マイプライベートBL

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たけうちりうと 1

たけうちりうと

書籍名:セラヴィサイドストーリー 透過率45%
出版社:同人誌
感想:
大好きなたけうちりうとさんの作品の中でも私が最も好きな作品です。この作品を読んだ時、一週間は切なくてたまりませんでした。
その後『セラヴィ・メモワール』と改題されて文庫本 『セラヴィ・キッド』 に収録されていますが、加筆修正されている部分もあります。私個人は加筆修正されていない同人誌のほうが面白いと思います。
何がいいって、欅さんのキチク・非道ぶり。欅さんの孤独は、室生への屈折した執着とそこから脱せない迷走した愛情として表現されています。
何故、このような屈折した愛情しか持てないのかは不明です。でも何となく理解できる気もします。
本編『セラヴィ』で『今でも一番お前が好きだよ…』というセリフがあるのですが、この作品を読むことによってその言葉の切なさが理解できます。
ただ、この作品の室生と実際にセラヴィの主人公として動く室生にはかなりのギャップがあり、笑っちゃいます。

評価:A
エッチ度  ☆★★★★
感動度   ☆☆☆☆☆
ワクワク度 ☆☆☆★★

書籍名: 君の心に天使の輪
出版社:小学館パレット文庫
君の心に天使の輪
感想:
祁内(きない)シリーズというらしい。祁内という案内人とともに、オムバニヅム形式でミステリータッチに話は進みます。
まずは映像のダメだしを食らった新人カメラマン・正芳が、自分の犯した小さな過ちに気づき、そこから映像のヒントを掴むというお話。
次は、化学は天才だが、それ以外は全く無能な男・久信の世話をして、肉体関係まであった上司である修司が久信を裏切ろうとしたが、梅の木のお陰で道を誤らずにすむというお話。

生粋のBLを求める場合、この本は読めないでしょう。最初からなんともまあ、退屈な展開です。意味を理解するまでに時間もかかるし。話の内容も、夜中に読んだらちょっと不気味でした。でも、ラストはうなずけました。
特に後者は物語としても良いお話でした。久信の純粋さがいじらしくなりました。
ただ、やはり、BLを求めて読む本ではないです。エッチもありません。昔から読んでたJUNE作品と考えた場合、読めます。(BLとJUNEの差なんて知りませんが)それだとエッチなしもありなので。エッチがなくても読める本って、最近ないですよね。

評価:C
エッチ度  ★★★★★
感動度   ☆☆☆☆★
ワクワク度 ★★★★★

書籍名: 夢に囁く天使の声
出版社:小学館 パレット文庫
夢に囁く天使の声
感想:
『君の心に天使の輪』の第2弾です。単純に前回と比較した場合、私は今回よりも前回の本の方が好きです。前回は最後に涙が出ましたが、今回はそれほどでもなかったなー。
内容は安積(あさか)という32歳の刑事が、小林巡査とその双子の弟達のピンチを救うという物語です。物語を簡単に言うとそうなりますが、実際は他の事件で安積達は動いてるし、安積には安積で仕事のデキる女房との離婚話があって、また小林巡査と双子の弟達のピンチには安積の上司も物語にかかわってきます。祁内は安積と行動を共にし、安積を手伝いながら、疑問だらけの小林巡査のピンチを解決へ導きます。

今回のキャラの中で一番いいなと思ったのは、安積の妻・聡子かな。彼女の気持ち、何となくわかる気がします。親に可愛がられた記憶がない、でも親に孫の顔を見せたくて結婚した・・・安積はたんなる精子提供者?マドンナと同じかも。安積はそんな聡子の事情を理解し、彼女の孤独も理解しています。2人はずっと別居状態ではダメなのかな、離婚しなくてもいいのにな、って思いました。しかし聡子さんはアメリカへ行くようで別居ではダメな事情があるようでした。
これはBLかと言われ、そうでもあるしそうでもないし。うーん、よくわかりません。ただエッチは皆無です。切ない系の話です。シリアスサスペンス調で切なくてエッチなし好きの方には『君の心に天使の輪』と共におすすめです。

評価:C
エッチ度  ★★★★★
感動度   ☆☆☆★★
ワクワク度 ★★★★★

書籍名: なつかない男
出版社:ムービック ゲンキノベルズ
なつかない男
内容:
厚生省の役員である安里貴一は国会議員の笹川の命令で、不正疑惑のある文明村を訪れた。そこで不正の裏の仕掛け人である香住玄と出会う。玄はどこか父性の匂いがし、貴一は惹きつけられるものがあった。しかし素直にはなれない。貴一は笹川の私設秘書であり愛人であるのだ。今回、文明村を訪れた名目は不正調査だったが、笹川にとって本当の理由は別にあるのだった。

感想:
薄幸の美青年を飼い殺し、りうと先生お得意のシチュエーションです。36時間前に呼び出しされ、待って待って1時間の逢瀬。この回想シーンは胸が痛みました。そんなんだから笹川に利用されそうになるんだよ、貴一くん。
貴一はそれをわかってはいるんだけど、別れられないんですね。従順になってしまう。
玄も笹川にかつて手駒にされたことで官僚から文明村の住人へ成り下がった経験の持ち主です。笹川が見捨てようとした村で、玄は村おこしをし、不正でお金を稼ぐことによって笹川自身の不正を暴こうとします。その不正、そんなことって可能なのかな?それを考える玄も、実際に考えるりうと先生もすごいな。私だけが知らないだけかも。
お話にはのっけから子山羊、途中、ご飯猫が登場します。りうと先生の物語に動物は付き物ですね。ご飯猫、かわいかった。
ただ、本編はエッチナシです。キスのみ。後日談の『瀬をゆきて』はあり。私はナシでも楽しく読めました。
貴一と玄が互いに心を寄せていく過程が、切なかったり、面白かったりし、その心の動きがいい感じです。

評価:C
エッチ度  ☆☆★★★
感動度   ☆☆☆☆★
ワクワク度 ☆☆☆★★

書籍名: セラヴィ・ベイビー セラヴィ・キッド
出版社:クリスタル文庫

内容:
室生史記はゲームソフト会社であるディセトンの社長・欅董誠から青い箱を預かる。欅が2億という大枚をはたいて買ったその物体は、炭素を食するという。室生の部下兼セフレの中谷玲二は箱にセラヴィという名前をつけた。室生はPCを使ってセラヴィとコンタクトをとった。その結果、セラヴィは音声を認識し高電圧を発生させ、生物体の気持ちを理解すると言う。そしてセラヴィは室生のことを好きだと言う。
その後、欅がセラヴィを取り戻しに来たが、室生はそのまま箱をねこばばする。欅に襲われた室生を助けたのはセラヴィだったが、炭素不足で粉々に壊れてしまった。
室生はセラヴィが室生を好きになった経緯を玲二から聞く。セラヴィに会話の仕方を教えてくれた男の昔の恋人に室生が似ている、それが理由だった。その男が、擬態したセラヴィに最初に教えた言葉は『今でもお前が一番好きだよ・・・』だったという。
その時、粉々になってしまったセラヴィの破片から小さな青い箱を見つけた。言葉はめちゃくちゃで落ち着きがない。セラヴィからミニセラヴィが誕生してしまった。玲二を口説いた室生は2人でセラヴィを育て始める。 

感想:
なんとも不思議なお話なので、あらすじが簡単に書けない。
私の大好きな欅さんが初登場した作品です。最初、なんでこんなオレ様男、室生にこんな仕打ち?と思ったのです。そして玲二の方が最初は好きだった。でも、読み進めていくうちに、欅さんの屈折した愛情に気付き、『透過率45%』で決定的に好きになってしまった。
欅さんって、ほんと素直じゃない。素直に室生を口説けばいいのに、あんな複雑怪奇な独占をしてしまうから、鈍感室生に本当の気持ちが伝わらず、結局は手放さなければならなくなっちゃう。10年もの間、室生を世間から隔離してたんだもんな。室生もよく付き合ったもんだ。だからこそ、玲二の存在が大きいわけで、玲二にしっかりと鈍感でちょい天然の入った室生の世話をお願いしたいです。
チビセラもこれで初登場です。これから少しずつ成長します。チビセラにとって室生と玲二が両親で、欅は愛人です。
以後、いろいろな事件が起こり、それをチビセラと室生・玲二、そして欅で問題解決していく、というお話です。随所で欅の室生に対する愛情が推し量れるので、そこがツボです。しっかし、以下続刊がない!!これでどうも終了の様子。読みたいのに!!

評価:A(特大A)
エッチ度  ☆☆☆★★
感動度   ☆☆☆☆☆
ワクワク度 ☆☆☆☆☆

書籍名: ウスカバルドの末裔(前編)
出版社:講談社X文庫 ホワイトハート
ウスカバルドの末裔(前編)
この本、正確に言うとBLではないと思われます。ファンタジーな王宮物語です。

内容:
聡明王と云われるランキアの治める国・ドルメン。王宮の庭師を勤めるルグの息子、14歳のカノンは父の言いつけで王宮を訪れた。初の謁見でランキアに憧れるカノン。
ドルメンの王である証。それは、選ばれし者が父祖代々に伝わる武具に触れると、その武具に変化が現れる。ランキアが伝説の槍を持つと紅く染まり、その威力を発する。過去に、同じく剣・ナ・ノーグに触れると稲妻を発することの出来る女性がいた。フィアナ。彼女は昔、ランキアと共に戦った女性だったが、戦の終結と共に彼女は消えた。
カノンはそのフィアナが生んだ子供だった。フィアナが行方不明になる前に、カノンを友人だった育ての親に託したのだ。カノンは15歳になったとき、自分の真の生い立ちを知る。そして、ある事情から、カノンは王宮で暮らす羽目になってしまう。
そんな頃、王宮内で不穏な動きがあった。ランキアの王弟アリル、彼を利用しようとするブレス大臣。
アリルの兵士たちがランキアを襲う。剣を持つことに全く不慣れなカノンだったが、ナ・ノーグを持ち戦った。カノンに反応し、勝手に戦う剣。アリルの兵士から王を守ったカノンは安堵して、ランキアに抱きつくのだった。

感想:
長くなってしまった。
あらすじには出てこなかったけど、この他に、吟遊詩人のバルも謎だが重要な役どころのようです。いつも歌ってばかりで、カノンには意地悪だけど、アリルの動きをリークしたりしてカノンを助けます。水を扱うことの出来る人のようです。
こんな横文字名前で、ファンタジーな話、好きじゃないわ、と思って買ったけど、どっこい、面白かったんです!!
すごい世界観。本を読めば、ドルメンの民、土地、生活が見えます。そしてカノンの愛らしさも、剣・槍のすごさも理解できます。
15歳の庭師カノンが実は剣に選ばれた人間で、剣はその者が持つと勝手に戦う・・・こういうヒロイックな話、好きだなぁ。
おまけにカノンは子供だし。
敵対するのが王弟アリルなわけですが、彼も実は最初はランキアをどうのこうのしようと画策するわけではなかったのに、そうせずにはいられなかった、その心の動きと変化がよくわかりました。
バルという吟遊詩人も、実は矢を扱うと変化を起こすことの出来る人かも。ドルメンの国は雨が降らなくて水が枯れ始めてるのですが、後編では、ランキア、カノン、バルの3人で水を空から運んで、ドルメンを救う・・・って、安直かな?昔の言い伝えで、水を空から運んだ人々をウスカバルドといったらしいので。とにかく、後編がものすごーーーく楽しみです!

評価:B
エッチ度  ★★★★★
感動度   ☆☆☆☆☆
ワクワク度 ☆☆☆☆☆

書籍名: ウスカバルドの末裔(後編)
出版社:講談社X文庫 ホワイトハート
ウスカバルドの末裔(後編)
内容:
ドルメンの王・ランキアを殺害しようとした王弟・アリルの陰謀は失敗した。謀反の罪によりアリルに下された罰は死罪ではなく、生涯流浪の旅の刑。随行者を自由に2名選出してよいとの寛大な処遇だった。アリルは吟遊水人・バルとナ・ノーグの使い手である庭師で15歳になったばかりのカノン。カノンを随行者に選ばれてしまったランキアはショックを隠せなかったが、王宮執事・ブッセルはアリル恩赦についての秘策をランキアに進言し、合意を得る。
一方、流浪の旅に出発したアリルたちは、最初はバラバラでまとまりがなく、絶望に満ちた旅立ちだった。ウスカバルドの末裔であるバルの力によって、乾いた大地に水が湧く。ナ・ノーグの持つ雷の力によってそれは増幅されるのだ。干ばつにあえいでいたドルメンの民は、流浪の3人の不思議な力によって救われていく。
3人が南の村に入った時、異変に気付いた。若き村長が死んだという。外つ国(とつくに)の船が不法入国していたのだ。目的は侵略。その外つ国の者に拷問され、村長は死んだらしい。
アリルは亡き村長の妻・赤毛のティールに恋をする。そして、彼女のため、この村を守るため、ひいてはドルメンの国を守るため、ある決心をするのだった。

感想:
やっぱり、要約できなかった・・・もっとお話は多岐にわたります。ランキアの婚約者のお腹にはアリルの子供が宿り、その子供が矢の加護を得ていることなど。
でも、ラストが!!
泣きました。あふれた涙はとめどなく、鼻水まで出ました・・・
悲しく、辛い結末です。でも、納得はできます。
アリルの孤独が苦しいです。兄王を助ける役目を全うする覚悟、もしくは悪党に徹する心があれば読者の心はもっと楽チンだったはず。
でも、彼は孤独で優しくてまっすぐなんですもの。

今回も、映画でも観たような充実感のある小説でした。
冒頭は少々だるかったけど、旅に出たところから文字が目に飛び込んでくる感じがしました。
ウスカバルドの末裔はやっぱりバルでしたね。でも、彼が主人公という感じはしなかったな。カノンが主人公だよね。
バルの水使いとしての才能はカノンの雷の力によって引き出され、増幅されていった感じです。2人で乾いたドルメンの町を癒して行き、最後は王宮に雨を運びます。
バルは意味深で意地悪な印象でしたが、けっこう笑えました。巨大化した自分の力の制御を出来ずにいつもびしょぬれなんです。

泣きながら笑ったのが、カノンがナ・ノーグに引っ張られながら、アリルを助けるべく戦うシーンです。カノンが戦うのではなく、剣が勝手に戦ってる(正確に言うなら、カノンの心が戦ってる)
映像にして考えると、笑ってしまいました。
衝撃的なアリルの姿に、私の目には涙のかけらがありましたが。
表紙の青い目のアリルが、素敵です。

評価:B
エッチ度  ★★★★★
感動度   ☆☆☆☆☆
ワクワク度 ☆☆☆☆☆

書籍名: 銀の手のバルドス -ウスカバルドの末裔-
出版社:講談社X文庫
銀の手バルドス ウスカバルドの末裔(3)
内容:
庭師の息子・カノンは忙しい合間を縫って3日に1度、バルのためにパンを届けた。バルは、ドルメンの王・ランキアに授かったアルト姫の幸せを願っていた。
ドルメンの王宮を訪れた北方の地、ダ・デルガ家の長子・フィリはウスカバルドの末裔と名乗った。真の末裔であるバルはさしてそのことに興味を示さなかった。フィリはランキアに、自身が王の右腕になると言う。ランキアはそれを断り、フィリは引き下がる。しかし事件は次々と起こる。アルト姫誘拐。カノンの家からはナ・ノーグが盗み出され、嘘の噂によって旅立ったバルは、デ・ダルガ家に拘束されてしまう。全てはデ・ダルガ家がドルメンの国を統治する力を得るための策略だった。

感想:
今回のお話で、自身も知らなかったバルの生い立ちがわかります。ウスカバルドの真の末裔であること、彼の本当の出身地と血筋など。

このバル、可笑しすぎ。ことカノンのこととなると即決で全てを了承する。あっぱれとしか言いようがない。よほどにカノンが大事なんだろう。カノンもバルのあまりの非日常さに、彼のためにせっせと働くのがいじらしい。バルを囲ってるみたい。おまけに初めて建てる自分の家には、きちんとバルの部屋が用意されてるんだもの。すんごいラブラブ?

アルト姫は前作で亡くなってしまったアリルの血を引く。誘拐されたアルト姫をバルが助け出し、腕に抱くページで、ちょいと涙が出た。アリルが求めても得られなかったもの全てを持っている姫、かぁ。皮肉だな。

今回もカノンの旅がメインとなっている。今回はバルとは別行動。目指すはダ・デルガ家。
このフィリと名乗った男は傀儡なのだけど、彼自身も可愛そうな境遇だと思う。母を人質に取られ、シュレフトに操られているのだから。しかも彼が持つ水を操る力は、バルが子供の頃に若気の至り(?)で授けたもので、フィリ自身のものではない。使えなくなったフィリはその後、残酷なシュレフトにどう扱われたのだろう?少し心配だな。カノンも知らないのだけどね。

今回も全く未知な世界観をここまで楽しく読めたのは、こと細かく説明した丁寧な描写があったからだと思う。馬の息遣いや、兵士たちの服従の気持ち、竪琴の音、赤ちゃんの可愛らしさ、カノンを心配するボドブの顔、水のひしめきなど、文章だけで想像できた。出来たというか、勝手に脳裏に浮かんだ。

ただ。
これで終わり?ページ数が足りなかったのかな?いんや、りうとさんの中ではあれで終わりなんだろう。読者としては物足りないなぁ。
きっと次があるのだろう。
多分。グインサーガ並とまではいかないでも、あの本のようにシリーズ化されるのかも。
カノンが大人になっていくまでの物語。アルト姫の成長も見てみたい。どのくらいすごい姫になるのか。

評価:C
エッチ度  ★★★★★
感動度   ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆☆☆☆☆




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