事例 LETS Local Exchange Trading Systemの略。1980年代にカナダ西部・バンクーバー近郊のCommox Valleyでマイケル・リントンによって開始される。中央銀行が発行する法定通貨は全国くまなく流通するため、炭鉱の閉山などによって地場産業が無くなると地域内での物やサービスをするにもその道具である法定通貨が不足するという事態が発生するが、LETSではせめて地域内で生産できる物やサービスに関しては地域独自の交換手段を用いることによって自給自足を高めようとしている。 現在カナダの他、英国や豪州・NZや欧州各国などに広がる。なお、フランスではSEL(Système d’Echange Local)、ドイツではTauschring、オーストリアではTauschkreisと呼ばれる。
REGIO 「地方通貨」。LETSよりも広域圏を対象とすることで、地産地消の促進などを目的としてドイツ各地で流通。キームガウアーが有名。詳細はREGIOの項を参照。
交換クラブ アルゼンチンで1995年に生まれる。元々は日本のフリーマーケットのような形で行われていたが、現金収入に乏しい人たちの生活向上の手段として急速に発達、一時期は600万(総人口の6分の1)とも推測される人たちが利用した。ただ、最大の勢力であったRGT(Red Global de Trueque)の崩壊などによって現在では動きが非常に小さなものになっている。
タイムダラー 米国の弁護士エドガー・カーンが創始。米国の貧民層などの相互扶助の手段として普及。地域への奉仕活動を取引対象とするため、その精算単位として非常に単純な時間を利用している。 日本では愛媛県関前村の「だんだん」が同様の事例として有名。また、タイムダラーとは直接の関係はないが、さわやか福祉財団の「ふれあい切符」やボランティア労力銀行などの試みもシステム的には同じであるといえる。なお、イタリアでもBanca del Tempoという名称で同システムの運動が広まった。