クマちゃんの生活(新しい友達!?編)




-第1話-

今日もボクはいつものように、お友達ちゃん達が作ってくれたお昼ご飯のお弁当を食べようとしていた。
「いただきま~す♪」
すると突然、お弁当箱の中のタコさんウインナーが大きくなったんだ。
ボクはビックリして、思わず立ち上がってしまった。
大きくなったタコさんウインナーは、そんなボクに話しかけてきた。
「いつも、おいしい、おいしいと言って食べてくれてありがとう。お陰でこんなに大きくなれたよ。これからはずっとキミと一緒だよ♪」
ボクは何と言えばよいのかわからなかった。
こんなに大きくなったタコさんウインナーを見て、お友達ちゃん達がビックリするといけないから、とりあえずボクの部屋に連れて行くことにしたんだ…

たこウインナー


ボクは部屋で考えた。
お友達ちゃん達になんて言おう…
ありのままを話したら、わかってくれるかナ?
でもボクはあまり話すの得意じゃないんだ。
うーん、どうしよう…

ピンポーン♪ただいま~
あっ、お友達ちゃん達が帰って来た!!
早く出迎えに行かなくっちゃ。

お友達ちゃん達は、ひとりでお留守番をしていたボクに、おみやげを買ってきてくれた。
かわいいクッキーに、ベビーカステラとアイスティー。
ボクはアイスティーに、はちみつをたっぷり入れて飲むのが好きなんだ♪
どれもみんなボクが好きなモノばかりで、とってもうれしかった。
そうだ、ボクの部屋に隠れているタコさんウインナーにも、なにか持って行ってあげなきゃ。
そうしてボクは、こっそりベビーカステラを1個ポケットに入れたんだ…

こぐまおみやげ



-第2話-

今日はお友達ちゃん達がお休みだったので、みんなでピクニックに行くことになった。
お友達ちゃん達は、せっせと朝からお弁当を作っていたよ。
もちろん、ボクもちゃんとお手伝いをした。
このぷちトマトはボクが洗って入れたんだ。

ピクニック2

外で食べるお弁当はとてもおいしかった。
おしゃべりしたり、かくれんぼしたり、とても楽しくてあっという間に時間が過ぎた。

そこではまだ桜もさいていたよ。
薄いピンクの色がとってもキレイだった。
ああ、タコさんウィンナーにも見せてあげたいな…

ピクニック3

この桜を見てボクは決めたんだ。
タコさんウィンナーのことを、ちゃんとお友達ちゃん達に話すんだ。
ひとりでお留守番なんて、寂しすぎるよ…



-第3話-

次の日、早速ボクたちは相談した。
お友達ちゃん達は、平日のお昼はいつも出かけているので、ボクとタコさんウインナーが話をする時間はたっぷりあった。

「ボク、キミのことをお友達ちゃん達にちゃんと紹介するよ。」
「うれしいタコ! でも大丈夫かなタコ~」
「うん、だからお友達ちゃん達がビックリしないように、ちゃんと説明したいんだ!」

「キミは、どうして急に大きくなったの?」
「どうしてだかよくわからないタコ。ただ、いつもおいしいと言ってウインナーを食べてくれるキミと、ずっとお話ししたいなぁと思っていたタコ。そしたらある日突然大きくなったタコ~」
「…キミは宇宙人とかじゃないよね?」
「違うタコ。ウインナーだタコ~」

バーガー

結局、話しても新しくわかったことは何一つなかった。
でも大丈夫、ボクはありのままを正直に話すよ。 
ボクは話すのヘタだけど、一生懸命がんばるよ! 
お友達ちゃん達はやさしいから、きっとわかってくれるはずだよ…


ピンポーン♪ただいま~

「あっ、お友達ちゃん達が帰ってきたよ! こういうのは早いほうがいいんだ。 さぁ、行くよ!!」
「はいタコ~」


「お帰りなさい。 早速だけど、ボクのお友達を紹介します。 タコさんウインナーです!」
「こんにちはタコ~」

お友達ちゃん達は、やっぱりとっても驚いていたよ。
目の前にいるタコさんウインナーの存在が信じられないと言ったカンジだった。
お友達ちゃん達は何も言わなかったので、ボクはひとりで話し続けた。
お弁当を食べていて初めてタコさんウインナーと出会ったことから、今までボクの部屋で一緒に過ごしてきたことまで、ボクが知ってる言葉を全部使って、出来る限り詳しく一生懸命説明したよ…

ビックリ



-第4話-

とにかく…お茶でも飲んで落ち着こうということになった。
お友達ちゃん達もだいぶ慣れてきたようで、タコさんウインナーにオレンジジュースを入れてくれたんだ。
これでどうやら一安心かな…

ケーキスタンド


ホッとしたのも束の間だった。
でも、このままじゃダメだってお友達ちゃん達は言うんだ。
タコさんウインナーが村をうろうろするのは、どう考えてもみんながビックリするだろうから、家の外に出ちゃダメだって…
それじゃあタコさんウインナーに、外のすばらしい景色を見せてあげられないじゃないか!
みんなで一緒にハイキングに行ったり、お買い物に行ったりして楽しみたかったのに…
ボクはとっても悲しくなった。

そんなボクを見て、お友達ちゃん達はなにか相談をしているようだった。
それからボク達は、お友達ちゃん達の知り合いのお家に行くことになったんだ…

タコさんウインナーには、お友達ちゃん達のバスケットの中に入ってもらうことにした。
森の中の大きな古いお家の前につくと、中から黒い帽子をかぶった人が出てきた。
その人は魔法使いだった!!
それからその人は、タコさんウインナーに水晶玉の前に立つように言って、呪文をとなえ始めたんだ…

魔法で1


ボクはなんだか不安になった。
大丈夫よ!とお友達ちゃん達は言ってくれたけど…

ボワ~ン!!
突然白い煙が出て、まわりが何も見えなくなった。
しばらくすると…
タコさんウインナーがいない!!
かわりに、知らないクマさんが立っていた…

「も、もしかして、キミ、タコさんウインナーなの?」
「うん、そうなんだタコ~」

え~っ!!
すごいや~、変身しちゃったんだね!!
でも、これでもう外に出ても大丈夫だね♪

魔法2



-第5話-

次の日、早速みんなでピクニックに出かけたよ。
お友達ちゃん達は、朝からお弁当を作ってくれたんだ。
そしてボクとタコさんウインナーは、一緒にぷちトマトを洗ったんだ…

森にはもうムシがいたよ。
お友達ちゃんがカブトムシを捕まえてくれた。
ボクは初めて見たカブトムシがとても気に入ったんだ。
持ってきた虫めがねで、夢中で観察したよ…

みんなで食べたお弁当は、とってもおいしかった。
やっぱりみんな一緒だと楽しいね♪

なつやすみ


その夜、ボクとタコさんウインナーは一緒のベッドに入り、今日の楽しかった出来事を語り合った。
お互い話したいことはいっぱいあったけど、半分も話さないうちに疲れて寝ちゃったんだ…

うれしいことや悲しいこと、なんでも話せる相手がいるっていうのは本当に幸せだと思う。
ボクもタコさんウインナーも、そしてお友達ちゃん達も…
みんな、ひとりぼっちじゃないんだね…

おやすみ


おわり


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