『ごまめの歯ぎしり』



登場人物表

玖我 美零(二九)女性。地方FMのDJ。

捌木 拾生(二一)男性。大学生。


参河 百恵(三二)女性。ディレクター。
陸奥 千早(二三)女性。新人DJ。

伍藤(四五)男性。ミキサー。
壱原(五〇)男性。プロデューサ―。

漆澤 萬里(?)男性。バンドヴォーカル。





●参河のマンション・リビングルーム・早朝
   カーテンの隙間に青い朝が覗く。
   参河のスマホに電話する美零。
   留守電に繋がるや吹き込まず切る。
   日を跨いで延々並ぶ発信履歴。
   鴉の騒ぐ声が刻々と音量を増す。

●同・洗面所・早朝
   手早く髪を整える美零。
   薄化粧だが昨日よりましな顔色。
   決意を唇の辺りに浮かべ。

●同・玄関・早朝
   ビジネススニーカーの紐を結ぶ美零。
   最後の一締めを心なしかきつく。

●同・エレベーター・早朝
   気圧の高そうな籠の中。
   美零の足元に転がった書道教室の鞄。
   墨汁が少し零れ出ている。

●同・前・早朝
   エントランスから踏み出した美零。
   その目に映るターナー風の朝空。
   所々が地上からの黒煙に汚されて。
   四車線道路に放置された車両の群れ。
   平穏に停車しているものも有れば。
   派手な衝突を巻き起こしているものも。
   路上に散らばった様々な欠片。
   歩道には主なき遺留品の数々。
   片方の手袋、開いた日傘、ランドセル。
   横倒し自転車、杖、スーパーのカート。
   我が物顔に天地を行き来する鴉たち。
   咳き込むようなエンジン音。
   車の間を縫って近づく白いベスパ。
   美零の傍で小気味よく停車。
   ゴーグルをずらしたライダー、伍藤だ。
   予備ヘルメットを黙って放る。
   危なっかしく掴む美零。
美零「ミーさんは?」
伍藤「・・・何かあった時はお前を頼むと」
   美零、唇を噛むも言葉を飲み込む。
   ヘルメットを被り後部に跨って。
伍藤「附属病院だったな」
美零「・・・局へお願いします」
伍藤「いいのか?」
美零「まずはこれを何とかしなきゃ」
伍藤「快適なツーリングとはいかないからな。
 落ちるなよ」
   伍藤の中年腹に手を回す美零。
   ベスパ、走り出す。

●車道~歩道・朝
   延々と続く巡礼のような車列。
   頭上に被さるマグリット風の青空。
   歩道をさまよう亡者のごとき人影。
   それを横目に前進するベスパ。
美零「どれくらい残ってるのかな・・・」
伍藤「局に限って言えば半分程度だ。子供が
 いる奴は帰らせたから今いるのは十人弱」
美零「むっちゃんは?」
伍藤「災害時マニュアルを参考に呼びかけを
 続けてる。外から入ってくる情報が少ない
 から限界はあるが」
美零「ゴトさん出てきて大丈夫なんですか」
伍藤「サブは今、助っ人頼みだ。早く戻って
 やらないとな」
   車道を斜めに塞ぐバスを回避。
   歩道に乗り上げてベスパ前進。
伍藤「平常時ならごまめ案件」
美零「一発免停ですか?」
伍藤「そこまでじゃない」
美零「この子、素敵ですね。ちょっとお尻が
 痛いですけど」
伍藤「工藤ちゃんモデル。現役なのが奇跡だ。
 乗り心地には目をつぶってくれ」
美零「もしかしてリアタイ世代?」
伍藤「んなわけあるか。再放送世代」
   前方に放置されたベビーカー。
   傍を通過した時、泣き声がした気が。
   美零の腕にギュッと力が入る。
   ベスパを車道に戻す伍藤。
伍藤「気のせいってことにしとけ」
美零「・・・はい」

●裏道・朝
   幅員ぎりぎりの路地を進むベスパ。
   野良猫が泡を食って逃げ出す。
美零「あ・・・」
伍藤「どうした?」
美零「・・・おめざめ星占い見忘れた」
伍藤「今日はやらんだろ。お前、そんなもの
 気にしてるのか」
美零「最下位だったら丸一日足元に注意する、
 上位ならなお一層慎重な行動を心がける、
 その程度です」
伍藤「見ても見なくても一緒だな」
美零「でも今日は、思い切りが必要かも」
   路地の先に見える並木の緑。

●FMみやび・廊下・午前
   書類が散乱した無人の廊下。
   カーディガンを羽織った美零、早足。
   胸ポケットから覗く編みぐるみ。
   まるで己の分身のように。
   美零に追いつく伍藤、少し息切れ。

●同・スタジオブース・午前
   マイクに向かって呼びかける陸奥。
   乱れた髪が汗で首筋に張りついて。
   若さすら食い尽くす憔悴の色。
陸奥「繰り返します。家の中に居る方はその
 まま留まって下さい。現在、警察や消防が
 市街地の安全を確認中です。不確実な情報
 に惑わされず、落ち着いた行動を心がけて。
 一部地域にて複数の略奪行為が確認されて
 いましたが、現在全て沈静化したと府警が
 発表しています。念のため自宅の玄関や窓
 は施錠の上、不用意な避難等は控えるよう
 お願いします・・・」
   枯れかけて一オクターブ低い声。
   硝子越し、副調整室の扉が開く。

●同・副調整室・午前
   入室する美零、続いて伍藤。
   スタジオブースの陸奥の横顔が見える。
   ミキサー卓の前に座った男の後ろ姿。
伍藤「ありがとう、代わります」
   振り向いてヘッドフォンを外すバン。
バン「これくらい幾らでも。部活思い出して
 楽しかったですよ」
美零「あ、ノータイの・・・」
   慌てて会釈する美零。
バン「そんなに畏まらないで、頭上げて」
   気さくにふるまうバン。
バン「ゆうべ帰ろうと思ったらマネが雲隠れ
 しちゃって。そのうち外が何かえらい事に
 なってるでしょ。ここに居た方が安全って
 ことで居残ってマス」
   あたふたする美零をしみじみ見て。
バン「『ゼロラジ』の・・・美零さん?」
美零「え、あ、ハイ! でも何で・・・?」
バン「アハハ、僕お隣なんで。湖人ね」
美零「あ・・・そうなんですか?」
バン「実家に寄生してた頃よく聴いてたな。
 最近また、アプリでちょくちょく」
美零「恐縮です」
   握手を交わす両者。
バン「恐縮されて恐縮です。臭くなかったら
 いいけど。イベント終わりでシャワー浴び
 れなかったし」
美零「え?」
バン「ほら、美零さんって匂いが・・・」
伍藤「そろそろ限界だ。一旦曲行くぞ」
   伍藤の声でブースを見る二人。
   陸奥が崩れそうになった瞬間、音楽。

●同・スタジオブース・午前
   机に突っ伏す陸奥。
   目を閉じて息は荒く。
   美零、陸奥の濡れた額に手。
   泣きそうな顔で傍の伍藤を見る。
伍藤「ゆうべからぶっ通し。熱も出るよな」
   伍藤、陸奥を横抱きに。
美零「曲が明けたら代わります」
伍藤「おう、頼む」
美零「少し試したいことが有って・・・」
伍藤「・・・責任者不明だ。好きにしな」
   美零を残して出て行く伍藤。
   DJ席に掛ける美零。
   ポケットから出した編みぐるみを机に。
美零「・・・聴いててね」

●同・副調整室・午前
   空いた椅子に寝かされた陸奥。
   毛布をかけてやるバン。
バン「お疲れ様です、船長代理」
   硝子越し、話し始める美零。
美零(声)「この時間は予定を変更して緊急
 放送を行っています。ここからは玖我美零
 がお送りします」

●同・スタジオブース・午前
   普段よりも抑えたトーンで話す美零。
美零「現在、府内全域で原因不明の交通事故
 や通信途絶、小規模の騒乱などが複数発生
 しています。ラジオの前の皆様は引き続き
 安全な場所に留まって、最新情報をご確認
 ください。なお本放送でも情報が入り次第、
 随時お伝えして参ります」
   背筋を改めて伸ばす美零。
美零「みんな、どうか恐れないで。大切な人
 と一緒にいるなら絶対その手を離さないで。
 今から私が話すことは緊急放送の枠をはみ
 出しているかも知れません。でも今起きて
 いる事態を止めるためにお伝えしたいこと
 が有るんです。より有益な情報をお求めの
 方は他局に変えて頂いて構いません」
   珍しく唾を飲み込んで。
美零「これはみんなに伝えたいこと、同時に
 一人に伝えたいことでもある。最初にする
 のは私自身の話です。私、小学校に入る前
 からピアノ教室に通っていました」

●街の点描・午前~午後
   円盤のような太陽が中天を過ぎて。
   平面的な光に晒された地上の混沌。
美零(声)「最初のバイエルは難なく合格、
 ブルグミュラーの途中までは順調に弾けて
 いたみたいなんだけど・・・」
   急速に腐朽が進み始めた建物や道路。
美零(声)「発表会の課題だったノクターン
 第二番で躓いてしまって。あの繊細な音の
 強弱とか歌うような旋律がどうしても表現
 できなくて、そのまま本番に臨んで大失敗。
 もう、棒読みならぬ棒弾き。折角五年間も
 通わせてもらった教室なのに不登校からの
 フェードアウト。今思っても、何て根性の
 無い子だって思います」
   五重塔の瓦が音を立てて崩れる。
美零(声)「でも、決して怒ったり押しつけ
 なかった人がいました。本当は一番続けて
 ほしかったはずなのに。彼女は言いました、
 『よし、じゃあ美零の得意を見つけよう』。
 私の声が綺麗って最初に言ってくれたのも
 その人だったんです」
   雑草が伸び放題の枯山水庭園。
美零(声)「その言葉に背中を押してもらう
 形で、学校のクリスマス会、出し物の劇の
 主役に立候補。先生にもクラスメイトにも
 好評で、やっと自分の居場所が出来たって
 思えた。でもそれは虫のいい勘違いでした」
   立往生した錆塗れの路面電車。
美零(声)「自信を持って学校生活を送れる
 ようになった私の耳に、クラスの女子たち
 の陰口が聞こえてきて。美零ちゃんの喋り
 方はわざとらしくて気持ち悪いだの、国語
 の音読が調子に乗っていて痛いだの。友達
 だと思っていた子たちの本心を知った時、
 私はまともに話せなくなってしまった」
   金箔がはげ落ちた名刹の舎利殿。
美零(声)「そこからは息を潜めるみたいな
 毎日でした。外では極力声を出さないよう
 にして。もちろん登校も下校も独りぼっち」
   滅びゆく都に蚊柱のように舞う鴉。

●美零の回想・通学路・夕
   静かな住宅街を小学生美零が来る。
   二宮金次郎のように本を読みながら。
   表紙に描かれた少年と紅いロボット。
   立ち止まり、ふと空を見上げる。
   唇にくわえたつつじの花弁が落ちる。
   茜空に巨大な雲が浮いている。
   無意識に口ずさむメロディー。
   『スカボロー・フェア』。
   再び本に目を落とし歩き出す美零。
   クンクンと夕餉の匂いを嗅ぎながら。
美零(声)「港のように見える雲の向うに、
 自分の本当の故郷を空想したりして。でも、
 漂ってくる香りはセージでもローズマリー
 でもなく筑前煮だったりするんですけど」

●FMみやび・スタジオブース・午後
   時折唇を湿しながら話し続ける美零。
美零「中学高校、ずっとトラウマの延長線上。
 世界に埋没することを選んでいた私をもう
 一度引っ張り上げてくれたのは、やっぱり
 あの人でした。自分の命が残り少ないこと
 を知りながら決して辛そうな顔を見せずに、
 もう一度美零のお喋りが聞きたいわ、って」
   涙声になりかけて踏みとどまる。
   いつしか編みぐるみを握りしめ。
美零「その言葉に助けられて私はここにいる。
 彼女は逝ってしまう直前まで私のラジオを
 楽しみにしてくれていた。もう一人の家族
 は彼女を失って壊れてしまった。でも彼も、
 私の声を聴いてくれていたんです」
   真っ直ぐ前に向ける顔。
   眼鏡のレンズが数滴の露で濡れている。
美零「そして気づけば、私の周りには多くの
 仲間がいました。無愛想だけど頼りになる
 先輩。口は悪いけど熱い心を持った同志。
 最高にかっこいい後輩。ずっといてくれた
 のに、私がちゃんと見ていなかっただけ、
 本当に罰当たり」
   硝子越しに美零を見るバン。
   半跏思惟像を思わせる穏やかな表情。
美零「この非常時にまどろっこしい話をして
 しまってごめんなさい。私が伝えたいのは
 一つだけ。今このラジオを聴きながら不安
 に震えている人、誰にも助けを求められず
 絶望している人、自分なんてどうなっても
 いいなんて投げやりになっている人、もう
 一度周りをよく見て。あなたは本当に独り
 ぼっち? あなたが消えて悲しむ人なんて
 いない? 私はそうは思わない。今いない
 としてもいつか出逢う。絶対そういう風に
 この世界は出来ているから。だから世界を
 諦めないで。参加することをやめないで。
 あなたの孤独が少しでも和らぐなら、私は
 この仕事を続けます」
   長い息をつく美零。
美零「こんな独りよがりの自分語り、誰かの
 助けになるなんておこがましいことは思い
 ません。でも私、みんなとお喋りしたくて
 ラジオをやってるの。どんなに小さなこと
 でもくだらないことでもいい、誰かに話し
 たくてたまらないことがあればこれからも
 私はラジオで喋ります。だからみんなも、
 喋る相手が欲しいときは遠慮なく私に語り
 かけて。メールでも、お手紙でも、お電話
 でも・・・」
   美零、ガラスの向うの伍藤に目配せ。
美零「じゃあ、暫くは音楽でリラックスして
 くださいね。新しい情報が入ったら速やか
 にお伝えします。ここまで玖我美零がお送
 りしました。それでは、『ループ』」
   清冽なイントロが流れ始める。
   トークバックスピーカーから伍藤の声。
伍藤(声)「お疲れ。反応あればすぐ繋ぐ」
美零「お願いします。わがまま言ってすみま
 せん」
   マイクで応える美零。
   椅子の背に体を預け、少し脱力。
   両手で包み込んだ編みぐるみを見つめ。
美零「私、今度こそちゃんとできたかな」

●高台・午後
   眼下に広がる古都の風景。
   嘘臭い青空の下、嘘みたいに朽ちて。
   スマホを耳に当てる拾生。
   その表情は木陰に隠れて見えない。

●FMみやび・スタジオブース・午後
   ノンストップで流れる音楽。
   マイクを前に祈るような美零。
   トークバックスピーカーから伍藤の声。
伍藤(声)「ご指名で電話だ。放送には乗せ
 ないよな」
美零「はい、オフレコで」
   スピーカーから回線が繋がる音。
美零「どうしたの? 寂しくなった?」
拾生(声)「・・・この状況で余裕が有るん
 ですね。僕を子供扱いするなんて」
美零「子供だよ。違うの?」
拾生(声)「・・・敵わないな」
美零「そう思うなら、そろそろこの茶番を終
 わらせてくれないかな。優秀なスタッフが
 抜けて困ってるんだ」
拾生(声)「無理って言ったじゃないですか」
美零「私の言霊でも?」
拾生(声)「さあ」
美零「本気で試そうとしてないよね」
拾生(声)「でも、このままでいいでしょ?
 全ては美零さんの望んだ結果だし」
美零「はい出た、卑怯な詭弁。揚げ足を取ら
 れるようなこと言った私も悪いけど、誘導
 と曲解の方がもっと悪い」
拾生(声)「少なくとも、居なくなった人は
 『弱い人』なんですよ」
美零「ほう」
拾生(声)「強気に振舞っていても自己肯定
 感が低かったり、死んでも他人に弱さを見
 せられなかったり。そんな『生きにくい』
 人たちは、笛吹き男にさらわれた方が幸せ
 なんだ」
美零「さらわれて、何処に行くわけ?」
拾生(声)「え?」
美零「そっちの世界は誰もが自分らしく生き
 られる場所なの? そんな保証ないよね。
 何処に逃げたって、最後に向かい合うラス
 ボスは自分自身じゃん。結局、ここで藻掻
 いて足掻いて生きていくしかないんだよ」
拾生(声)「・・・・・・」
美零「って、偉そうに抜かしてる私も、実は
 まだまだ修行が足りないんだけどネ」
   おどけ口調の美零。
拾生(声)「・・・ふふ。美零さんと喋って
 たら、世界が解体中だなんて思えない」
   少し肩から力が抜けたような拾生。
美零「まったくだよ」
   美零、大きく一つ背伸び。
美零「さて、どう始末をつけようか」
拾生(声)「・・・そうですね。じゃあ僕と
 勝負しませんか」
美零「じゃんけん? 将棋? 飲み比べ? 
 あ・・・私、虫系だけはNGね」
拾生(声)「探偵」
美零「たまには子供に戻るのもいいか。でも、
 二人しかいないよ。捕まっても誰も助けに
 来ないけど」
拾生(声)「ごまめ同士だから仕方ないです。
 一発勝負で」
美零「承知の助。キミが泥棒役?」
拾生(声)「でしょうね」
美零「スタートのタイミングは?」
拾生(声)「美零さんがここに着いた瞬間」
美零「ここってどこさ」
拾生(声)「見つけるのも勝負の一環です」
美零「ぺてん師らしさが戻ってきたか」
拾生(声)「では後ほど」
   回線の切れる音。
   ヘッドフォンを外して立ち上がる美零。

●同・副調整室・午後
   陸奥の寝顔を愛しげに見つめる美零。
伍藤「心当たりはあるのか」
美零「うーん、いくつかは。橋とか神社とか。
 それともあそこかな・・・」
バン「水」
美零「へ?」
バン「彼が喋ってる後ろ、絶え間なく水の流
 れる音がしてた。たぶん人工の水路だね」
美零「ありがとうございます! 一発で絞れ
 ました!」
   美零、最大限のお辞儀。
バン「どういたしまして。地獄耳もたまには
 役に立つ」
伍藤「送る」
   立ち上がりかける伍藤を制する美零。
美零「ゴトさんはここに居て。放送を止める
 わけにいかないでしょ。情報が更新される
 かも知れないし」
伍藤「それはそうだが・・・」
美零「なーに、本番前のウォーミングアップ
 ですよ。軽く足を慣らしてきます」
バン「世界を救う役は彼女に任せたらいいん
 じゃない? もし喋り手が不足なら、僕が
 引き受けるよ」
陸奥「だいじょうぶ」
   一斉に陸奥の方を見る一同。
   目を開けて弱々しく微笑む陸奥。
陸奥「あと一時間休んだら、復活するから」
   毛布から出た陸奥の手を握る美零。
美零「むっちゃんありがとう。聴いてたよ」
   不思議そうに考え込む陸奥。
   ワンテンポ遅れて赤面。
陸奥「え、あ、あれ、聴かれて・・・」
美零「おかげで思い出せた」
   陸奥の頬に軽く触れ、いざ出陣。
美零「では、行って参ります!」
   美零、海軍式敬礼。
バン「美零さん」
   退室間際に呼び止めるバン。
   身を寄せて耳に何か囁く。
   戸惑う美零の表情に自信が満ちる。
   口の中で小さく言葉を繰り返す美零。
美零「素敵な言葉、いただきました」
   身を翻して颯爽と旅立つ。
   美零の背中を見送った一同。
伍藤「玖我に何を?」
バン「おまじない。効いたら儲けだね」

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