履歴と感想 : た

 読書履歴 と 読後感想 ( ※ 作品の記載順と出版順は必ずしも一致していません )

【 た 】

平安寿子
・ もっと、わたしを ・・・・・ ★★★★☆
もっと、わたしを
真剣に生きるって、恥ずかしいけど、恥ずかしくたって、いいじゃない。
もっと、自分を出せばいいんだよ。
今まで使ってこなかった勇気を出して、今までよりちょっとだけ遠くに飛ぼうと思うくらいでいいはず・・・。
優柔不断、プライド高過ぎ、なりゆき任せ、自意識過剰、自己中心 ・・・ 不器用な五人五様の煩悩がすれ違ったとき、少しだけ人生が動いた。
『 自分らしく 』 生きようとする人のダサさとせつなさを描く、待望の書き下ろし小説!
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───

それぞれの登場人物が、リレーでバトンを渡しているかの様に、少しづづ登場しながらつながっている、連作短編小説です。
みんな どこか うまくいっていない人達なんですが、勇気を出して、今まで出せなかった一歩を踏み出す。
ほほえましかったり、切なかったり・・・それでいて、笑える本書。
煮詰まった気分の時の 気分転換にどうです?
・ グッドラックららばい ・・・・・ ★★★★★
グッドラックららばい
長女が高校を卒業した日、母が家出した。
プチ家出から何年も戻ってこない母、ダメ男に貢ぐのが趣味の姉、まあ、いいじゃないかと様子見の父、立身出世に猛進する妹 ・・・ 。
バラバラだって大丈夫。家族は他人の始まりだから ・・・ モラルと常識を笑い飛ばす、書下ろしネオ・ファミリー・ロマン
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───

『 家族とは何? 』 といった部分もあるのですが、そういった 理屈めいた事は吹き飛ぶ程、とんでもなく 豪快な作品です。
自分勝手な登場人物ばかりでてきて、物語は破綻しそうになっているのですが、なぜか なんとか持ちこたえる。
最後の落とし所は、ある意味 『 お約束 』 なのですが、読者からしたら 納得の終わり方ではないでしょうか。
たまには、こんな おバカな作品もいいものです。
読んでて不愉快になる方もおられるかもしれませんが、私は吹き出しそうになるほど、面白く読めました。
この 突き抜け方 普通じゃなく ・・・ オススメです。
・ なんにもうまくいかないわ ・・・・・ ★★★★☆
なんにもうまくいかないわ
子無しシングルの負け犬も、四十過ぎたらオオカミ!
ゴージャス(?)な独身生活と、孤独で淋しいかもしれない未来の狭間で揺れる並河志津子。
けど、バタバタせかせか、今日も元気です。
なんでもかんでも己のことを喋ってしまう “ 私生活の無い女 ” 志津子を中心に、独特の 『 饒舌体 』 で一気に読ませるコメディー5篇。
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───

主人公 並河志津子は、恋愛には向いていても結婚には不向きと思われる為なのと、結婚に不向きな男ばかり好きになるので、男性遍歴は激しくとも 40代で 独身。
“ 私生活が無い女 ” とまで 周囲から言われるほど 開けっぴろげの おしゃべりで、他人を振り回してばかりいるかと思えば、世話好きだったり、仕事はできるが、どこか おっちょこちょいだし、人に借りを作るのが苦手で見栄っ張り。
そしてなにより、いつも いつも 元気。
だからゆえに、ふとしたところで 弱い部分が垣間見えると、かわいいと思えるし、魅力的だと思える。
志津子のキャラクターがとてもよくて、面白くもあり、切なくもありで、最後まで楽しく読むことができた この一冊、みなさんも いかがでしょうか・・・。
・ くうねるところすむところ ・・・・・ ★★★★☆
くうねるところすむところ
上司との不倫疲れに加え、仕事のストレスは 溜まりまくりで、人生どん詰まりの梨央・30歳。
一目惚れしたとび職を捜して訪ねた工務店では、亭主に逃げられた女社長がぶち切れ寸前。
イイ男を求めつつ人生のリセットをするはずだった梨央は、全てに疲れて飛び込んだ建設業界で、いきなり現場監督に!!
思いがけない事情から家を建てる仕事についた30と45の女達は何が何だかの大混乱――。
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───

平安寿子さんらしい、読んでて元気になる様な この作品は、梨央の恋物語であると同時に、梨央と姫こと 女社長の成長の物語。
工務店を舞台に、ドタバタとしながら 問題に立ち向かう様子はとても面白い。
締めくくり方が、ややキレイ過ぎる感じがしましたが、変に生々しくなるよりかは よかったのかとも思います。
おかげで、読後の印象は とても さわやかです。
・ センチメンタル・サバイバル ・・・・・ ★★★★★
センチメンタル・サバイバル
フリーターで、恋も仕事も中途半端な 主人公 『 るか 』 24歳。
家事一切を引き受ける条件で、家賃なし同居をする事になったのは、独身で働き続けて 48歳となった、めちゃくちゃパワフルなキャリアウーマンである 仕切り屋気質の叔母 『 龍子 』 の家。
恋愛に仕事、将来など、理想と現実のはざまで揺れ動くガールズライフを描いた作品。
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───

傍から見ても ぼーっとした感じで、周りに流されやすく、自分でもイマイチ自信が持てない主人公が、周囲の人達とのふれあいながら、徐々に 変わっていく様子は、足踏みしていたのが、歩幅は狭くとも 踏み出す様で、読んでいて応援したくもなります。
何か大きな出来事や事件があるワケもないのですが、登場人物達の会話が楽しく、なんといっても 龍子叔母さんの豪快さが面白くて、主人公を凌駕する存在感。
龍子叔母さんはセリフもいいが、部屋に貼る “ 書 ” が なんとも 味わい深く、その上、かなり キビシイ。
『 いつまでもあると思うな、愛と職 』
オススメな一冊であります。

高嶋哲夫
・ イントル-ダ-
・ トル-マン・レタ-

高野和明
・ 13階段
・ グレイヴディッガー

高村薫
・ 黄金を抱いて翔べ
・ 神の火
・ 季欧
・ リビエラを撃て
・ マークスの山
・ 地を這う虫
・ 照柿

竹本健治
・ 匣の中の失楽

多島斗志夫
・ 症状A




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