ギルド月吼(gekkow)HP

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クロノス抒情詩「あるマヌの物語」



 私が旅立ったのは、1年前のある夜だった。
命がけの辛い旅よ。え?逃げ出せば良かったって?
1年前の私なら、そう聞いただけであなたを殺していたでしょうね。
今は違うわ。外界には自由な精神があり、あたなはそれに従っているだけ。
でも、あなたも本当に大事なものの為には、命を懸ける事があるでしょう?
そう。それが解っていれば良いの。そんなあなただから、お話しましょう
この1年私が出会った素晴らしい方、愚かな者の話を。

第1章 始まり
 「留まれ!バインド!!」
 足元から伸びた触手が、モンスターの6本の足に絡みつき動きを封じる。
 「喰らえ!デッドリーアサルト!!」
 渾身の力で弓を引き絞ると、体外に溢れたオーラが一瞬球状に輝き
 そのオーラを纏い付かせた光る矢が驀進した。
 「ぎゃぁぁぁっ」
 断末魔の叫びを響かせて、血とも体液ともつかぬ液体を流し
 蠍に似たモンスターは血に沈んでゆく。
 そこには、不思議な形をした武器が残されていた。
 「あれは・・・まさか・・・・・・」

 旅の始め、先ずはクロノス城下に情報収集に立ち寄った。
そこで私は、頭の中の知識と活きた知識は違うと思い知らされた。
 城下町に入って直ぐ、私は掏りに遭った。この私が!暗殺者たる
私は気分を害し、きっと殺気を撒き散らして歩いていたのね。通りから
人影が消えていたわ(笑)私は次に逢った人を殺してクロを奪おうとまで
考えていた。
 後ろから、あの方に声をかけられた時、実際私は斬りつけていた。
暗殺者の刃で。あの方はそれを盾で簡単に防いだわ。私は2撃目を
与えようと身構えたが出来なかった。あの方の目を見たら、もう
動くことが出来なかった。
 えっ?一目惚れ? うん、そうかもしれない・・・。
あの方はパラディンだったわ。そう、支援スキルは立派だが
攻撃はお粗末で簡単に死ぬ、と里で教えられたパラだった。
でも全く違った。
駆け出しだと気付いた私は、彼に連れられて
その所属ギルドに加入した。羽十字というそのギルドは
私に新たな力と出会いを与えた。


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