陽だまりブログ  

陽だまりブログ  

9回目の流産後 (2)


夫に言われた言葉で、もう一度頑張ってみようと思ったものの、
大学病院で、排卵の時期を見て貰いタイミングを取っても、
一向に妊娠の気配が無かった。

主治医(不育症担当)も不妊チームに任せた方がいいだろうとの判断をし、
不妊チーム預かりとなってしまった。

不妊チームへ廻され、問診から始まり、治療の内容の説明を受けた。
不妊の担当医は、
「年齢の事を考えて、直ぐに体外に進んだ方がいいだろう。」と言った。
しかし、私は、
「私の場合、妊娠してからの方が大変なので、
 妊娠する事にこんなに力を入れたら、ダメになった時に余計に立ち直れない。
 どうして妊娠しなくなったのかの原因は知りたいと思うが、
 早急に、人工的に妊娠と言うのは今は考えられない。」と答えた。
担当医は、
「それでは、原因を探るべく一通りの検査をしてみよう。」となった。

家に帰り夫にその事は話し、今後どうするかを話合った。
結果、原因を調べ、問題が出たら自然妊娠が可能になる方法を考えよう。
しかし、人工的な方法でしか妊娠出来ない問題が出たなら、もう諦めよう。
となった。

検査が始まった。
私のホルモン検査、性交後のヒューナーテスト、夫の精液検査。
以上は、問題が無かった。
卵管造影にて、卵管の詰まりを見るという事になり、
痛いと聞いていたこの検査を受けるかどうか悩んだ。
しかし、原因がまだ見つかっていないのだ・・・
担当医に聞いた。
「この検査、痛いんですよね?」
しかし、担当医は、
「う~ん、痛いという人もいるけど、凄く痛がると言う事はないかな。」
それならと、検査を受ける事にした。
しかし、この考えが甘かった事を知る事となった。

検査当日、検査台に上がり、
子宮の入り口を少し摘みますと言う時から、
既に痛くて、造影剤を注入し始めた頃から腰は引け、
痛さで、全身硬直の状態だったのだが、そこで異常が見つかった!
担当医は、
「右の卵管が詰まっています。少し圧を掛けて通るか試しますね。」
と言いながら、造影剤を再度注入して来た。
我慢出来ないほどの痛みに変わり、声も出ない状況であった。
それなのに、担当医は手を緩めない・・・
あまりの痛さに、「止めて下さい!!」と振絞った声で言った。
しかし、担当医の手は緩まない・・・
蹴り飛ばしてやろうかと真剣に思った。
私が、体を仰け反らせたので担当医も諦めた様だった。
私の場合は、とにかく痛かった・・・

この検査結果で、
妊娠しなくなったのはこの卵管の詰まりも一つの原因だろう言われ、
子宮内の状況も調べてみようと言われたのだが、
友人が、その検査を受けた時に軽く失神したとの話を聞き、
もう、これ以上痛いのはごめんだと思い、丁寧にお断りした。

検査の後、体力を使いきったのと、
こんな事をして頑張っても、
妊娠した時、それを維持する術は無いのだという現実は、私を病院から遠ざけた。
妊娠しなければ、あの辛さを味わう事も無いという思いも大きくあった。

その頃の私には、再度妊娠する事があったら、
その時は、その子を守るべく頑張ろう。
しかし、「お母さんが、必ず守るから来て頂戴。」とは願えなかった。
原因は、私の体にあり、必ず守れる保障も自信となる根拠も無かったからだ。
もう、自分ではどうにもならない、運命に任せようと思っていた。

その時、9回目の流産から1年が過ぎていた。



© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: