宛名の無い手紙♪

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2006.06.23

とん蝶の梅干は・・

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昨日・・とある地下鉄の駅のホームを歩いていると
えらく遠くから訝しげに磨亜を見つめる老婦人・・
近づくに連れ　驚いた！　なんと「母」であった(笑)
開口一番・・「あんたぁ　なんちゅう派手なズボンやの？」
彼女とは、かれこれ数ヶ月顔を合わせていなかった・・

年末の入院以来　入退院を繰り返し
みるみる老人の装いに・・
しかし、今年の春、見舞いに行った時の
「どなたか存じ上げませんが。。ご親切に」と礼を

その後の回復は、満足の行くモノであった・・

それ以来、磨亜は、こわれものに触るように
両親とも接してきたような気がする。
自分もいつかは、あんな風に成って行くのかな？
行くんだろうな？ひとしきり立ち話をして別れた後
ホームのベンチに腰掛けていると
母が、わざわざ後帰って来て　こう言った
「あんたになんかしてやりたいんやけど・・
今なにも持ってないから・・」と母は言いながら。
買い物袋の中から・・「とん蝶」をひとつ取り出した。

「ありがと・・・腹減っててんわ」と受け取ると

「そのズボンとても似合うてるよ！あんた　足が
長くてカッコいいから！」

やはりこのＤＮＡを磨亜は、頂いている？
弱弱しく、小さくなった彼女の背中を見送りながら・・
ふと彼女の背に居たときの感触を思い出した・・気がした

こんなに梅干って酸っぱかったっけ・・？
ちょっぴり切なかった。

どんなに年老いても、息子が成長し切っても・・
彼女は、ずっと「母」である。

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