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友達に誘われて、初のお笑いライヴ体験。前から3列目中央、という素晴らしい席だったこともあり、ものすごーく堪能しました。今日一番の収穫は「ロザン」。ロザンWho?って思っていたら、平成教育委員会などのクイズ番組で有名な京大出身の宇治原クンがいるじゃないですか!彼の相方って、初めて見たのですが、この須賀さんっていう背のちっこい人が、ものすごく上手い!和製マイケル・J・フォックスみたいな感じを想像して。クリクリの目、ニッコリわらった口元、でも目は笑ってない、話すコトバに関西弁。やらかいけれど、毒がある~、みたいな。彼は漫才のネタも作ってるというし、役者も作家もいけますね。あと、水玉れっぷう隊&ISOPP。コントがハンパなく面白い。ダレないし、小ネタの完成度300%!チビまる子ちゃんの1人モノマネもストリートダンスもこなすISOPPもすごいし、ISOPPだけじゃなく、水玉の二人も体の切れが抜群で、スピーディーかつ滑舌もよく、隙のない演技で飽きさせない。トラブルも芝居に利用して面白さ倍増させるアドリブ力にも脱帽。吉本新喜劇も面白かった!ほんこんさんのツッコミが観客の気持ちをものすごく代弁してくれてて、その観客と舞台との一体感が本当に心地よい。それにしても、ただのワルノリの過ぎたツッコミだと思っていたものが、伏線となって後半にどんどん展開していったところにこの新喜劇の真骨頂を見た。俳優たちもうまいし、こりゃ、あなどれないゾ。ほかに、東京ダイナマイトの「涙」を「みそ汁」に代えると、とが秀逸。一見お笑いっぽくない訥々としたツッコミさんの物言いが、かえって二人のリズムを作っているし、ボソボソしゃべりながらもツッコミのタイミングがどんぴしゃで、その切れ味がなんとも爽快。楽しませてもらいました。
2010.05.13
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シルク・ド・ソレイユのパフォーマンスは、お台場にテントが張られたときに見た以来でしたが、いや~、「ZED」は凄かった!次から次へと繰り広げられる、人間の肉体が織りなす最高以上のパフォーマンス。いわゆるイリュージョンではなく、体操とかトランポリンとか、チアリーディングとかバトントワリングとか、そして武術とかバレエとか…。みるからに筋肉モリモリだったり、カモシカのようにムダのないシルエットだったり。アスリートたちのエキジビションっていう感じでしょうか。失敗は許されぬ舞台で、持てる力を完璧に、それも美しく披露する人々の競演でした。そう、「美しく」。これがキーポイント。舞台装置や照明、衣裳、音楽など、ショウとしてのハコのセンスが実に上品で、あるときは深海を泳ぐ人魚、あるときはオリエンタルな雰囲気、あるときは、天使が空から舞い降りる感じ、万華鏡の中に迷い込んだごとく、ヴィヴィッドな色彩の空間が次々に現れます。「本」を使った冒頭の仕掛けも幻想的で、本当に感心するほどスキのないパフォーマンス。「うわー!」「いやー!」「すごーい!」と言うばかりで、どこで拍手していいのかわからないくらいっていうか、すごすぎで、本当は拍手喝采するべきものさえフツーに見えちゃう、びっくりのレベルの高さでした。演奏もナマ、ディーヴァとディーヴォの歌もナマ。最高のメカを使いながら、人間の力を信じて作られた、奇跡のライブ・パフォーマンスです。作・演出は映画監督でもあるフランソワ・ジラール、音楽はレネ・デュペレが担当。オペラとミュージカルを意識したといいます。あるときは民族音楽、あるときはジャズ、な演奏も抜群。彼らの楽器、として衣裳もまた、背景に溶け込みます。今回、私はほぼ中央の前から4列目という、ものすごく良席を得ることができました。丸いステージと客席とがとても近いし、ステージと客席との段差も少ないので、迫力です。ジャグリングでは右から左へ飛ぶ松明のスピードに目がついていけないほど。その上、自分の上をフライングです。綱渡りや空中ブランコなど、一体どのくらいすごいことか、肌で感じます。バトンを振り上げたその高さに驚きます。とにかく、機会があったら一度どうぞ。運動能力と表現能力がここまで融合して開花するってなかなかないと思う。人間って本当にすごいと思います。期間限定のyoutubeオフィシャルチャンネル映像も、「ZED」のビデオギャラリーサイトから見られます。もちろん、映像や写真で切り取ってもなかなか本物の味とは違うんですが、片鱗をお楽しみください。ナマは100倍楽しめます。
2010.01.12
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現在、出演している映画「インフォーマント!」のプロモーションで、里帰り中の神田瀧夢。彼は役者として夢を抱いて渡米、苦労の末、いくつかの役を獲得するものの、ガラスの天井は厳然とある社会でビッグになるのはそうたやすいことではない。そんななかStand-up Commedyの大会で優勝し、その道でじりじりと人気を高め、ついに「I Survived a Japanese Game Show」というクイズ番組の司会に抜擢された。外国に旅行したことのないアメリカ人を日本に連れてきて、フレンドパークと風雲たけし城とウルトラクイズを足したようなゲームをさせて、負けたら即帰国、勝てばおよそ2500万円獲得、という番組である。今アメリカで一番売れてる日本人、と、NHKをはじめ、さまざまなメディアが彼の話題を取上げ始めた。その神田瀧夢が私の知人と親しいことが判明、今夜急遽、渋谷のアイリッシュ・パブでのパフォーマンスを見た。彼だけでなく、数人の「コメディアン」が入れ替わり立ち代り披露する英語の「Stand-up Commedy」。いわゆる「漫談」である。結論。人を笑わせるっていうのは、ほんとに難しい。客の反応は正直だ。たった数分のパフォーマンスであっても、客の視線を独占できているかいないか、雰囲気でわかる。当夜は私のような神田瀧夢見たさの日本人が異常に多く、きっといつもと勝手がちがっていただろう。英語の漫談には不利な条件が重なっていたかもしれない。瀧夢さんも、日本語で背景を説明したり、「LAじゃここで笑うところなんだけど」などといいながら苦労して話を進めていた。たしかに細かいところではコトバの壁があるだろう。しかし、本当の壁は、文化の違いなのだと思う。笑いにはいろいろな種類があるな、と感じた。文化によって、笑いどころがちがう。私にとって今夜のパフォーマンスの中には「そのネタ、笑えるネタ? 笑っていいネタ?」みたいのもたくさんあって、ふーん、ガイジンさん(英語圏の)って、こういうのが好きなんだ、と、ただただびっくり。いや、日本にいるガイジンのツボ?とも思う。異国にいて、同じ笑いのツボでリラックスしたい、という気持ちやこの国に対して、この国の人間に対して感じていることを共有したい思いや、そんな場でもあるように思ったからだ。そんななか、明らかに話がスベってしまったとき、パフォーマーがとった行動のパターンは二つ。一つは、観客の反応ムシで、シナリオどおり進める。これは、日本人パフォーマーに多かった(もちろん、彼らも英語)。すべってもすべっても、どこまでもマイペース。そのうち客も慣れてきて、「おお、いまのネタはまあよかった」的な拍手と笑いのおすそわけ。もう一つは、万国共通の笑いのツボにまっしぐら。つまり、お色気下ネタである。これで、場の雰囲気はかなりほぐれる。ほぐれたところで本題(あるいは自分のテリトリー)に戻れる人は、きっと実力者だろう。しかし、多くのパフォーマーはそこから抜け出せない。安易に下ネタを取り入れるのは非常に危険だと感じた。実は、私が今夜一番面白いと思ったのは、MCをやっていたDaveさんという人のしゃべくりだ。客がステージに注目するよう工夫してしゃべる。「日本に来て3年以上の人~!」「アメリカから来た人~!」みたいな感じで盛り上げて、あとは次のパフォーマーを紹介したり、パフォーマンスが終わったときに、短く感想を言ったりするだけ。でも面白い。そこには「ネタ」だけで勝負しようと意気込んでいた人たちとはちがい、「話芸」に一日の長があったのだと思う。人前で一人で語るといっても、そこにはおのずと聞く人間との間に、間合いが必要となる。単に「間をあける」呼吸ではなく、「間合いをはかる」呼吸。その技術と、その間合いを必要だと思う思想が、彼のしゃべくりにはあった。日本でも、一流のお笑い芸人は司会業に転進していく。島田紳助なんて、もうステージで漫才とか漫談とかコントとか、そんなもんやってるところずーっと見てない。でも、彼のしゃべくりにはいつも笑わされるし、さすがと感じる。その理由がこのアイリッシュ・パブでわかった。神田氏を司会に起用し成功している理由について「彼がアメリカ人を笑わせるツボも、日本人を笑わせるツボも知っているから」と番組のスタッフは見ている。彼の、客を笑わせようと、笑ってもらいたい、という一生懸命なそのテンションの高さをきっと人は愛するのだと思う。気さくで太っ腹な性格が、パフォーマンスににじみ出る。かなりの毒舌を「ジョークですよ~、ジョークですからね~」っていう後始末で薄めていく。ちょろちょろっていう後始末の中に、彼の「間合い」が入っている。そこが、彼の持ち味かもしれない。自分は自分、自分で勝負という神田。尊敬する先人とか、目標とする芸風とか、そういったものはないという。「敢えていえば、たけしさんみたいになれたらな、とは思う」そうだ。たくさんの大変な目にあってきただろうアメリカでの幾星霜。頼れるものは自分だけ、信じるものは自分の感性だけ。そんなギリギリのド根性もまた、彼のオーラを形成しているような気がした。そして私は帰る道々、気がつくと落語のことを考えていた。単純だけど奥深い、落語の世界。昔の落語家が残したちょっとしたエピソードを書いたものを読んだだけで笑いが出てしまう、これは一体何なんだ?笑いって、本当に得体が知れない。うーん、深いな~。
2009.12.15
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バルタバスは、毎回趣向を変えてパフォーマンスを作り上げてきます。このところはインド、チベット、日本、と非ヨーロッパ、アジアにテーマを求めていましたが、今回の「バトゥータ」は、ルーマニアのロマの、馬とともに新天地をめざして移動しながら生きるさまを素朴に、ストレートに表しています。そこには人馬の生活の根源があり、生命の直接的な体温がみなぎっています。そしてヨーロッパのキリスト文化にはよりエキゾチックに感じられる、土着の魔力が渦巻きます。トロットする馬の背中で、妖しく踊るジプシー女は、まさしく「ノートルダム・ド・パリ」のエスメラルダに外なりません。褐色のヴィーナスの五感に迫る色香の前には副司教クロード・フロロもイチコロだったろう、と容易に想像できます。ロマの放浪が一面で悲哀に包まれていながら、蔑まれ、おとしめられながら、馬と戯れる彼らの底抜けの明るさには、誰にも阻むことのできない不可侵なる魂の自由が感じられます。原点回帰。バルタバスの言葉です。造りこんだ物語ではなく、歴史が証明している人間の強さ・自然の美しさをまるごと体感する1時間半。それが「バトゥータ」です。
2009.01.24
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プレビュー公演を見て来ました!疾走する馬、馬、馬、その馬と一体になって動く人間。命ほとばしる1時間半。あっという間でした。幸運にも一列目の席。時々、土が飛んできますが、絶対オススメ!ごめんなさい、今日はここまで。明日、書き足します。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・では、ここから書き足し部分。「ジンガロ」って、何でしょう?馬を使ったスペクタクル、サーカスの、馬の曲乗りみたいなもの、いやいや、それとはまったく違う、「ジンガロ」は「ジンガロ」なんだ・・・とか、見たことない人に想像させるには、説得力のない紹介が多いです。「ジンガロ」というのは、ある馬の名前でした。スペイン語で「放浪の民」という意味だそうですが、この一団の主宰者である、バルタバスという男の愛馬の名前です。そしてバルタバスは1984年、この愛馬ジンガロと自分との魂の交流を核とした、騎馬集団によるパフォーマンスを立ち上げます。フランスの馬術の伝統と粋を伝えるヴェルサイユの馬術アカデミーでみっちりと「馬」という生き物との生活を人生にとりこんだ人々によって、主宰者バルタバスが真っ白いカンバスに描く心象風景が、その筆のしなりを、勢いを、穂先のほつれを、色使いを、絵の具の厚みを、下地との濁りを、馬という自分の分身を使って表現されるのです。円形のこぢんまりした馬場を、数十頭の馬たちは何回も、何回も、疾走します。手入れしぬかれた毛並みの良さ、断ちそろえられた産毛との境目が、それだけでアート。いななくこともせず、鼻を鳴らすこともなく、修行僧のように、哲学者のように、天使のように、ただただ疾走する馬。その上で、人々は思いつく、ありとあらゆるパフォーマンスを行います。確かに、動かしているのは人、走っているのは馬ですが、見ようによっては魂は馬にあり、動かされているのは、人間のほうにも感じます。馬は決して、「芸」はしないのですから。そんな誇り高き馬と何年も会話を続け、以心伝心の関係を築き上げ、自分の喜びを彼の喜びとし、彼の感性を自分も敏感に察知しつつ、同じ時間をともに楽しみ、戯れ、遊ぶ。それが「ジンガロ」なのです。1999年、愛馬ジンガロが死んだとき、バルタバスは最後となったNY公演のパフォーマンスを次のパリ公演の会場に映像として流し、それをパフォーマンスとしたそうです。集団「ジンガロ」は、その後も新作を作りますが、1頭の馬が、いろいろな演目をやることはありません。その馬にとっては、1つのパフォーマンスが一期一会なのだそうです。単に鞭をふるわれ動くのではなく、音楽に誘われ、相棒である人間の、指先の動きや背に乗った足の裏の体重のかかり具合に反応し、まるで人生に一つだけあるミッションを完遂するように、馬は華やかな会場を後にして、ふるさとに戻ってゆくのです。そう。やらされているのではなく、やっているのです。すべてのパフォーマンスが終わったとき、馬たちは馬場中央の滝のシャワーで水浴びをします。走って走って、ほてった体を癒やすように。馬たちは何も言いませんが、充足感、充実感が、静かに流れます。たしかに、「ジンガロ」は「ジンガロ」なのかもしれない。コトバで説明しても通じない。写真で写してもわからない。ただそこに行って、馬が跳ね上げる土くれを感じつつ、かつて馬と暮らしていた時代の息吹が体の芯から湧き上がってくるのを感じるのみ。ああ、生きるってすばらしい。ああ、生き物ってすばらしい。そう感じられる時間を、共有する。それが、ジンガロ。本日1月24日から3月26日まで、東京の木場公園内ジンガロ特設シアターにて。あればSS席より安いギャロップシート(1列~3列)をお求めください。この臨場感にまさるものはない。明日は、今回ひっさげてきた新作「バトゥータ」について書きます。
2009.01.23
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