癒しのうた

ポゥの暖かなクリスマス



黄色いパジャマに、小さなお耳をかきながらポゥちゃんは窓を見上げた。

「キレイだなぁ。でもまだお星様でてる。」
「オハヨウ」
ポゥちゃんを嬉しそうに見てるのは、きれいな緑色の羽を持つオウムのミュン。
ポゥちゃんととても仲の良い小さなお友達です。

「おはよう、今日はいちだんと冷えまちゅね」

「モウスグ、サンタサンガクルッ」

カツン、カツン…あっ!
「なんだか、小さい人がきまちゅぅぅ」
「ダイジョウブ ボクガマモル デモコノヒト ヤサシイココロノヒト」

ぽ~んぽんっ。小さな物音をたてながらそれはやって来ました。
ぽ~んぽんっ。
「やぁ、僕を怖がらないで」
つんつんっ。ミュンは、小さな小人をかるくつついています。
「くすぐったいっ。僕はクリス、はじめまして」
「今日がクリスマスって聞いてある人から頼まれて来たんだよ」
そういうと、10センチほどのクリスはポゥをみつめました。

ぶるぶるっ。ポゥちゃんは震えています。
「ごめんね、驚かせたかい?」
「こんにちわ。クリス違うの、ポゥね寒いの」

「よし、じゃぁ」 シャンシャンシャン~♪

ポゥちゃんは、暖かいミルクをもらいました。
「うわぁ、クリスすごぉい」
「僕は、どんな小さな幸せでもみつけられる子のところに来るんだ」
ポゥは、大きな目をぱちくりぱちくりしています。

「小さな幸せぇ??」
「ポゥはよくわからないけど、今すごく暖かくて幸せでちゅ」
クリスは、優しく微笑みました。

幸せは、身近にありすぎて、きっとそれは近過ぎてわからなくて
でも、自分で探すことのできる暖かいものなんだよ。
クリスは、ミュンをなでながら話しました。
「ミューには、これを」
シャンシャンシャン~♪手を振りかざすとそれは素敵な魔法。

「アリガト アリガト」
ミューの首に小さな白い綿菓子のようなマフラーがつきました。
「うわぁ、ミュンかわいいでちゅ チュ」
ポゥは、ミュンにキスをしました。

「そんな優しい気持ちを忘れないでメリークリスマス」
クリスはそっと窓の外から、ぽぉんぽぉんと消えていきました。
シャンシャンシャン~♪

「あっ、ポゥにもマフラーが。ミュンとおそろいだよ」
「ありがとうクリス!」
「アリガト」

開けた窓から、ポゥとミュンのあいだにひらひらと粉雪が舞い降りてきました。
そ~っと、みつめました。
「きっと、クリスは粉雪のように舞い降りてきたんだね」

ハッピーメリークリスマス!
サンタクロースは、いろいろなかたちをして、あなたの前に現われことでしょう。
シャンシャンシャン~♪
                          03.12.24






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