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2012年01月21日
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テーマ: お勧めの本(7902)
カテゴリ: 読書


なってマテオ氏の学校を卒業し、バルセロナに住む叔父の家から
海洋学校に通い、憧れの船乗りになります。第1部が古都アビラの
様子、城壁や四本柱の丘などはもちろんその独特の雰囲気まで丁寧
に書かれ、親友アルフレッドと学長マテオ氏の家族のことなどが濃密
に表現されているのに比べ、第2部は主人公の周りの世界との関わり
を反映してか、バルセロナや他の寄港地、そして人間関係もさらっと書
いてあって、まるで電車に乗ってガラス窓から通り過ぎる景色を眺めて
いるようでした。第1部の少年時代で親友との辛い別れがあったからな


ペドロという名前はチェーザレの兄ペドロ・ルイスを連想させ、ついつい
強くたくましい姿を想像してしまうのですが(笑)ペドロは少年時代の辛い
別れが忘れられず、一生結婚もせず誰とも深い関わりを持たずに生きて
いこうと誓い、そのように生きていきます。船乗りという職業はそんな彼に
ぴったりでした。でも戦争が起き、兵士となって直接戦ったわけではない
のですが、沈められた船の乗組員を助け、溺死者の死体を引きあげる
作業を手伝って、戦争の怖ろしさやむなしさを実感し、ますます厭世的
内向的な人間になります。自分の心を持て余して小説を書くことに熱中
するもマテオ氏とその娘のマルティーナがでてくる悪夢を見てそれもや
めてしまい、死についての考えでますます内側にばかりむかっていきま
す。ものすごいひきこもり型で孤独な人間なのですが、不思議と暗さや

しょう。

もともと私は地位も財産もある人間が不倫によって堕ちていく、みたいな
感じの小説が苦手なのですが(笑)、この小説の主人公ペドロや「異端者」
のシプリアーノなどは粗筋だけ追うと孤独で不幸な人間であるにもかかわ
らず、生きる力というか自分の力でとにかく仕事を見つけて稼ぎ、絶望の

ているところが素晴らしいと思いました。ゴヤ展で、スペインは日本に比べ
乾燥していて太陽の光が地上までくっきり届くからあんなに色のはっきりした
コントラスが強く激しい絵を描いたのかなと考えたのですが、この小説の
タイトルとなっている糸杉の影、そうした影の暗い部分もゆらゆらとあいまい
ではなくしっかり影も長く伸び、しかも黒の色調が濃い、それがスペインと
いう国なのかなあと思いました。明るく華やかな部分だけでなく、目をそむけた
くなるような残酷で暗い場面もじっくり観察し自分の中に取り入れていじくりま
わし、表現せずにはいられないスペイン人、そんなことを考えました。そして
私が絵や小説でイタリア、スペインに魅かれるのもそのあたりが理由だと思い
ます。

人とは深い関わりをさけつつも仕事はきちんとしていたのでしょう、ペドロはやが
て何人もの乗組員を使う船長になります。船の中という狭い世界は人間関係が
難しそうですが、逆に深い関わりを持たないと心に誓ったペドロのような人は敵
も作らず長い航海であたりさわりなくやっていけるのかもしれません。人間関係
で行き詰ったら、いっそここまで割り切れば案外うまくいくかもしれないです(笑)
それでも彼は故障した船の乗客を助けたのがきっかけで、アイルランド系アメリ
カ人で若くて美しい女性ジェーンと知り合い恋心を抱くようになります。彼女を気に
いった理由の1つが親友の母に似た鳥の鳴くような声をしていたというのがおもし
ろい、ペドロは両親の顔も知らないのでマザコンにはなりようもなく、代わりに親友
の母コンプレックスなのかと(笑)彼女の宗教、カトリックかどうかを聞いていると
ころもスペイン人らしいなと思いました。でも宗教まで確かめて間違いなくジェーン
も自分に好意をもっていると信じているのに、ペドロは自分の決めた原則を守ろう
として一方的に別れを告げて船に乗ってしまいます。それならそれでまた孤独に
生きればいいのに、親しくなった後輩の船員(ペドロとは正反対に明るく現実的で
家は金持ちでしっかり結婚している)からジェーンに会って挨拶を交わしたという
話を聞いただけで、もしかしてその船員は彼女ともっと親しくしていて別れの理由
など詳しく知っていて2人して自分を嘲笑っているかもしれないと妄想し激しい嫉妬
を感じます。自分の信念を貫くために別れたのに身近な人間の言葉で妄想して
苦しむ姿にやっぱり内向的なオタクだと笑いを噛みしめる、私はこの主人公がす
ごく好きです。





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Last updated  2012年01月21日 16時02分28秒
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