履歴と感想 : は

 読書履歴 と 読後感想 ( ※ 作品の記載順と出版順は必ずしも一致していません )

【 は 】

馳星周
・ 不夜城 ・・・・・ ★★★★☆
・ 鎮魂歌
・ 漂流街
・ 虚の王
・ 雪月夜

羽田圭介
・ 黒冷水 ・・・・・ ★★☆☆☆
黒冷水
兄の部屋を偏執的にアサる弟と、執拗に監視・報復する兄。
出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」はどこから生まれたのか? 
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───

兄の部屋をあさる弟と、そのあさる弟に罠を仕掛ける等して仕返しをする兄との確執が書かれていまして、とにかく 全編陰湿な雰囲気を漂わす作品です。
文章の上手い・下手を度外視した、勢いで読まされてしまった感がします。
最後に意外な結末が待っているのですが、それが効果的であったかどうかは、なんともいえません。
後味も悪く、評価もしにくく・・・。
それでも、なぜか一気に読んでしまいました。

帚木蓬生
・ 閉鎖病棟 ・・・・・ ★★★★★
閉鎖病棟
舞台は、とある精神科病棟。
重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。
その日常を破ったのは、ある殺人事件だった…。
現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。
淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。
山本周五郎賞受賞作。
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───

出版社の内容紹介には 『 ある殺人事件だった 』 なんて書いてますが、事件が起きるのは後半に差し掛かった頃位ですし、この事件自体をメインに書かれているわけではありません。
本書は、精神病院内での、患者達の日常生活が描かれております。
世間から偏見の目で見られ、家族からさえも疎まれていたりする患者達が、明るく生きている姿、そして、前向きに生きていこうとする姿を書いたものです。
ですから、ミステリー作品ではありません。
ネタばれになるのですが、終盤、とある看護婦さんのセリフや、裁判所でのセリフには、涙が出てきました。
読み終わって、『 こんないい本に出会えて良かった 』 って思いました。
・ 臓器農場 ・・・・・ ★★★★☆
臓器農場
新任看護婦の規子が偶然、耳にした言葉は 「 無脳症児 」 。
病院の「特別病棟」で密かに進行していた、恐るべき計画とは何か?真相を追う規子の周囲に忍び寄る魔の手…。
医療技術の最先端「臓器移植」をテーマに、医学の狂気と人間の心に潜む"闇"を描いた、サスペンス長編。
現役医師としてのヒューマンな視線、山本周五郎賞作家の脂の乗り切った筆致が冴える、感動の名作。
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───

本書の舞台は、ケーブルカーに乗って通う様な、山の中腹にある、大きな病院です。
『 臓器農場 』 という題名と、本書の表紙の説明文から、内容は想像つくのですが、臓器移植を主題としたもので、そこに無脳症児が関係しています。
脳死についてもふれており、昨今の臓器移植に問題提起する様な作品です。
生きるとは … 死とは … 命とは … そして、生と死に携わる医師の立場とは ・・・ 。
医師の倫理観を問われた作品ですが、臓器移植でしか助からない子供を持った親の心情等、モラルや綺麗事だけでは済まされない生々しい部分があります。
作者が実際に医師ですので、真実味があり、色々と考えさせられる作品です。
そうした重いテーマの作品ではあるのですが、ミステリー小説としてもしっかりと成り立っています。
また、主要人物の描き方がとてもいいです。
泣けるところもあって、よくまとまった作品かと思います。
ただ、若干ですが、作者の御都合的な所があったのが残念です。

原りょう
・ そして夜は蘇る
・ 私が殺した少女 ・・・・・ ★★★★☆
・ さらば長き眠り
・ 天使たちの探偵




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