マイプライベートBL

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さよならを言う気はない

さよならを言う気はない
著者名:英田サキ
出版社:大洋図書 シャイノベルス

さよならを言う気はない

内容:
元刑事、今探偵・陣内拓朗×ヤクザ・天海泰雅。強気受け。
いろいろな依頼を寄こす泰雅に陣内は逆らえない。泰雅がヤクザだからではない。泰雅の背負う過去。そこに関わってしまった陣内には、彼に対する負い目のようなものを感じていた。しかし、本当の気持ちは・・?

感想:
英田さんにクィーンオブBLヤクザなどという称号があったらプレゼントしたい。

英田さんのデビュー作はプラチナ文庫のコメディタッチなお話だった。当時、その本を手にした私はすごく疑問を感じた。「らしくない・・・」
彼女の本を熟読していたわけではないし、単にJUNEで読んでいただけだったけど、いつもシリアスでしかもヤクザものが多いように思っていたので、コメディはオドロキだったのを記憶している。

この作品。ヤクザもので少々コメディが入ってる。勿論、英田さんの持ち味である「切ない」も含まれているけど。

強気で饒舌で守銭奴でヤクザ。受け男・29歳泰雅のイメージは虚構であると思う。自分で作った虚構に彼自身がピタリとはまり込んで、それで精神的に強くなったのだろう。弱い17歳の泰雅が本当の彼の姿だろうから。

この2人の距離感というものがなかなかいいのだ。それぞれに負い目がある。陣内は、父親殺しをするまで追いつめられた泰雅を救えなかったこと、泰雅は自分がヤクザであること。だけど泰雅の強気な態度が、そんな過去を否定して破天荒ともいうべき言動になってるのがなんともいえない心境にさせられた。

その距離感。わりと最後まで続く。
初エッチ後の会話で「二度とやらねえよ」と言った陣内に軽口を返せなかった泰雅。「いいよ」という。泰雅の了承の言葉の裏には諦めがあるんだもん。切ない。でも、そのまま終わりでなくてよかったけどね。
陣内が一歩踏み出してくれた。それで2人の微妙な間合いは縮まった。

それから陣内という男をリアルに感じられるエピソードなど盛り込んであるのが好ましい。何かというと、バイク。陣内は若い頃からバイクに乗っているようだ。新車に乗り換えてるらしいが、そのこだわり方に、陣内という男の性格が見て取れる気がする。
それとか入墨のシーン。彫政の気負いのない彫師としての執念。
こういう小さなエピソードを随所に入れてくれるだけで、「あ~BLだわ」から「BLだけどリアルだなぁ」という感想に変わる。本当は全然リアルでもなんでもないんだけど、そんな気がしてくる。

この作品、第2弾があったらいいな、と思った。この2人の続きが読みたい。
葉書でも書こうかな。


評価:B
エッチ度  ☆☆☆☆★
感動度   ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆☆☆☆★


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