並行複発酵



お酒の造りである意味一番単純なのがワインです。
ワインは果汁に含まれるブドウ糖を発酵させてアルコールにしています。
ビールは麦の含まれるでんぷんを最初の過程でブドウ糖液化してから発酵させます。
日本酒はお米に含まれるでんぷんの糖化と糖化されてできたブドウ糖のアルコールへの発酵を同時並行的に行うというある意味離れ業によって造られています。
ワインやビールに比べて日本酒のアルコール度が高いのはこの並行複発酵という造りのおかげなんですね。
酵母は自分が造ったアルコールによって死んでしまうので単発酵方式だと10%台の前半ぐらいにしかなりません。
ところが並行複発酵方式だとアルコールの直接の原料になるブドウ糖が少しずつしかできないのでアルコールも少しずつしかできません。そのため最終的なアルコール度数は20%程度にもなるわけです。

最近は単発酵による廉価なお酒が出荷されていますが、これを日本酒ということはできないと思います。
お酒の世界でもライト化が進んでいてアルコール度数の高いお酒が敬遠される傾向にあることと何より安くできることからこの方式で作っているのでしょうけど、お酒はひとつの文化だということを考えてほしいと思います。


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