ゴーヤ泡盛の野毛日記

ゴーヤ泡盛の野毛日記

パルム


扉を押して数段のステップを降りる。
カウンター6席とテーブル席が2席。
どなたかしらとこちらを見ながら眼鏡をかけ直すママ。
初めてですと言うと驚きながらも優しく迎え入れて下さった。
カウンターには小さなシクラメンの花。
奥に座るとおしぼりを手渡しながら、何をお飲みになると聞くのでウイスキーのお湯割りを頂くことにした。
つまみにモロキュウ。甘い味噌がいい味わいだ。
テレビのニュースを見ながら談笑するうちに、話は文学へ。
80歳になるというママはご自身で活字中毒というほどの本好き。
今は泉鏡花の高野聖を読んでいるという。
新聞を読んでは気になる新刊をチェックし、本屋へ足を運ぶだけでなく図書館へも行かれるそうだ。
この本は読んだ?あの本はどうかしら?と話題は尽きない。
ドストエフスキーは読んだ?若い頃にと私が言うと言うと微笑み、あの土地の乾いた空気が私にはわかるわと遠い目をした。
締めて¥1000也。

(2006.2.28)


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