ネオ・ヴェネツィア戦線

ネオ・ヴェネツィア戦線

ピノーとテディ






これの物語は、大切にされ魂が宿った2体の人形のお話
2体・・・2人はある大道芸の一団の一員だった。


今日も芸の公演が終わり、団長は『2人』を大事に大事に棚へと座らせた

団長「今日もご苦労さん。明日は違う町に行くから朝早い、だから今日はもうお休み。」

そう言うと、ニコっと笑い部屋から出て行った
団長は、初老でアゴと口の周りにひげを蓄えている
ニコッと笑った表情がとても優しげだ


「・・・団長さん帰ったよ」

「団長さんて、いつも人形の僕達にも優しいよね」

「うん。でも・・・」

「・・・明日は僕たちいないんだよね・・・泣くなよテディ」



テディ「泣かないよ・・・多分・・・」

ピノー「でも、目的果たしてからでも会えるじゃん!」

テディ「うん!そうだね。僕たちは人間になれるんだから!」

ピノー「そうだよ!ここから遠い東の山に魔女が住んでいる。その魔女にお願いして人間してもらうんだから!僕たちの魂は、神様が間違って人形にいれたんだから・・・きっとそうだよ!」

テディ「じゃ、夜遅くになったらここを出よう」


そして・・・夜


ピノーたちは一団のテントから飛び出し
テントが見渡せる丘へと歩いてきた

ピノー「ここでお別れを言おう・・・」

テディ「うん。・・・さよなら団長さん。」

ピノー「さよなら団長さん・・・。きっと会いに来るからね!」



団長さんにお別れをすると、2人は東へと歩き始めた



1週間ほど道なりに歩いていると
迷いの森と呼ばれる、大きな森が見えてきた
しかも、この森は化け物が出るという噂・・・

彼らは、疲れるという事はないが・・・
手足が地面にスレぼろぼろになっていた。


テディ「ピノー?今どれくらいかな?」


ピノー「多分・・・半分くらいは来たと思うよ。この森の先にあるらしいよ。」


テディ「でも・・・この森怖いよ~!何か出てきそうだよ・・・。」



ピノー「だけど、ここを越えないとダメなんだ。だから頑張っていこう?!」


テディ「・・・うん!僕頑張るよ!」


こうして、2人は森の中へと入っていきました


森の中へ大分入ったときでした

道の脇の林でガザガザと言う音がしました


テディ「!!!わぁ!!!何かいるみたいだよピノー?」

ピノー「う、うん。とりあえず・・・逃げよう!!」


ピノー達が走り出したときでした


林から黒いモノが飛び出してきました。
その黒いモノは、あっという間にピノー達を捕まえました


テディ「わぁ!!!食べられる!!!!」

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・


???「お、お前喋れるのか?」

ピノー「??え??」

???「人形だろお前達?」

テディとピノーは恐る恐る目を開け声のする方を見ました。


なんとそれは1メートルはあるかという熊でした


テディ「あ、僕と同じ熊さんだ!」

熊「そうだな、お前は熊の人形。俺は本物だ!ガハハハハハ!てっきり獲物かと思って飛び掛ったら、人形でしかも話せるとは思わなかったぞ」

ピノー「あの・・・そろそろどいてください・・・人形とはいえど・・重さは感じますから・・・う・・・」


その後、3人は森を進み
熊が寝床としている、大きな洞窟へと行きました。



熊「ところで、なんで君たちはこの森へ?」

ピノー「実はね、僕たちは魔女に会いに旅をしているんだ。」

熊「ほぉ~。それは奇遇だな。俺がこうして話せるのは魔女のおかげなんだ!」

ピノー・テディ「え!!!!!!」

熊「実は、昔、魔女に会って2年くらい一緒に暮らしたんだ。魔女は、この森に生えている薬草の場所を俺に教えてくれるように頼んで、そのお礼として話せるようにしてくれたんだ。でも、おかげで化け物がでるってこの森に人が来なくなってしまったんだ~」


テディ「だから誰も来なかったんだね!でも、魔女と会ったことあるんでしょ??すんでいるところ分かる?」


熊「分かるとも~。でも、もう何年も会ってねぇな~」

ピノー「でも場所が分かるなら教えて!」

熊「そうだな、飛び掛っちまった詫びに教えてやるよ。」

テディ・ピノー「やった!!!!!」

熊「ま、とりあえず今日はもう遅いから、ココに泊まって明日森の外れまで案内してやるよ。」

ピノー・テディ「ありがとう!!」


そして、2人は熊の脇で一晩を明かしました。



2人は熊の背中に乗せてもらい
森の外れまで送ってもらいました。


ピノー・テディ「熊さんありがとう!」

熊「ところで、魔女の家なんだけど、この道をまっすぐ行ってぶつかった岩山の上にあるそうだ。」

ピノー「上にあるそうだ?」

熊「あぁ。俺は行った事ないんだ。2年間この森で一緒に住んでたから。でも、その時は魔法で家を作って住んでいたんだけどな。」

テディ「そうなんだ~。でも、行ってみるよ!ありがとう熊さん!」

熊「どおってことねぇよ。気をつけていくんだぞ!元気でな!」

テディ「分かった!熊さんも元気にしててね!人間になったら会いに来るから!」

熊「楽しみに待ってるよ。」



こうして2人は、熊さんの言った通りに道を進んでいきました。


激しい雨や風、時にはものすごく日差しの強い日がありました

でも、2人は頑張って歩き続けました。


どれだけの時間がたったのでしょうか


ようやく2人は魔女の家があるという

大きな岩山にたどり着きました

でも・・・2人はもうボロボロでした


テディは、擦り切れたところから綿が飛び出し
手足は、糸でギリギリ繋がっているようなもの

一方のピノーも
木で出来た手足は腐りかけ
来ていた服も破れています


それでも2人は、頑張って岩山を登り始めました


もうすぐ魔女に会える・・・


人間になれる・・・


まさに、それだけが彼らを突き動かしていた


人間でも登るのが難しい岩山


それを人形の2人は、必死で登っていました


そして・・・雲が下に見える所まで来ました


その時でした


体がボロボロになったテディが、すべり

左腕が取れてしまいました

ピノー「テディ!!大丈夫?!」

今にも落ちそうなテディを、寸前でピノーが捕まえました


テディ「ごめん・・・ピノー・・・僕・・・もうダメみたい・・・このままじゃ君も落ちちゃうよ・・・」


ピノー「やだよ!!!テディも一緒に人間になって団長さんや、団の皆、熊さんに会いに行くんだよ!」


テディ「・・・」

ピノー「ね?テディ?頑張ろう?僕がフォローするから一緒に行こう!」

テディ「・・・ごめんピノー・・・。僕もう無理みたい・・・。頑張ってね・・・僕の分まで・・・そして・・・人間になったら下に会いに来てね・・」


ピノー「ダメだよ!こんな所から落ちたらバラバラになっちゃうよ!」


テディ「・・・さよならピノー・・・君は僕の唯一の親友だからね・・・」


その言葉と同時に・・・

テディの腕は千切れ

テディは・・・雲の下へと消えていきました・・・


ピノー「テディ!!!!!!!」


・・・・・・・


ピノー「・・・テディ・・・絶対に君の分まで頑張って魔女に会うからね!」


そして、ピノーは再び果てが見えない岩山を上り始めました


途中で、指がボロボロになりとれ

足も腐り・・・折れてしまいました


でも、テディの分まで頑張って登りました


どのぐらい立ったのでしょうか・・・


遂に、頂上が見えました


ピノーは最後の力を振り絞り

登り切りました



岩山の頂上は、とても広く花まで咲いていて・・・まるで天国のようでした


そんな中に、魔女の家がありました

やっと会える

そう思ってピノーはボロボロの体を動かし

家の中へと入りました

しかし・・・・



そこには人影がなく・・・

埃まみれの家具がおいてあるだけでした


そんなテーブルの上に

ところどころぼやけた、魔女の日記のようなものがありました

ピノーはそれを見てみることにしました


すると日記には・・・


『どうやら、私の命はもうすぐ終わるみたいだ・・・。魔女とは言えど、寿命はある・・・決して人には永遠はないんだ・・・。それは、この世の全てのものに言える事・・・永遠なんてものはない・・・。私は命を与えたり、人形を人にすることは出来たけど・・・永遠の命なんてものは作れない・・・。もし・・・この日記を見たものは残念だね・・・。きっと私はこの世にはいないだろうね・・・。』


魔女は・・・すでに亡くなっていました


ピノー「・・・そんな・・・折角ココまで来たのに・・・」

ピノー「・・・本当に・・・永遠はないみたいだね・・・僕人形なのに・・・もうダメみたい・・・眠くなってきちゃった・・・手足はボロボロで・・・ごめんねテディ・・・今・・・君のところへ行くから・・・2人で生まれ変わろう・・・」


そういうと・・・ピノーは眠るように倒れました・・・


こうして、テディとピノーの旅は終わりを迎えました・・・


でも・・・2人はきっと・・

こんどこそ人間になれるでしょう
そして・・・幸せな人生を送ることでしょう


優しい二人は、きっと優しい人間になれるでしょうから



・・・Fin


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