思い始め、美帆もそんな水島より、言い寄ってくる男(塚本高史)の方に本音でぶつかっていける、というあまりにもわかりやすい図式なだけに、もっともっと奥行きの深い演技が必要だったのでは?脚本が監督も含め、日本人、中国人4人というのも、ちょっと気になる。場面ごとにトーンがまったく違うのだ。リンシーの、不安でいっぱいいっぱいになりながら、毎日を生きて、生きて、生き抜くそのバイタリティだけが、突出して胸に迫る。ヴィッキーは、セリフなどないシーンでも、リンシーの人生をまるごと演じていた。西田、塚本の心の動きがもっと繊細に描かれていれば、また違った味わいになったのではないかと残念。竹中直人を使った「アソビ」は、まったく必要なかったと思う。観た直後より、後になって胸がチリチリする映画だ。いろいろ物足りないところはあるのだが、気がつくとこの映画のことを考えている。
2007.09.05
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今週末から始まる映画から、一つ紹介。「それでも生きるこどもたちへ」ジョン・ウー(中国)、スパイク・リー(アメリカ)、リドリー・スコット(イギリス)など、各国の有名監督が、「子どもたち」をテーマに短編を提供しています。もっとも衝撃的なのは、メディ・カレフ監督(アルジェリア)の「タンザ」。監督が街で見かけてスカウトしたという少年ビラ・アダマは、絶望の中で生きる子どもの緊張を、これでもかというほどリアルに表している。特に、小学校を爆破しようとするラストの数分は、目が離せない。作品として、もっとも完成度が高かったと思うのは、ジョン・ウー監督の「桑桑(ソンソン)と小猫(シャオマオ)」。テーマの性質上、ドキュメント・タッチのものが多い中、唯一「寓話」としての世界をパーフェクトに形成、美しい映像の中に子どもの、そして大人の心のヒダが刻まれ、観終わった後の感慨が深い。スパイク・リー監督の「アメリカのイエスの子ら」は、また別の意味で衝撃的だ。世界の大国、自由の国アメリカで、いまだにHIV感染者がこんなふうに見られているなんて。「ブルー・ジプシー」(モンテ・ネグロ)、「ビルとジョアン」(ブラジル)、「ジョナサン」(イタリア)などが、行き場のない子どもたちのささくれた日常を描きながら、どこか楽天的で生きるエネルギーに溢れているのに比べると、アメリカを哀れにさえ感じてしまう。子どもは誰でもキラキラした可能性をもっている。その「キラキラ」は、どんな状況にあっても、ちょっとしたことで浮かび上がってくる。その一瞬をとらえた短編の数々。「人間がいるからいけない。人間なんて、滅びちゃえばいいんだ」というのはたやすいが、この子たちに、ちょっとでもいい「未来」をあげたくなる、そんな映画だ。オトナがしっかりしなくちゃ、ね。6月9日から、東京・渋谷のシネマライズ他で、全国公開。
2007.06.07
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