小児の整形外科疾患



整形外科の講義ということで、まず「 ウィトルウィ ウス的人体図」から始まる。

  人が両手を広げるとほぼ身長と同じ。
  しかし・・何故か顔と身体は正面を向いているのに、左足が外を向いている・・・

ということで膝のお話・・こどもO脚について(O脚は内側を向くけど・・)

※ 解剖   長管骨には「骨端」「骨端線」「骨幹端」があり・・

※ O脚の定義 : くるぶしをつけた時膝関節の間があけばO脚  
          内反膝は片側だけのことを示す

          程度は○横指で記載すればいい(立位)←可能であれば

          通常はレントゲン写真では大腿骨頭と足関節中心を結ぶと膝の真ん中を通る・・(加重軸)

なぜ治さなければいけないのか・・・・将来的に変形膝関節症になりやすいため

1)生理的O脚・・・除外診断が必要
          生下時は内反15度→2歳からX脚(ほぼまっすぐ)→3歳でX脚ピーク→6歳でプラトー(ややX)
          装具を使っても変わらない

2)幼児型ブラウント病
          骨端部の内側がくちばし様の変化がある(レントゲンで)
          原因は肥満、早期処女歩行、下腿内捻、その他
          放置すると内反がひどくなる
          2歳以上で診断する
          片側の内反膝は要注意!
          装具を6ヶ月間つけて、無効な場合は手術
  診断のポイント
     2歳以降に一回はレントゲンを!(骨幹端に注目)
     片側の内反膝は注意!
     3歳でO脚はおかしいぞ!(何故ならX脚のピークだから)

  大人のO脚は肥満を治せ!→変形性膝関節症になりやすい

3)くる病・・・Ca、Pが不足のため骨化が障害され、未熟な骨の部分がふえる
          骨量は減らない
          レントゲンでは cupping(杯状の骨端)、splaying(骨端が広がる)毛羽立ちがポイント
          Fanconi症候群の症状のひとつでもある


4)骨幹端異形成症(Schmid型)
5)軟骨無形成症・・膝の不安定性
          足首部の骨が曲がっている(太い骨)
          治療は装具あるいは手術(骨幹を伸ばす)

おまけ・・・
股関節疾患
 1)股関節脱臼・・女児に多い・骨盤位に多い・遺伝傾向あり
 2)ペルテス病(骨端の壊死):4~8歳  現在は装具より手術が主流
 3)大腿骨頭すべり症:12~15歳
 股関節痛や大腿部痛を主訴とすることがある。
 疑いは股関節を内外旋してみて痛みがあれば・・・




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