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前回が年明け直後だったのでかれこれ10ヶ月も空いてしまった。その間にまたまた居を移し、東北は福島から再び関東へ。今度は埼玉、本当に落ち着かない人生だ。さてさて、今回紹介するのはこちら。トンボのREPORTER 4 である。正直これで何本目かわからない。軸が割れる度に全く同じこの子に買い替えている。価格から当然だが、どう見ても安っぽいこの子は、しかし唯一無二のボールペンだと思っている。書きやすさで言えばジェットストリームなど最近の低粘度インクの方が圧倒的だ。デビュー当初から書きやすくはなったが、それでも負けているのは間違いない。ではなぜ、壊れる度にこれを買い直すのか?秘密は"音"である。ノック音がうるさくないのだ。誤解があるといけないが、ノック音が鳴らないわけではない。ちゃんと音は鳴る。しかし、その音が耳障りではないのだ。オーバーに言えば、書いてる自分とその両隣くらいの人しか音が聞こえないくらい小さな音なのだ。おそらく高音が鳴っていないのだろう。そのせいか音が小さく聞こえるのだ。またノック部分にも特徴があって、各色ごとにノック部分の形が異なるのだ。そう、目で確認しなくても自分が何色をノックしたのかが分かるのだ。これはとっさにメモを取る時に非常に便利で、誤って赤や青で書きこむといった心配がないのだ。これに慣れてしまうと他のペンが、いちいち色を確認する必要があるというのがとても面倒に感じてしまう。もっと高価な、もっと見栄えのいい多色ボールペンなど星の数ほどあるのだが、この唯一無二の特徴を併せ持つこの子を、おそらくこのまま使い続けるのだろう。願わくば生産中止だけにはならないで欲しいものだ。◆◆【トンボ鉛筆】4色ボールペン リポーター4 透明パック FCB-132【0.7mm】トンボ鉛筆 [油性ボールペン]リポーター4 4色ボールペン 透明 (ボール径:0.7mm) BC-FRC20 インク色:黒・赤・青・緑トンボ鉛筆 4色ボールペン リポーター4 透明 BC-FRC20 - 送料無料※800円以上 メール便発送
2023.10.16
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気づいたら年が明けてしまった。冬場はキャンプ、登山道具の手入れを順番に行うのがルーティンである。そんな中、昨年最後のキャンプ時に一緒に連れて行った若い女の子からこんな事を言われた。『先輩のナイフ、クードマンなんですね♪』個人的にはだいぶマイナーなナイフだと思っていたので、20歳そこそこの女の子が知っている事に驚きを感じ得なかった。Cudeman 158-L というモデルである。フォールディングナイフ一辺倒だった私。大抵のことなら以前紹介したウェンガーや、他のフォールディングナイフで用足りていたので、シースナイフを欲しいとも思わなかった。所がある日、キャンプ場で設営をしていると、ペグが数本足りない事態に直面してしまった。どうやら、その前の時に回収し忘れてしまったらしい。渋々太めの枝から手製のペグを作成したのだが、この時初めてフォールディングナイフの限界を感じたのだった。食材のカットや箸、スプーンなどの製作程度しかしていなかったので、初めて大掛かりなブッシュクラフトをしたのだった。強風に耐えられる太さ、硬さ、長さの枝を細工していると、刃の薄めなフォールディングではなかなか大変な状況であった。後日馴染みの用品店で相談した際に、店主が出してくれた中に、このクードマンが並んでいた。時期的に2016〜17年頃だったか。このクードマンの他に、ヘレ、モーラー、ケラム等が並んでいたと思うが、オリーブウッドのハンドルに魅せられ、フルタングという事もあり、即決した覚えがある。しかし家に帰りよくよく見れば、ファクトリーナイフの性か、ハンドルの面取りがやや雑で、表面も粗い仕上げだった。切れ味は申し分なかったので、ハンドル部のみヤスリをかけ面取りを行い、表面も滑らかに加工した。定期的なオイルアップもあってか、今ではしっとりスベスベな肌触りである。木柄シースナイフで有名なのは、キャンプ芸人のヒロシが愛用しているヘレだと思っていた私が後日後輩の子に聞いてみると、どうやら同じキャンプ芸人として人気のバイキング西村の愛用品として紹介され、人気が出ているらしいと知った正直大きく重たいこのナイフをキャンプを始めたばかりの女の子にオススメするというのもどうかと考え、たまに一緒にキャンプする際に使用し、自分の一本をゆっくり探していけばいいのではと助言した。ただ、フィーリングで選択ばかりしている私が言っても説得力がないかもしれないが。【あす楽対応】Cudeman クードマン 158-L Outdoor Knife キャンプ アウトドア ナイフ 送料無料クードマン 158-L ナイフ ケース付き Cudeman レザー バトニング キャンプ アウトドア フルタング 158l(CUDEMAN)クードマン 158-L MOD. ENT BUSHCRAFTクードマン 158-L MOD.ENTブッシュクラフト cudeman ナイフ ケース付き レザー キャンプ アウトドア 【正規品】
2023.01.29
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久しぶりに文房具を紹介したい。手前が、ぺんてる GRAPH1000 FOR PRO奥が、ぺんてる orenz neroである。オレンズの方は新製品当時に購入したので、3・4年ほど。グラフ1000の方は高校時代に購入したので、20年以上前の物になる。個人的には、製図ペン=ぺんてるだと考えているのだが、一応ステッドラーやロットリングも所有している。所有欲で言えば、舶来品の方が満たされるのは間違いない。重量感の違いもそうだが、一番は価格かもしれない。特にロットリングは高価格が具現化したようなデザインなので、なおそう感じる。一方でぺんてるはチープを具現化したような製品だ。実際オレンズは購入時2000円ほど、グラフは1000円ほどなので、決して安いわけではない。ただ、到底価格相応には見えないのだ。これは良い意味で言っている。文房具はどんなに高価であっても実用品だと考えている。特にシャープペンのような製品は実用品としての色が強いと感じている。高価で使用を躊躇うよりも、そう感じさせずに使い倒せる方が、製品として正しいのではと感じてしまう。実際の所、この2本は故障もせず未だに現役で使用している。素材は樹脂なので、舶来品よりも耐久性に劣るはずなのだが、そんな様子は微塵も感じられない。そろそろ一番上の子がシャープペンを使う年頃になってきている。本人が気に入ればこいつらを次の世代へ渡してみようと思っている。そして、壊れるまで使ってやる事が、このペン達の最大の喜びになるのではないかと考えている。まあ、何年後になるのか想像もつかないが。ぺんてる Pentel オレンズネロ ORENZ NERO 0.3mm ブラック 筆記具 シャープペンシル シャーペン 文具 文房具 ステーショナリー PP3003-Aぺんてる Pentel オレンズネロ ORENZ NERO 0.3mm ブラック 筆記具 シャープペンシル シャーペン 文具 文房具 ステーショナリー PP3003-Aオレンズネロ 0.2 0.3 0.5 ペンテル シャープペンシルPentel orenz nero PP3002-A・PP3003-A・PP3005-AGRAPH1000 FOR PRO シャープペンシル 0.5 製図用シャープペンシル ぺんてる XPG-1005-1N 0.5ぺんてる GRAPH1000 for pro シャープペンシル 5種類 pg100-ecm [M便 1/10]GRAPH1000 FOR PRO シャープペンシル 0.3 製図用シャープペンシル ぺんてる XPG-1003-1N 0.3
2022.10.25
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つくづく私は3日坊主の男なのだと痛感する。前回の投稿から早5ヶ月。季節は夏を過ぎ秋になり、ここ数日は肌寒ささえ感じて来ている。ありがたい事にその間私のブログへ訪問してくれている稀有な方々もいらっしゃるようなので、そろそろ更新したい。先日親会社の会長よりこの時計を頂いた。カシオのオシアナスというブランドのカシャロというモデルである。昨年の私の仕事内容やCMコンペの案等、私の行なってきた事に興味を持ちポケットマネーでプレゼントをしてくれたのだ。価格やブランド云々に対しては何も思う所は無い。しかし渡される際に頂いた言葉が私にはとても響いた。『カシャロはフランス語でマッコウクジラの事らしい。そしてマッコウクジラは最も深く潜れる世界最大の哺乳類だという事だ。君はマッコウクジラにとても似ている。我々が思いもしないもの、気づきもしないものが見えている。我々と君とでは見えている世界、住んでいる水域が違うのだろう。是非とも、君の見ている景色、見えている世界を、今後とも我々に伝えて欲しい。それは我々の新しい価値観に繋がるものになる』時計に対してこれほど深い意味を持った事、考えた事は今まで一度たりともなかった。私はブランド価値や価格、機能など気にも止めないほど気に入ってしまった。この時計はすでに廃盤になっており、デビュー当初(そして今も)ブランド唯一のダイバーズウォッチである。私も時計好きであるから、デビュー当初からこの子の存在は知っていたが、手の届かない存在であった。メーカー希望価格は25万円ほど。現在の実売は10万円強といったところである。しかしダイバーズウォッチらしかぬエレガントなデザインと総チタン製からくる軽量感は実売を優に超えると感じる。そしてサファイアベゼルやチタンの研磨からくる輝きは希望価格以上の存在感を与えている。ソーラー電波のクォーツ時計であるから、同じダイバーズウォッチである某シーマスやサブマリより下に捉えられてしまうが、何も前情報なく見れば、およそそれらと引けを取らない存在感だと思わせる時計である。私は自分を、他人より変わっていると常々思っていた。そしてこれをくれた人もそう思っている。しかし私が考えているネガティブな『変わっている』ではなくポジティブな『変わっている』としてだ。きっと私が見ている世界がこのまま変わらない間は、この時計を使い続けるのだろう。これからの付き合いが長くなりそうな、そんな予感を感じさせてくれる時計である。カシオ|CASIO 【Bluetooth搭載ソーラー電波時計】OCEANUS(オシアナス)CACHALOT(カシャロ) OCW-P2000-1AJF【国内正規品】正規品 カシオ オシアナス カシャロ 電波 ソーラー スマートフォンリンク OCW-P2000-1AJF CASIO OCEANUS CACHALOT Bluetooth搭載 ダイバーズ 200m潜水用防水 チタンバンド シルバー&ブラック&ブルー 黒 銀色 青 メンズ 腕時計 (OCWP20001AJF)【あす楽】【クーポン利用で2000円OFF】カシャロ ダイバー OCW-P2000-1AJF OCEANUS オシアナス CASIO カシオ メンズ 腕時計 国内正規品 送料無料 ブランド ハロウィンオシアナス カシャロ CASIO OCW-P2000-1AJF スマートフォンリンク Bluetooth 電波ソーラー 国内正規品 ダイビングログ機能 本格ダイバーズモデル
2022.10.08
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しばらく間が空いてしまった。その間、居を東京から福島へ変え、ようやく街にも慣れてきたように感じる。連休前から山開きも続々と始まり、どうせなら福島の山を歩こうと思い立ち、先日登ってきた。その際、道具を用意していた時にふと目に入ったこのナイフ。私が小学生の頃に買った物だから、もう30何近くになる。ビクトリノックスではない。これは、ウェンガーである。今も当時もスイスのツールナイフといえばビクトリノックスが有名だったが、ひねくれ者の私はウェンガーを選んだ。アウトドア好きなおじさんに頼み買ってもらい、ナイフの使い方のいろはを教えてもらった。以降、私のそばにはいつもウェンガーがあった。当たり前すぎて、登山の準備をするまですっかり忘れていた程だ。ご覧の通り、機能は限定的で、その為未だに壊れる様子もない。ナイフのブレードも研ぎ直すたびに切れ味を戻してくれる。屋外でのちょっとした工作に、プルタブが取れた缶詰を開ける為に、アウトドアでは余計に美味く感じる瓶ビールに。ウェンガーはいつも活躍してくれた。願わくば、私の子どもたちが使ってくれるその日まで。大事に使い続けていこうと思いながら山を歩いたGWだった。
2022.05.13
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私の愛用品にはこんな物もある。コールマンのマグカップだ。これは私の叔父が使っているのを見て、子供心に憧れを持ち、母親にねだって買ってもらった物だったと思う。そう、"だったと思う"くらい記憶が定かでない程昔から使っている物だ。おそらく小学生の頃だったように思う。故に30年近く愛用しているものだ。物としてはステンレスの二重構造になっており、冷たい物は冷たいまま、暖かい物は暖かいまま長く飲み頃を味わう事ができる。そして二重構造の為、氷を入れた飲み物だったとしても結露が起きない。テーブルの上がびしょびしょにならないのだ。ハンドルは樹脂製。しかし、未だに割れそうもない。このマグカップと全く同じ物は、すでに販売されておらず、既存のラインナップの物は、これより若干小さく、ハンドルの形状も異なっている。もう、二度と購入する事が出来ないというのは別にして、そこにあるのが当たり前なマグカップとして、わが家の食器棚に並んでいる。いつか、子どもたちにこれを渡す日が来るのかもしれない。その日まで私はこれを使い続けるだろう。
2022.01.17
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この子は2019年1月の発売なのでようやく3年ほど経過した若い子なのだが、愛用品として紹介したい。SEIKO、プレサージュSARY113である。SEIKOのHP上にはまだ特設ページはあるのだが、この子は早々に廃番になってしまった。要は人気のない子なのである。当時、手頃な値段の腕時計を探していた私にこれを勧めてくれたのは妻だった。店頭の販売価格は7万円程。ちょうど良い価格帯であったのもそうだが、何よりこの子の文字盤に強く惹かれた。写真ではわかりづらいのだが、この文字盤は『日本庭園の砂紋を模したデザイン』らしく、光の当たる角度でその表情を大きく変えてくれる。メーカーHPでは『ブラック』表記なのだが、ブラックはもちろん、グレーやダークブラウンにまで感じるような色味を出す事もある。私と妻も店頭ではこの文字盤が『こげ茶色』だと思っていたくらいだった。そして2人して、購入してからマジマジとみて、この子は黒なんだと気づいたくらいだった。機械式のこの子は手間がかかる。1日20秒近く進むし、付けないでいれば止まってしまう。およそソーラー電波の腕時計の方が手間がかからず便利なのは間違いないのだが、どうもこの手間のかかり方が人間味があり嫌いになれない。きっと私が年齢の割に年寄りくさいのかもしれないが。今では革バンドもカシスのDバックル用の物に変え、ますます愛着が湧いてきている。間もなくオーバーホールの時期に入る。今日もこの子は元気にビートを刻んでいる。
2022.01.16
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大学に入ってすぐくらいまで、バックパックを使い自転車で通学していた。ただ信号待ちの僅かな時間で、バックパックから水筒を出し水を飲むのは、かなり億劫だった。そんなおり、ショッピングモールのバック専門店でこの悩みを相談した所、勧められたのがメッセンジャーバックだった。数あるメッセンジャーバックの中で、ポーターを選んだのは、当時の私はバックメーカー=ポーターくらいしか知らなかった為だ。当時はポーターでも、メッセンジャーはヒートくらいしか作っておらず、その中で1番大きいサイズを選んだ。内側は細かなポケットはあるものの、基本は1部屋なので、適当に放り込めるのが魅力だった。そして、独特な背負い方故に、バック内の物が取り出しやすい。ちょっとした合間に水筒を取り出し、飲み、仕舞うといった動作が出来るのが有難かった。仕事を始めてしばらくは押入れに仕舞い込んでいたが、このコロナ禍で自転車通勤にし、久しぶりに使い始めた。手帳に文房具とノート、弁当箱に水筒、煙草に練り香水、財布と名刺入れ。これだけ入れてもまだまだ余裕がある。10年以上経ってもまだまだ現役で、しばらくは使っていきそうだ。【楽天カード35倍(最大)|1/15限定】特典付き|吉田カバン ポーター ヒート メッセンジャーバッグ ショルダーバッグ メンズ A4 B4 PORTER 703-07967
2022.01.15
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2回目は本日購入したランニングシューズ、アディゼロ匠戦7を紹介したい。2回目にしてブログの趣旨と違うとお思いの方がほとんどだろうが、『長く愛用しているシリーズ』という意味では同じかと思う(←物は言いようだw)昨今はナイキに代表される厚底高反発のランニングシューズが流行しているので、このシューズは言ってみれば前時代的な思想のシューズである。10代の頃からランニング、特に自分との勝負である長距離ランニングは数少ない私のスポーツ趣味である。走り始めの当時は高い安定性、高いクッション性が長距離の基本思想であったが、それを壊したのは当時もナイキであった。ナイキフリーというシューズは『ハダシ感覚』という売込みの通り、薄く柔らかいソールと足の動きを妨げないアッパーで世の中の常識をひっくり返した。徐々にライバルメーカーも同様のコンセプトのシューズを開発していき、アディダスもこの『アディゼロ』シリーズを開発した。(←思い返すと今と全く同じだw)そのアディゼロシリーズの中でも、最もソールが薄く軽量なモデルとして誕生したのが、この『アディゼロ匠戦』シリーズである。ちなみに読み方は『アディゼロタクミセン』である。何となくお分かりの方もいるかと思うが、耐久性は皆無の短距離スピード勝負のシューズである。それを私は長距離ランニングシューズとして使っているので、ど変態の極みのような人間なのがお分かりかと思う。私の走力では正直もっとスタビリティの高い靴でも問題ないのだが、これを使っている理由はただひとつ。『走っていて気持ちいいから』である。その通り、私はバカの極みです。ただ、記録や大会がメインではなく、ただ走るのが好きという私にとって、このフィーリングはモチベーションを保つ為にも必要な事だと思っている。本来の活躍の場とは違う所で使用しているが、自分の感覚にマッチする。さまざまな批評やレビューが散乱している今だからこそ、必要なものではないかと考えている。adidas アディダス ADIZERO TAKUMI SEN 7 TOKYO アディゼロ タクミ セン 7 東京 ランニングシューズ メンズ 2021年 ホワイト/ソーラーレッド FZ2499
2022.01.10
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先日、実家の掃除をしていたら大学時代に使用していた万年筆が出てきた。PILOTのカスタム823である。大学時代は講義もレポートも論文も、趣味で書いていた小説の執筆もこれを使っていた。もうかれこれ20年近く前の話である。入学当時の講義で『レポートは手書きのみ。できれば万年筆で』という変わった教授がいた。当時でもすでに学生のほとんどがパソコンを持っており、かくいう私もVAIOのラップトップを所有していた。しかし、この教授とこの後買い物に行った文具屋の主人との出会いが、私の文具遍歴の始まりであった。万年筆など使った事もない18の学生が、当時住んでいた学生寮の近所の文具屋に行った所で、どれがいいか分かるはずもない。必然的に店主に声をかけ、どれがいいのか尋ねた。すると店主は普段何の筆記具を使っているのか?シャーペンなら太さは?硬度は?と尋ねてきた。0.5のHBのシャーペンだと伝えると、2種類のシャーペンを用意して、適当に同じ文字を書いてみてと言い出した。私はその時初めて、硬度が違うだけで、ペンの滑らかさが変わる事を知った。そして店主は私の筆圧が低い事も見抜き、それならば少しいい万年筆をと進めてきた。きっと万年筆が気にいるからと。いくつか用意してくれた万年筆の中に、このカスタム823があったのだ。前置きが長くなったが、このカスタム823、(おそらく当時も今も)国産唯一のプランジャー式吸入の万年筆なのだ。万年筆はインクの補充にいくつか種類がある。一般的にはカートリッジ式と吸入式に分かれる。カートリッジ式はボールペンのように、インクの入ったタンクそのものを入れ替えて使用する。吸入の手間もなければ、手を汚す事もないが、使えるインクの色に限りがある。通常ならばメーカー純正品として出ている物のみだ。一方吸入式は自分の好きなインクを万年筆に吸入し、補充をする。一般的にはコンバーターと言われる、空のカートリッジのような物をセットし、それの中にインクを貯め込むのだ。通常、万年筆ユーザーはこのコンバーターを使用して様々なインクを使っているわけだが、貯め込むインク量が多くて0.7mlほどになっている。学生時代の私からすると、学校でインクがなくなった場合を想像するだけで、万年筆の日常使いは非現実的なものであった。『それならばいっその事』と文具屋の主人が勧めてきたのがこのカスタム823であった。最大の特徴であるプランジャー式の吸入機構は先に述べた物とは根本的に異なり、『万年筆そのものにインクを貯め込む』方式なのである。要はペンの軸内全てがインクタンクという事だ。この方式により、1回の吸入で1.5ml以上は補充できるのだ。そして、写真ではわかりづらいのだが、クリアブラックのボディのおかげで、他の万年筆のように分解しなくてもインク残量がわかるのだ。1日に大量の文字を書き、出先でのインク切れの心配をしなくてもよいこの万年筆に、当時は『これしかない』と思ったものだ。店主の好意で半値で購入したのだが、当時の私からすれば、まさに清水の舞台から飛び降りたような買い物だった。そのおかげで、大学4年間はずっとこのペン1本でいけた。そんなすっかり忘れていたが、思い出深い万年筆を久しぶりに手にした私は、今年からこれを再び使おうと決心したのだった。SDGsが叫ばれて久しい。私の子ども達も小学校で勉強しているこの課題に、私はどう向き合うか。同じ物を長く使うこともひとつのSDGsなのかなと思った年末年始なのだった。【お買い得品】パイロット カスタム823透明ブラック細字 FKK-3MRP-TB-F【お買い得品】パイロット 万年筆 カスタム823 透明ブラック 中字 FKK-3MRP-TB-M【お買い得品】パイロット カスタム823透明ブラック太字 FKK-3MRP-TB-B【お買い得品】パイロット カスタム823ブラウン細字 FKK-3MRP-BN-F【お買い得品】パイロット カスタム823ブラウン中字 FKK-3MRP-BN-M【お買い得品】パイロット カスタム823ブラウン太字 FKK-3MRP-BN-B
2022.01.03
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