♪ まだちょっとむかむかしてる曇天の今朝はいつもと景色が違う
「大丈夫?」
ぼんやりした頭に酔っている自分を確認するまで少しの間があった。
「うん」と言うのがやっと。そのまま寝てしまった様だ。
カミさんが預かっていた孫を送り届けて帰って来た。寝ている私を見て何やら言っている。どうやらソファーに掛けてあるカバーが血で汚れていることを怒っているらしい。頭を血だらけにしている私を気遣っている気配がなく、自分でもよく分からない。
頭、血・・という言葉に反応して、手のひらで触ってみたら真っ赤になった。“ホントだ、血だ”と事情が少しのみ込めて、ティッシュを取って拭う。痛みはほとんど感じない。ざらっとした感触があるので、ブロックか何かで擦ったのだろう。大したことは無い。
炬燵はかたずけてあったが、座卓としてそのまま使っていて、夜にはまだ寒い日があるので薄い炬燵掛けが座卓の下に入れてある。そこに潜ってそのまま寝てしまった。
夜中に気持ちが悪くなり、トイレに走って行って吐いた。一体どうやって帰って来たのか思い出せない。皆と一緒の車に便乗して戻って来たのだろが、車を降りてから家までの間のことを思い出せない。急速にアルコールが脳へ廻って麻痺したらしい。
前回と同じシチュエーションで、日本酒しか飲んでいない。同じように飲んで何ともなかったのにどうしたことか。ペースが早かったのかもしれない。しゃべっている時に呂律が怪しくなっている事に気づいてはいた。そこで飲むのを止めればいいものを、調子に乗って飲んだのがよくなかった。
朝になって、眼鏡がない事に気づく。メガネが無くてはどうしようもない。多分、駐車場の階段でこけたのに違いない。その周辺に落ちているのだろう。
探しても見つからない。丁度その場所は、私を家まで抱えてくれた人の庭の横だ。昨夜のお詫びとお礼をせにゃならん。
で、訪問して自分がどんな状態だったのかを尋ねてみた。階段の下で、頭から血を流して座り込んでいたのを見かねて、抱えて家の中まで運んでくれたらしい。階段でよろめいて、そのまま倒れ込んだのだろう。傷の様子からすると駐車場のブロック壁に横からぶつかった感じ。ならば、この辺りにメガネが無いのはおかしい。
「眼鏡がないんですけど、その時、掛けてました?」と手でメガネの格好をしながら(照れ隠しのつもり)聞いてみた。
「いやあ、掛けてなかったぞ」
一緒に探してもらったら、あった。猫除けに苗のポットケースが伏せてあり、その下になっていた。
「良かったー!」何度も何度もお礼を言って、戻って来た。
カミさんが、過去に何度も酒で問題を起こしている私を、改めて睨みながら、「バーカ!これでメガネが無くて買うような事になれば、小遣い無しだワな」と言い放った。ちょっとレンズに傷がついていることなど、言える雰囲気ではなかった。
10年に一回ぐらいの割で起こしている酒の失態。災害は忘れた頃にやって来る。
◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
☆ 短歌集 「ミソヒトモジ症候群」 円居短歌会第四歌集2012年12月発行
● 「手軽で簡単絞り染め」
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