予定は未定

予定は未定

妊娠?


今まで7年間我慢していたことを実現しようと思っていたからだ。
それは日常の物凄くくだらない事から壮大(?)なものまで色々あって
取り敢えず海外旅行へ2カ国程行く計画を立てていた。

あと1週間で有給休暇消化へ突入するというある日
私は猛烈な気分の悪さに襲われ、仕方なく会社を休んだ。
それは恐らく風邪であって、明日には良くなるだろうと思い何も考えずにひたすら寝た。
しかし次の日になっても回復せず、結局3日休んでしまった。
有給休暇を使ってしまったので、それだけ退職の日が延びてしまうことがいやだった。
とてもお世話になり、それなりに良い事もあった職場だったが最後の2年間は
毎日退職する日を夢見て過ごしていた。
働けば働くだけ仕事が増える不思議な会社だったから・・・

熱が高いわけでもなくただ気分が悪い。
電車に乗れずに旦那に車で送ってもらい出勤していたが、ふと気づいた。
「むむむ・・・生理が来てないじゃ~ん(汗)」
ただ遅れているだけではない。間違いない!と確信した。
それから暫くなぜか誰にも打ち明けることができず、悶々と過ごしてしまった。
それでも不思議なもので、元同僚(退職後も友人)と母には気づかれ「検査はしてみたのか?」「病院は行ったのか?」とやいのやいの言われる。
100%間違いないと確信があったので、その気になった時に病院に行くつもりで検査薬などは使わなかった。
しかし、実際どの病院にするか決めかねていていつまでたっても腰が上がらない。
結局母に相談して家から車で20分程の総合病院へ行くことに決める。
横浜ではかなり名の通った病院であるからして、安心だと自分に言い聞かせた。

それまでの私と言えば、子供ができる恐怖に怯えていたところがあったのかもしれない。
夫婦共に仕事を持ち、そこそこ貯蓄もできて、時間の許す限り気ままに遊んで。
マンションも買ったばかり。
そして仕事も辞め、これからノンビリ専業主婦を満喫しようと思っていた矢先・・・
自分のペースを滅茶苦茶にされるのだと思うと、夜も眠れないくらいショックだった。
そして私の考えも一切聞く前に自分だけで「家族計画」を立てていた旦那が物凄く憎らしく思えた。

初めて行くK病院はとても明るくて、病院ぽくなくそして人がごった返していた。
予約も紹介もなしで来てしまった為、婦人科外来で3~4時間程も待ったと思う。
ようやく名前が呼ばれた頃には、周囲にはもうほとんど人がいなくなっていた。
恐怖におののきながら診察を受ける。
いきなり「順調じゃないの~」と先生。判ってはいたがショックで急には返事ができなかった。
「どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・」頭の中は混乱する。
落ち着きなく挙動不審な私の前に先生が1枚の白黒のプリントのようなものを差し出した。
「これ赤ちゃんだから」
それを見た瞬間、何かが吹っ切れた。
不思議と涙がこぼれ落ちた。
あぁ、私が自分勝手にくだらない事でグズグズと悩んでいる間に
この子はぐんぐんと成長を続けていたのだ。私の不安なぞ、お構いなしに!
「ありがとうございます」誰に言ったのだろう、小さな写真を握り締めて病院を後にした。

その日の夜、旦那に「病院行った?」と聞かれた。
病院へ行く事は言っていなかったのに、不思議だ。
旦那には初めて妊娠している事を告げた。




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