極楽招きネコのつぶやき

極楽招きネコのつぶやき

「ネコのももこの物語」6


No.51【またまた・・・ その1】

シマシマネコ・ももこも再び静かな生活に戻ってきたようです。時々は、思い出すのか、子供を呼ぶ声で鳴いていますが、探さなくなりました。

お隣のボスネコ・クロちゃんとももこは、本当に仲良しになりました。駐車場にいるときは、特に寄り添っているという訳では無いのですが、近くにいます。すぐ、そばで日向ぼっこしながらお昼寝をしていました。

クロちゃんが”お散歩”に出る時は、なんだか
「一緒に行こう!」
と誘うように振り返りながら、1歩1歩あるいていきます。少しすると、
「じゃぁ、一緒に行くから・・」
と言うようにももこが走って後ろを付いて行く光景を何度か見ました。・・・デート?かな?

ほほえましいなぁ。こんな平和な日がずっと続くといいのにね。

そんなある日、ももこの体型に・・・・またまた疑惑が・・・・
出来ちゃった?また、赤ちゃん?
そんなぁ!こんなに次々に赤ちゃんを生むの?年に4回って本当なのね。
気のせいであってほしいと思いました。少し、お腹がたるんで太っただけ!
で、あった欲しかったのです。ももこの不妊手術を考えていたのですが、また出来ちゃったら、先送りですよね。

本当に妊娠なら、また里親探し・・・・・これは、大変だぁ・・・
2006-02-28
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≪ソラとユメに「兄弟」がいた?≫
No.52【またまた・・・ その2】

シマシマにゃんこ・ももこに、また赤ちゃんが出来たのは間違いないらしい。今度は、2度目なので両親もご近所さんも気づくのが早かったのです。
まさか、こんなにすぐに出来ちゃうなんて思いませんでした。

これは、マジで不妊手術を考えなければ・・・・そんなに、そんなに子猫の里親は探せません。
手術の後は、どこか室内でなければ・・・・
捕まえられるかしら?・・・・
などと言っている場合では無いのかもしれません。だけど、出来ちゃったのだから、この赤ちゃんを無事に産んでからですよね。いくらなんでも、お腹の子猫はいりませんから、手術をしてください。なんて、そんな殺生な事は出来ません。今度生まれてくる子猫ちゃんの里親探し、また、がんばらねば。

やっぱり、また、お隣クロちゃんの子供かしら。ラブラブだったからなぁ。
クロちゃんは、ももこをちゃんと守ってくれているけど、子供は・・・・複雑な気持ち。

子猫の里親さん探し。みぃ~んなに断れたばかりだものね。なんだか憂鬱。

ももこの子供、ソラちゃんとユメちゃん。元気に育ってました。
でも、ソラちゃん、ユメちゃんに会いに妹の家へ行った両親が驚きの事実を知りました。
2匹のチビネコくらいの大きさの、小さい子犬がいたのだそうです。シーズーの赤ちゃんでした。ペットショップから買ったのだそうです。

「いいの!タダで、もらってくるならかまわないの!”買う”なら別だけど。」
と言った妹の言葉の意味がわかりました。そうだったのか、子犬を”買う”事だったのか。どうやら、ダンナはペットはもらってくるものと思ってたらしい。

でも、子犬をペットショップから買う事が決まっていたらしいのに、電話をした時、すぐに子猫を引き取ってくれたのですね。なんだか、申し訳なかったなぁ。子犬の事情は知らなかったので。
しかも、子犬の名前を「モモコ」と決めていたようなのです。ソラとユメのお母さんの名前がももこと知って、名前を「ピーチ」に変えたそうです。
重ね重ねごめんなさい。・・・ですね。

ソラもユメもピーチも仲良く元気らしい、よかった。
2006-03-01
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≪嵐の夜に・・・ももこは≫
No.53【またまた・・・ その3】

やっぱり・・・シマシマニャンコ・ももこのお腹がが目だってくると、追い払われる。前回と同じなのですね。
「ももちゃん、おいで!」
と声をかけてくれていた人達も、子供を生むとわかると、「こっちへ来るな!」と言う態度に変わる。子猫は可愛いと言いながら自分の家の近くで子猫が生まれるのは困る。なんだか、勝手だなぁ。

里親探し・・・・どうしよ・・・
などと言いながらもダラダラと時は過ぎてしまい、ももこのお腹も大きくなっていきました。今回も無事に生まれるのでしょうね。前回と違いあまり心配はしませんでした。

心配はしていないと言っても、梅雨の時期のシトシト雨。こんな日が続いたら、ネコといえども体調に悪いのかしら・・・・と気になったりしました。

あまり台風の被害の無い地域ですが、その時は、珍しく台風が接近していました。やっぱり、ももこが気になりました。
最近、ももこは夜、発砲スチロール製の「家」に寝ています。もともとは、お隣ネコ・クロちゃんのためにつくった「家」でしたが、ももこの寝床になっていました。
「あの「家」なら、このくらいの台風は大丈夫だよ。濡れないし暖かいんだし。」
そう言う父の言葉を信じる事にしました。なんたって、あの「家」の設計・施工は父ですから。

翌朝は、台風一過。少し風が強いけど青空でした。朝、家を出て行く時に、私は、『異変』に気付いていませんでした。

嵐の夜に、ももこは大変だったのです・・・
2006-03-02
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≪子猫誕生≫
No.54【またまた・・・ その4】

夕方、帰宅すると待ち構えていたように、母が出て来ました。

「ももこが、赤ちゃんを生んだよ。」

えぇぇぇぇぇぇ、シマシマニャンコのももこが子供を生んだの?今日?どこで?何匹?
かなりお腹が大きかったのだから、生まれても不思議では無いのですが、やっぱり驚きます。

どうやら、夕べ、台風で風雨が強いなか、あの発砲スチロールの家で子猫をうんだらしいのです。
あらららららぁぁ・・・・・大変だったね。台風の晩に・・・大丈夫だったのだろうか。

でも、ももこは普通にご飯をねだって足元にスリスリと擦り寄ってきました。無事、元気らしい。
近寄ったり、のぞいたりしちゃダメと思い母も見ていないのだそうです。
ももこがカリカリを食べているので、ちょっと離れた場所から、そぉぉぉぉっとのぞいて見ました。
いました!奥の方に小さいまるい物体が。黒と茶に見えました。どうやら2匹のようでした。ももこも、敏感になっているだろうから、これ以上近づくのはやめました。

赤ちゃん達は、あの”家”で大丈夫かな?雨にも風にもあたらないから、いいのかな。発泡スチロールだから暖かそうだしね。

でも、この後、大変な大移動が待ち構えていたのです。

赤ちゃん、元気に育ってね。でも、これから、どうしよう・・・・
2006-03-03
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≪カラスの襲撃?!≫
No.55【2度目の子供達 その1】

にゃんこ・ももこが子猫を生んだ翌日も晴れの良いお天気でした。
あの、「発泡スチロールの家」に赤ちゃんネコがいて大丈夫かな?
お隣のボスネコ・クロちゃんが、気にするかな?当分様子をみましょうか・・・・
ももこも、いたって元気なようだし。

その日の夕方帰宅して、真っ先に玄関前から少し離れた「家」の中を覗いて見ました。
??あれ??いない???ももこも赤ちゃんもいない。どうしちゃったのかしら?
玄関のドアを開けて母に聞きました。すぐに、母は外へ出てきて今日の「大事件」を話してくれました。

お天気のセイでも無いのだろうが、カラスが家の近くを飛び回ってカァカァうるさかったのだそうです。
そして、ももこと赤ちゃんのいる「家」に向かって降りてきたのだそうです。
カラスはももこと赤ちゃんを襲ったのでしょうか?
横に入り口がある「家」なので、上が開いている箱型では無いので直接カラスに赤ちゃんが襲われたのでは無いのですが。でも、母は、ももこは危なかったと言います。

そのあと、パニックになったももこは、赤ちゃんをくわえて右往左往したそうです。あまりのパニック状態だったので、このまま、赤ちゃんをどうかしちゃうのではないかと心配したそうです。
家の裏手のフェンスのそばの草が生い茂っている中にももこは赤ちゃんと隠れているそうです。見ると、ちょっと背の高い硬そうな草にもたれるように、私の傘が開いて置いてあります。

あの下?そぉ~っと近づいて行ったら、いました!ももこと赤ちゃん。
茂った草の上で2匹の赤ちゃんを大事に抱いていました。また、カラスが来たら危ないとももこに傘をさしてあげたのだそうです。

こんな所で、赤ちゃんは大丈夫かしら。赤ちゃん、かわいそうだよ。
赤ちゃんを「家」に戻したのですが、すぐにくわえて傘の下へ行ってしまいました。今、ももこは傘の下が安全と思っているのだから、そのままにしておいた方がいいらしい。
赤ちゃんが冷えてしまわないかな?と、ちょっと心配だけど。
傘の下に、ももこの晩御飯をもっていってあげました。

もぉ・・・カラスのバカ者!!
2006-03-05
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≪突然の大雨!!≫
No.56【2度目の子供達 その2】

シマシマニャンコ・ももこの赤ちゃん達の2度目の夜がやってきました。今日は、「発泡スチロールの家」では、ありません。傘の下です。

この2日間、よいお天気だったのに日が暮れてから、突然スコールのような大雨が振り出しました。凄い雨音に驚いて外を見ました。こういう雨は、すぐに止むと思いますが、ももこと赤ちゃん達が心配です。今は、「家」ではなく「外」にいるハズです。

傘をさして、懐中電灯を持って「ももこの傘」の所へ行って見ました。
いました!無事のようです。傘があるので、直接雨があてってはいませんでしたが、大粒の雨で、あたり一面洪水のように急速に水が溜まっていきます。ももこと赤ちゃん達の所も、水浸しになりそうでした。

何とかしないと!生まれて2日目の赤ちゃんだもの。こんな雨に濡れたら死んじゃうかもしれない!

でも、ももこは「発泡スチロールの家」でカラスに襲われたので、「家」に入ろうとしません。発泡スチロールも怖いようでした。
親子を濡らさないために、どうしよう?

物置で少し考えて見ましたが、段ポールの箱じゃ濡れちゃうし・・・・
やっぱり発泡スチロール。小さくてちょうどよさそうな発砲スチロールの箱がありました。
タオルを広げて敷いて、コレは発泡スチロールじゃ無いよ・・・と言う雰囲気にしてももこの所へ持って行きました。もう、地面は濡れていました。
赤ちゃん2匹を箱の中へ入れて、ももこも入れました。

発泡スチロールが怖いなんて言わないで、朝までここで寝ていてね。
お願いだから・・・・
2006-03-06
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≪発泡スチロール怖い?!≫
No.57【2度目の子供達 その3】

雨が小降りになってきた頃に、外から「ニャァァァァァァ」と小さいネコの鳴き声が聞こえました。

ももこ?もここの声?

でも、ももこがいる場所とは違います。まったく違う方向から聞こえました。窓の方から聞こえたように感じました。
雨は小降りになったけど、やっぱり子猫達も気になるのでもう一度外へ出てみる事にしました。

懐中電灯を持って「ももこの傘」の所へ行ってみると傘の下の発泡スチロールの箱はもぬけの殻でした。ももこも赤ちゃん達もいませんでした。近くにも姿はありませんでした。

やっぱり窓の下?両親はネコの鳴き声は聞こえなかったと言いますが、確かに窓から聞こえたのです。行ってみました。
窓の近く、家とプレハブの部屋の狭い隙間に何かが光りました。
懐中電灯に照らされたのは、ももこの目でした。
近づいたら赤ちゃんたちも居ました。

ここなら、傘の下より良いかも。雨にあたらないし、地面も濡れていないし。でも、見ると赤ちゃん達は土の地面に転がっていました。乾いた土とはいえ、赤ちゃん大丈夫?
ももこの傘と発泡スチロールの箱を持ってきて、また赤ちゃんとももこを箱の中へいれて、手前に隠すように傘を置いてきました。もう、雨は止みましたが、赤ちゃん達を隠したいのかな?と思いました。

今度こそ、このまま朝まで居てね・・・・・

翌朝、朝には確かにももこ親子は居ました。でも、箱からは出ていました。やっぱり発泡スチロールが怖いのでしょうか・・・

ずっとここへ居てくれるのかと思いましたが、その日いつの間にか、いなくなっていました。
2006-03-07
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≪放浪の始まり≫
No.58【2度目の子供達 その4】

家の軒先の隙間から姿を消したシマシマネコももこ親子。移動した先は、カラスから逃げたフェンス脇の草むらでした。同じ場所で、子猫を抱いていました。短い草が茂っていて、子猫達には草のじゅうたんかな。その場所は細長い背の少し高い草がある場所で、茂った草の間に身を隠しているようでした。

あの、発泡スチロールの家の方が良いと思うんだけどなぁ。
ももこには、ここが今一番「安全」な場所なのかな。カラスはいないようだけど、少しでも身をかくせるかと、また傘を上にさしてあげました。
この傘は、私が今までに買った傘の中で一番高価だった傘です。ちょっともったい無いけど・・・・コンビニのビニール傘じゃ、隠れられないしね。

産毛ぽやぽやの小さいチビ達は、茶と黒のシマシマ柄でした。なんだか、キレイに色違いのネコちゃんだね。

翌日も、ももこ親子はこの場所にいました。
でも、『事件』が起こりました。
夕方、少し日が暮れて暗くなりかけた頃、ももこが異常な鳴き方をして走り回っていました。

何?!どうした?!

急いで外へ出て見ました。ももこは、鳴きながらすぐに駆け寄ってきて足元へ擦り寄ってきます。落ち着き無く鳴きながら右往左往します。
カラスもいないし、何?
原因はすぐに判明しました。チビが1匹いないにです。クロシマちゃんの姿がありません。近くの草むらを探したけどいません。まだ、歩けない様子の子猫がどこかへ行くハズがありません。
野良猫?カラス?どこへ行ったチビ!

母と、チビを探しました。ももこも後を付いてきます。
まもなく、チビは見つかりました。お隣にいました。子猫を見つけたお隣の姉妹がチビを1匹連れていったのでした。
無事、チビを傘の下へ戻しましたが、この場所も、ももこにとって安全でな無くなってしまいました。

翌日、また、ももこは傘の下から姿を消しました。
2006-03-08
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≪茶トラちゃん、黒トラちゃん≫
No.59【2度目の子供達 その5】

ニャンコももこが傘の下から姿を消したと言っても、どこか遠くへ行ってしまったのでは、ありませんでした。
今までどおり、毎日家の近くをウロウロしていました。毎日、朝と夕方は決まった時間にカリカリを食べに来ました。きっと、近い所に子猫を隠しているのでしょう。でも、ももこが安心できるように探しませんでした。

父は、「敵」から子供を守るために居場所を転々とすると言います。ももこも、そんな行動をとっているようでした。ももこが「気にする場所」は数日ごとに変わっていました。家の裏手の物陰やフェンス脇の草むらやお向かいの家と塀の間だったりしました。きっと、その近くに子猫がいるのでしょうね。

前回の子猫、ユメとソラの時と同様に、母が洗濯を干している時に子猫を1匹連れてきて見せてくれました。
いつの間にか、「茶トラちゃん」と「黒トラちゃん」と言う名前になっていました。本当に、この子猫ちゃんは「色違い」でした。背中もシッポもお腹も見比べると同じに見えました。ももこがグレーなので3色のシマシマねこちゃんでした。

ももこは、前回のユメちゃんソラちゃんの時よりも、たくさん子猫を私達に見せてくれました。
手のひらにすっぽりと入ってしまう程、小さい子猫ちゃん達でしたが、確実に育っていました。

可愛いとばかり言っている訳にもいきません。里親を探さなければ・・・・
今度もまた、会う人に子猫を飼わない?と話してみました。やっぱり、答えは同じ・・・・でも、1つ別の方法を聞きました。
子猫や子犬は、言葉で聞くより本物を見ちゃった方が引き取ってくれるかも・・・・
そうだね。うちのラッキーもまだ赤ちゃんの時に見て、この可愛い子猫を「処分」すると聞いて、しのびなくって引き取ってきたんだった。

だけど、見せる?どうやって?
1つ、思いついた方法は、携帯メール。アドレスを知っている人に子猫の写真を送る事でした。そして里親探しの協力をお願いする事でした。
とびきり可愛い子猫写真と思ったのですが、なかなか上手くはいきませんでした。でも、メールを受け取ってくれた人の中には、画像をみんなに見せて里親探しを手伝ってくれた人も何人かいます。

ネコ好きさん、だれか引き取ってくれないかなぁ。
2006-03-09
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≪雷の時≫
No.60【2度目の子供達 その6】

ももこの赤ちゃん達は、「新生児」から「赤ちゃん」っぽくなってきました。だんだんとポヤッとした産毛でかわいい子猫になってきました。

夏の日差しが強くなってきたそんなある日、突然暗くなってゴロゴロ・・・・雷です。夏の入道雲と言うより真っ黒な積乱雲がモクモク。
これは、降る!
と母が干していた洗濯物を急いで取り込んでいたら、ももこが子猫をくわえて走って来たのだそうです。

ダメだよ!ももこ!今、忙しいんだから!

でも、ももこは、母に子猫を見せに来たのでは無いようでした。子猫をくわえたままウロウロ。母が洗濯物を取り込んでいる間に姿が見えなくなったのです。
いよいよ雷鳴が強くなった時、外を見ると物置の隣の藤の木の根元にももこはうずくまっていました。

??雷なのに、ももこは、あそこで何してる??

雨が降り出した時、ももこが少し動いて分かりました。お腹の下に子猫を2匹隠していたのです。雷が鳴り出して、ももこは子猫を非難させてきたのでしょう。うっそうを葉を茂らせている藤の木です。少しの雨なら大丈夫でしょうが、この雷雨では雨宿りにはなりません。藤の木の下でも雨の雫はボタボタと落ち始めました。

じっと動かず、子供を守っているももこの姿を見て、このままでは・・・
と、また、私の青い傘をさしてあげたのだそうです。
雷が止むまでなのだから、玄関か物置に入れてあげれば良かったのに。と思いましたが、その時、ももこはびしょびしょに濡れなが、その場所を動かなかったのだそうです。
今の、ももこには、ここが一番安全なのかな?
あの「発泡スチロールの家」に非難してくれれば一番いいと思うんだけどなぁ。まだまだ、発泡スチロールが怖いのかなぁ。

この時から、ももこ一家はこの藤の木の下、青い傘の下に居ついてしまいました。
木陰で南国リゾート気分かな?
2006-03-10
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