第４話「黒い鳥」
とある老ハンターが重症を負って担架で運ばれたのだ。そのハンターの名はガバル。そう、前のリオレイアとの戦いの傷が悪化して、重症になっていたのだ。ガバル本人は「大丈夫だ」と言い張っていたがギルドから見れば彼はかなり貢献している人物なので失うと困るというわけか、村に着くなり救急隊によって近くの病院へ運ばれたのだ。そのような光景を初めて見たGeiruは非常にあせっていたが、パーセルとレオンは特に驚いた様子は見せなかった。ハンマー使いで防御の出来ない彼にとっては度々あることらしい。なのでレオンは焦るGeiruを宥めると、酒場で勝利の祝杯を挙げたーガバルをのぞいてーそしてレオンが「リオレイアとの戦いとの勝利に・・・・乾杯っ！！！」と叫ぶと「かっ、乾杯」「・・・・・乾杯」とパーセルもGeiruも言った。そうすると周りのハンターも「乾杯！！」と自分たちのように叫び、酒場が一気に震え上がった。そして暫く皆が勝利と酒の歓喜に酔っていると村長が大変悩んだ顔でベッキーになにかを伝えた。するとベッキーは深くうなずいて、イャンクックの耳が破れるくらい大きく声を張り上げ、こう言った。「ここらへんのイャンクックが大量に異常発生してるみたいなの。このままではロクに商隊の通行ができなくなるわ。もし運良くこの村にたどり着けたとしても危険手当として高額な料金が要求されるわ。そんなことになったら商業が発展しないの。そこで相談なんだけど、ハンターの皆さんには今すぐ森と丘の併合地帯に向って欲しいの。」そう伝えた。するとレオンは「人数は？１つのパーティは４人まででしょ？」と伝えた。するとベッキーは「村長は何人でもokですって。でも行動は全てパーティ単位で行うこと。それさえ守れば問題ないわ。どう？」と返事をした。すると周りのハンターは返事よりも行動を先に起こした。クエスト受注である。ベッキーには喜びの顔が上がると同時に忙しくなった。クエスト受注処理のためである。そしてまだ座っているGeiruに向かいレオンは「どう？俺らとパーティ組まない？」と言った。Geiruは何がなんだか分からなかった。こんな高名なハンターともう１度組めるなんて予想もしてなかったのだ。しかし、レオンは続いてこう言った。「実はガバルのおっちゃんから君とこれからパーティを組むと伝えたおいてくれと頼まれていたんだ。君はあの力の爪の力を最大限に引き出したからね」Geiruはそういわれると、納得したという顔になり「そんなこと・・・・・こっちも願ってない話だよ。ありがとう、これからよろしく！」と返事をした。レオンは笑顔で「うん、そう言ってくれると助かるよ。こちらこそよろしく！」と伝え１つのパーティとして、今回はガバル抜きでクエストを受注。出発するのだった。
翌日
一向は目的の狩猟地帯に到着した。地には人間の足跡がある。恐らくもう出発したパーティがいるのだろう。それを頼りに一向は出発した。レオンは「Geiru君、キミの大剣は頼りにしてるよ。正直、俺とパーセルだけでは火力不足だったからね。そういうとGeiruは「おう！」と力強く返事した。そんなことをしていると上から１筋の影が舞い降りた。－イャンクックであるー
Geiruは大剣を横なぎに足に向って振るうと、レオンが弾丸を頭部へ直撃させ、ひるんだクックをパーセルが翼膜を切り破り、クックは息絶えた。Geiruはあまりの討伐の早さに驚いたが、この熟練ハンター達がいればクックなど余裕である。しかし・・・なんと今殺したクックの最後の叫びを聞き、およそ３０頭のイャンクックが飛来したのである。さすがのレオンも「これはマズイねぇ・・・」と弱音を漏らし、パーセルも戦う気にはならないような顔をしていた。しかし、そんな事を言ってる暇はなかった。群れの１頭がGeiruに向って急降下すると、その勢いでGeiruを吹き飛ばしたのだ。何とかGeiruは大剣の腹で受け止めたが、踏ん張りきれず丘から落とされてしまった。レオンは「Geiru君！！！」と力いっぱいに叫んだがGeiruはそれを聞く前にすでに空中にいた。これは相当高い。Geiruも死を覚悟した。しかしそれは現実にはならなかった。下は木で出来た自然のクッションになっていたのだ。それでも相当な衝撃でGeiruは落ちると同時に気絶してしまった。そして２時間後。もはや日は落ちかけていて、今暗くなったらここに野宿するしかない。そうなると非常に危険である。Geiruは起き上がると、近くにあったツタを上り始めた。このままいくと元いた場所に戻ることが出来るかもしれない。しかしそれは違かった。上るとそこは小さな湖があり、空は木で見えなく、道は３本もあった。しかし何より異変があったのは地面だった。大量のクックの死体があるのだ。おそらく１２０頭くらいはあるだろう。何体も折り重なっている。その光景にあっけに取られていると上空から１つの物体が降りてきた。それは本でも見たことがなかった。尖ったイャンクックよりも強そうなクチバシ、首に生えてる白いたてがみ、リオレイアに似た形状の尻尾。あきらかにイャンクックとは別の種類であった。Geiruは直感的に危険を感じた。しかしその黒い竜は甲高い咆哮でGeiruの筋肉を硬直させ、それをできなくさせた。逃げ道はない 『続く』
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