マイプライベートBL

マイプライベートBL

英田サキ

英田サキ

書籍名: NGだらけの恋なんて
出版社:プラチナ文庫
NGだらけの恋なんて
英田さんは確かJUNEでよく掲載されてた作家さんだったよな。おまけにたいていの作品がシリアス調だったっと思うんだけど、「NGだらけ~」はコメディタッチです。

内容:
苦節6年の売れない役者の木津周平は連ドラの主役抜擢のチャンスをつかむ。連ドラの原作者は漫画家・矢部タカオ。彼は木津の同級生だった。矢部は木津の主役抜擢の条件として、黙って服従をつきつける。どうしても役が欲しかった木津はその条件をのむが、セクハラの果てに恥ずかしいかっこうでおねだりをさせられた挙句、受け入れさせされる。おまけに撮影中は矢部の自宅に同居。顔もスタイルもモデルのようにかっこいい矢部は喋ると下品でオレ様調。そんな矢部に最初は反感を感じながらも、木津は惹かれはじめる。

感想:
すいすいと読めました。笑えるか、と言われれば、うーん、笑うほど面白くはなかったような・・・JUNE掲載の時も文書くのうまいなーって思ってたのですが、今回も木津が矢部に心惹かれる過程は突然感もなく、自然でよかったです。あと、矢部というキャラが可笑しいなと思えたのは、木津がエッチを拒否したとき、木津の裸を見ながら1人エッチに励むというシーン。
初めての文庫で、頑張ってるって感じが伝わってくる作品です。

評価:C
エッチ度  ☆☆☆☆★
感動度   ★★★★★
ワクワク度 ☆☆☆★★

書籍名: 君のために泣こう
出版社:大洋図書 シャイノベルズ
君のために泣こう
内容:
静一は父を亡くした。母も子供の頃早世している。残されたのは自分と、血の繋がりのない離れて暮らす弟だけ。6歳年下の亮介は母が死んでからずっと静一とは離れて暮らしている。その亮介が家に帰った来た。男らしく育った亮介に心ざわめく静一。ある日飲みに行った先で亮一がバイトをしていた。連れの男はその日あったばかりの見知らぬ男。静一は完全に酔っ払ってしまい、その男と亮一のバイト先から出る。行った先はラブホだった。そこへ亮一が現れ、亮一は男から静一を奪い、介抱してくれる。その時静一は亮一の本心を知る。

感想:
実は私、兄弟ものは好きではありません。でもこの作品は兄弟とはいえ血が繋がっていないのだからいいかも、と思い買いました。英田さんに頑張ってほしいなと思ったし。でも、正直、心にグッと来るものがなかったんですよね。

たとえ兄弟ものでも禁忌を乗り越えるだけの相手を想う情熱とか、それとは相反する拒絶とか、もんどりうつような切なさとか、それがあればいいのです、私。(ご飯にふりかけがあればなんぼでもいけるって言ってるみたい・・・)
亮一に愛される喜びと、兄弟で束縛しあう恐怖を同時に感じて結局離れる決心をする静一、だけどやっぱり忘れられなくて亮一のバイト先で待ち続ける静一。確かに山あり谷ありだけど、通り一遍とでもいいましょうか、読んでても私は全く苦しくない。題名通り主人公の静一はよく泣くのだけど、26歳にして男がこんなに泣くかな、私は1人では泣いたけど人前では泣かなかったぞ、とか、そんなことばかり思ってしまいました。

もっと藍子という亮一の彼女や松木、武井でもいい、誰かを2人の更なる障害にしたてあげ、お互いに手に入れたいのにそうできないジレンマとか、そういった感情を入れ込めば本の中に引き込まれやすかったのかも。
そう、本の中から見えない手が出てきて主人公の中に私が引きずり込まれちゃう感覚、それが欲しいんです。
英田さん、文はかなり上手いと思います。次、期待!!

評価:C
エッチ度  ☆★★★★
感動度   ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆★★★★


書籍名: 今宵、天使と杯を
出版社:クリスタル文庫
今宵、天使と杯を
内容:
柚木成彦(35)は窓際リーマン。おまけにアル中。飲みすぎた朝、起きたら隣には天使の彫り物を背負った男がいた。どう見てもヤクザ。おまけに「昨日はよかったな」というセリフ。柚木には覚えがない。しかし体はその兆候が残っている。ヤクザは四方隆史(27)といった。四方が言うには、柚木は泥酔中に、「2週間付き合う」と約束したらしい。半強制的に始まった2人の関係。その間に柚木は、妻に離婚され、会社にはリストラされる。おまけにヤクザとのごたごたに巻き込まれ・・・
四方のルーツを知り、柚木はその男を嫌いにはなれなかった。

感想:
最初はめちゃ面白そうだ、と思いながら読んだ。
ソフトアル中のリーマン×純情一直線ヤクザ。強制されて始まり、嫌だと思いながらも流され、惚れていく。前半3分の1まではすごく面白かったけど、それからがウムムム。コメディタッチかと思ってたらそうではないし、バリシリアスかと言われればそうでもないし。シリアス度は高いが。

途中から2番煎じ的な色合いを感じてそれを拭いきれなかった。
樹生かなめ「DRは龍に乗る」江国香織「きらきらひかる」榎田尤利「神様に言っとけ」愁堂れな「淫らな罠に堕とされて」、これらの作品のスパイスをチョイチョイと乗せて創られたような感じ。

いや、いつもの私だったら、そういったお話でも一向にかまわない。このお話が好きだという気持ちが上回ればいいのだから。
このお話も、文章はすごく上手いし、四方は魅力的だ。天使の刺青もいい。
でも、強烈に惹きつける何かが足りない。いや、このお話が好きな人もいらっしゃるはずだから、それはその人の感じ方なので、ファンには申し訳ないけど。
私にはパワー不足でそれが物足りなさとなって感ぜられ、2番煎じの域を脱することが出来なかったのだ。

ただ、牧師さんのお話はよかった。粋なはからいで結婚の誓いの言葉まで口にする柚木。そのシーンは胸にジーンとした。

評価:C
エッチ度  ☆☆☆★★
感動度   ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆★★★★

書籍名: エス
出版社:大洋図書 シャイノベルズ
エス
内容:
椎葉昌紀は警視庁組織犯罪対策第5課に属し主に銃器類押収のための情報活動を行なっている。暴力団等に属する人間をスパイ通称エスとして取り込み、彼らと連絡を取りながら不法な銃器類の流通の情報を得る。椎葉のエスである安東は信頼の出来る男だった。
ある日椎葉の元に知らない男からの電話が入る。「安東に気をつけろ」安東への猜疑が生まれる。しかし、その言葉のもつ本当の意味は別にあった。

感想:
すごい世界観だ。その世界のリアルな住人が読んだら「なんじゃぁ?」って思うかもしれないけど、何も知らない私が読むと、椎葉のような男が存在するんじゃないかと思うくらいリアルだった。
純粋に拳銃を憎む気持ち、組織に群れず一人でもやってやる気持ち。周囲への猜疑心とか、とにかく椎葉という主人公の孤独とそれに気付かない彼が切なかった。

椎葉に「安東に気をつけろ」と言ったのは宗近奎吾なのだが、この男、一筋縄ではいかない。読者心理だと中盤あたりで一度エッチしてもいいんじゃないかと思えるシチュエーションになるのだけど、彼は椎葉に一人エッチを強要する。手を出してくれれば、それはそれで面白い展開だけど、出さないから宗近の世界が確立した。宗近は椎葉にとっても読者にとっても思い通りにならない男だ。そこがいいな。

椎葉の職業がかなり特殊なので、その説明にかなりのページ数を要し、前半はけっこう難しかった。安直にサラ~っと読もうと思える内容ではない。だから途中までは一般書籍となんら変わらない展開だった。ちょっとゲイテイストありよ、という感じ。そういう雰囲気とか、ダークな感じは私は好きなので、お話にはとっても興味が持てた。
BL展開になっていったのは、椎葉がエス協力依頼をするために宗近のマンションに乗り込み、彼のものを咥えるあたりからだと思うのだけど、どうかな。
最終的に宗近は椎葉のエスになるけど、それは2人が心惹かれあう気持ちとリンクしている。そこまでの気持ちの変化が、わかるように書いてあるんだけど、私には今一つピンとこなかったんだな。それが残念だ。
薬を使われた椎葉が積極的に宗近を求めるところなどは、私の気持ちがついていかず、けっこういきなりな心の変化に見えた。ま、宗近は彼の中で気になる存在、という立場だったので展開にはまずいところはないのだけどね。

絵が、これまたいいのです。イメージ通り。奈良千春さん。「龍の恋、DRの愛」の人ですね。繊細で大人な絵が好みです。

評価:B
エッチ度  ☆☆☆★★
感動度   ☆☆☆☆★
ワクワク度 ☆☆☆☆★

書籍名:  エス咬痕(かみあと)
著者名:英田サキ
出版社:大洋図書 シャイノベルズ
 エス咬痕(かみあと)
内容:
椎葉昌紀は警視庁組織犯罪対策第5課に属し、スパイ通称エスを利用して主に銃器類押収のための情報活動を行なっている。椎葉のエスはフロント企業社長で実はヤクザの宗近奎吾。エスとしての宗近は優秀だが、報酬も大きい。椎葉の体。エスには真摯でありたい椎葉は宗近との関係を葛藤しながらも続けていた。
椎葉の先輩刑事である永倉が潜入捜査の一環としてヤクザとしての杯を受けた。そのために椎葉は永倉のエスである小鳥遊(たかなし)との連絡役を任される。小鳥遊は永倉が潜入捜査を行なっている組長の男妾だった。永倉と小鳥遊の奇妙なエスとしての関係。それを見ながら、椎葉は自分が気付かないでいる感情から逃避していた。
そんなとき、永倉の捜査先の組長が殺害される。その捜査線上に浮かんだのは・・・・

感想:
シャイノベルスはそんなに分厚い本じゃない。でも書いてある内容はヘビーで切なかった。

椎葉の感情は複雑である。警察を憎みながらも刑事であるスタンスを崩さない。永倉を軽蔑しながらも、彼の本当の気持ちへ憐憫の情。それと相まって、一番切ないこと。エスを愛することは出来ないという誓い。エスを愛することは、永倉に象徴されるように、自分とエスの破滅に繋がるから。
本当は愛しあってるんだ。だから宗近は椎葉をひどく扱って遠ざけようとし、椎葉は自分の気持ちに蓋をしようとしていた。
でも最終的に2人はエス関係であることを選んだ。
とっても切ない。
愛し合ってるのに愛し合えない。
肉体関係はあるのに、心を欲しがれない。心はあるのかもしれないけど、常に冷静になって現状況を洞察するだけの冷静さを失ってはならない関係。
何故にそこまでエス工作にこだわるのか。銃器撲滅を目指す別の方法を考えられないのか。

一番心が軋んだのは、自分に危機が迫るかもしれないのに椎葉の工作に手を貸した宗近の行動だろう。佐上との食事会。永倉の、ひいては椎葉の情報が宗近の首を絞めることにもつながると、椎葉はかなり最後になって4課の浅川から聞く。
次回作があるらしい。英田さんは宗近を活躍させたいと書いていた。でも・・・大丈夫よね?宗近はけっこう危機状態なんではないかと思うのだけど。しかも、椎葉は宗近を全身全霊かけて守ると誓った。それは宗近も同様のはず。次回作が非常に楽しみだけれど、とっても不安だ・・・

主題にある咬み痕は永倉が椎葉に残したものである。その傷を宗近は永倉だと理解しただろうか?亡き男の残したもの。

英田さん、素敵なお話書いてくれて感謝します。期待してます。


評価:A
エッチ度  ☆☆☆☆☆
感動度   ☆☆☆☆★
ワクワク度 ☆☆☆☆☆

書籍名: エス裂罅
出版社:大洋図書 シャイノベルス

エス裂罅

内容:
ヤクザ・宗近奎吾×刑事・椎葉昌紀。
密造銃を追う椎葉。クロと五堂とのの出会い。ピアスを穿たれ、五堂の前で宗近に抱かれる椎葉。限界を感じ宗近は別れの言葉を言い、椎葉は拒絶する。
宗近は狙撃され、監察官に追われる身となる椎葉は自分が本当にやりたいことを見い出す。

感想:
『エス』(1巻)の自分の感想を読んだら、穴に入りたい気分になった。
何なんだ?私の稚拙な感想は!この作品の本質を見抜いてなかった自分に呆れた。おまけに評価がB。
あの文章力構成力。全てに必然性があるのだ。BLというジャンルなのだから椎葉は男で当たり前、そんな必然性ではなく、椎葉が刑事であることや東大出身であること、宗近がヤクザであること。それら全て、彼らが辿ってきた道なりに自然とそこにある。
これでBなどという評価を与えてしまった自分に落胆する。Bはありえない。A以上の作品だ。
ていうか、評価とかそんなもの、どうだっていいのだ。ま、自己満足だものね。(と、言い訳)

そして、今回のエス裂罅。
4巻が出るまで我慢しようと努力はしたのだけど、ダメだった。我慢できなかった。読んじゃった( ̄∇ ̄;) 。

序盤、何となく普通な感じで物語が始まる。
バーに行き酒を飲んで、拳銃についての情報を得て行動開始する椎葉。
このあと、彼が辿る泥沼のような葛藤や苦悩はまだ眠っている。
初登場のクロも、今どきの若者だった。唯一、異端な雰囲気を持っているのは五堂だけだった。彼だけは異質だった。

クロにピアッシングさせることを約束する椎葉。驚き。そんな簡単に・・・
彼は仕事のためだったら自分全てを犠牲にしてしまう。情報を得るためにしピアスをすることを厭わない椎葉は、心のどこかが壊れてるんだろう。椎葉にとっての仕事は、単に生きていくための糧ではない、という位置関係が見て取れる。宗近も心配でたまらないはずだわね。

クロは椎葉を地獄へと導く水先案内人である。ピアスも薬もクロの仕業であるけど、彼は単なる寂しん坊だと思う。それよりも五堂、この男、イっちゃてるよ。得体が知れない。淡々としたセリフに不気味さを感じた。今回はまだ普通に会話してるし、無茶な要求はするけど狂ってはいない。多分最終巻は、彼の本当の残虐さが見えるのだろう。

今回の山場は埠頭での逢瀬だろう。このシーンの椎葉の涙は切なかった、と英田さんも言ってるし。
私も切なくて泣けた。全てのシーンがキューンとした。
『潮時だろう』と言う宗近の言葉は、彼自身が潮時だというよりも、底を這いずってる椎葉の心が限界だと悟ったからだろう。椎葉は自分から決して最後通牒を渡さないはずだから。エッチシーンでのさりげない優しさに気付く椎葉。そこもまた読者である私も心が温まる。
言葉で「愛してる」といっぱい書いてる本よりも、深い愛情が理解できる。言葉なんかで表現しなくてもいいんだって思える。

「愛してる」と言葉にも態度にも出して言えない椎葉はさらにもっと切ない。言わせないのは自分自身の敷いた規律なのだから。そこまでして殉職する心を持つのは、彼のプライドの高さゆえなのだろう。椎葉は生きながら、心は2つに裂かれつづけている。正に裂罅という副題がピッタリ。

仕事辞めちまえぃ、と思う。でもそれでは椎葉ではない。
椎葉と宗近が心安らぐための画策を自分なりにいろいろ考えたけど、所詮私は一読者であって、次回を待つ状態なんだ、と折り合いをつけた。
全く私ってさ・・・はぁ。

最終巻への期待はものすごく大きい。
どんな終わりであれ、椎葉の心の枷が少しでもはずれることができたら、と思う。そして自由な心で心のままに宗近と共にある彼を見れたら、と思う。



評価:A
エッチ度  ☆☆☆☆☆
感動度   ☆☆☆☆☆
ワクワク度 ☆☆☆☆☆


書籍名: 愛しすぎる情熱
出版社:プランタン出版 プラチナ文庫
愛しすぎる情熱
内容:
幽霊屋敷に引っ越してきた男、夏目嘉葉は36歳で訳ありのようだった。端正な面差しと優雅な立ち振舞い。高津弘之は海に転落した夏目を救助したことがきっかけで8歳年上の男と親しくなる。料理など日常生活行動が不得手なのに、理知的な夏目にしだいに惹かれる高津は、意外な彼の過去を知る。

感想:
「エス」のおかげで、最近の私は英田中毒気味です。評価基本が「エス」になってしまった気がする・・・

28歳攻めと36歳受け物語です。
夏目は最初、明るい優雅なおじさんなんだけど、本当はバリバリ出来る男である。あっちの世界もバリバリだったそうな。そんな過去が信じられないくらい愛嬌のある36歳だなぁ。去年(平成16年)の税金支払いNo1に輝いたサリーマンと夏目のイメージがダブってしまった。
お仕事すきぃの私にとって、興味のある方は、証券アナリストの夏目だな。でも彼は、リフォームした幽霊屋敷の生活を選んでしまったので、残念。できれば黒崎(夏目の嫁の兄。元セフレ)と一緒に起業してほしかった。だけどそれではBL恋愛小説である本編とは正反対の展開になるわけで、英田さんの本望としないところだろう。

高津は天文台で働く外観はガテンな男です。天文も私、大好きなのだ。星を見て暮らす生活に憧れていたりする。でも今回は、星に関するお話が少なかったなぁ。英田さんなら○○星雲の新星○○が・・・などということまで書いてくれたかもしれない。でも星がメインの物語ではないし、仕方ないか。

2人の距離は小説後半になってもなかなか一定距離から縮まらない。かたくなな夏目の気持ちはわかるし、彼自身も気付いていたけど、高津を愛したいと思えば思うほど距離が離れていく。もどかしい夏目がちょっとじれったかったな。そこがこの物語の良さかもしれない。
でも、全体に、サラリと読んでしまった。心に引っ掛かるものはなかったのが残念。

評価:C
エッチ度  ☆☆☆★★
感動度   ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆☆☆★★

書籍名: 夜が蘇る
出版社:プランタン出版 プラチナ文庫

夜が蘇る

内容:
秋津芳人は元警察キャリアで、今は人捜し専門の探偵。過去、秋津はヤクザの情人であった。その情人が自分の腕の中で息絶え、空虚な日々を送っていた。
そんな秋津に探偵業の依頼が来る。警察には届けないでほしいというわけあり依頼を引き受け、それでもやっと対象者を探し当てたのだが、秋津の目の前で暴力団関係のような連中に拉致されてしまった。
ヤクザに頼みごとをするのはやぶさかではなかったが、秋津は探偵事務所に足しげく通ってくるヤクザの若頭・久我仁一郎に心当たりを尋ねる。その見返りに要求されたのは、久我の目の前で色事師に抱かれること。要求通り抱かれるが、途中、久我は色事師を蹴飛ばす。我慢ならない、と。秋津に惚れているらしい、と。
過去の記憶がいまだぬぐいきれない秋津は、久我の気持ちを受け入れることができない。しかし体は久我を求める。そんな自分に秋津はやりきれない気持ちを抱くのだった。

感想:
英田さん、ヤクザもの好きなんだなぁ。3作目だよね。
今回のヤクザ・久我は3枚目だった。爆笑はないけど、いい感じに面白い。過去の恋を振り切れない秋津の切ないお話なので、暗い感じをイメージしたけど、久我が登場するとそこはかとなく明るい。
私の嫌いな真珠も納得の展開だった。それがイヤだという秋津に一票。真珠に思い入れのある久我も、なんとなく理解できる。そしてさらにそれを取ってしまう久我がすっごくかわいい。男の純情の王道だなぁ。
ヤクザと純情は相反する事柄にも思える。だからこそ、一途とか純情の存在がクローズアップされるのだろう。

完結成就しなかった恋って引きずるんだよね。それを4年たっても克服できない秋津の気持ちはすごくよく理解できる。それを打ち崩す久我のパワーを期待したけど、純情と自分で言うとおり、彼の強引さはそれほどなかった。強引さを求めたのは秋津の方だった。
空虚を抱えてる秋津に必要なものは、過去に生きる自分を引き戻してくれる力だったので、私にとって久我の行動は少し物足りないような気もした。だけど、わりと心の機微に無頓着なようで思いやりのある久我は、実は洞察力に優れるのかも。それって理想的な情人だな。久我の、心の内面に入り込んでくるようでいて放っている、その距離感がいいな、と思った。

ユギさんの絵は、いいなー。

評価:C
エッチ度  ☆☆☆☆★
感動度   ☆☆☆☆★
ワクワク度 ☆☆☆★★

書籍名: 花嫁のピジョンブラッド
出版社:大洋図書 シャイノベルス

花嫁のピジョンブラッド

内容:
御園弘人は18歳にして天涯孤独になってしまった。もともと御園家に養子として迎え入れられ、養父と弟が事故死し、養母も半年前に病死。貧しい暮らしだったがしあわせだった。養母は資産家の娘で、祖父の反対を押し切り養父と駆け落ちしたのだ。死の間際、養母の遺言を胸に、弘人は養母の実子のふりをして養母の実家である藤ノ宮家に入った。そこで出会った男は、祖父の片腕である久遠喬。久遠は祖父に会いたいという弘人に協力する代わりに、様々な難題をおしつける。弘人の身元がバレて以降は、さらに加速し、体を強要された。養母の意向を伝えたい弘人は、久遠の言葉に従う。

感想:
涙もろい私は、本を読んで泣くことが再三ある。しかも人の生き死にに関することは切なくてたまらなくなる。この本、泣けてしかたなかった。天涯孤独になっても一生懸命生きようとする弘人に泣けるし、そんな孫を不器用に愛する祖父に泣けるし。
多分、中途からは泣きっぱなしだった。
お話としてはありふれてるといえばそれまでだけど、文章書くのがお上手だから気にならなかった。
久遠のムッツリなエッチに、「こいつすげー」って思ったけどね。プールでエッチ、メイドでエッチ。

弘人の最後のオチ。もしかして・・・という気持ちが読みはじめてしばらくたった頃から感じ始めたのだけど、やっぱそうだったのね、とわかったとき、ちょいガッカリした。
久遠が弘人をシンデレラと揶揄したけど、そうなっちゃうんだもん。しっくりこない。BL的にはこれでいいのかもしれないけどね。っつーか王道だろう。


評価:C
エッチ度  ☆☆☆☆☆
感動度   ☆☆☆☆★
ワクワク度 ☆☆★★★

書籍名: ひと目会ったら恋に花
出版社:白泉社 花丸文庫

ひと目会ったら恋に花

内容:
商社マンだった幸村匡樹は、会社の取引でトラブルを起こしレストランチェーン店の店長に出向させられた。住んでいたマンションは火事になり、金もなかった幸村は、友人の勧めで「桂花荘」に転居してきた。そこは近所でも噂のイケメン荘で、個性豊かなワケアリ男達が住んでいた。
中馬一成も桂花荘の住人で、昔ホスト、今は屋台でラーメン屋をしている。幸村は一成に、出会ってその日のうちに濃厚なキスをされた。驚いた幸村はなかったことにしたっかったのだが・・・

感想:
明るいお話でもなく、重くもなく、宙ぶらりんとしたお話だった。申し訳ないけど、幸村に萌えなくて、感情移入もできなくて、楽しめなかったです。一番気に入ったのは20歳の田口哲平くん。外見はものすごく可愛いのに、とび職なので格好がコテッコテのガテンということに興味あり。楡崎さんとラブしないかな、と少し期待したけど、何もなかったので残念だった。

攻めの一成は元ホストで、いい男ではあるけど、ゾクゾクしなかったのよね。視点が幸村だったからかなぁ、一成の魅力が見えなかった。普通、受け視点だとものすごく魅力的に見えるものなんだけど、「あ、すてき」と思える描写に出会えなかった。私が気付かなかっただけだと思うけど。

さっきも書いたけど幸村は、萌えなかったなぁ。バツイチだし、すれてないし、リーマンだったはずが店長だし・・・私の萌えポイントをはずしてるんだ。作家買いしたのがいけなかったかな。

人物の書き分けは十分だったので、登場人物の個性がつかめ、そこはよかったと思う。


評価:D
エッチ度  ☆★★★★
感動度   ☆☆★★★
ワクワク度 ☆★★★★




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