林羅山の倫理的クロノス日記

林羅山の倫理的クロノス日記

夏侯淳の一日




この物語の主人公は夏侯淳。

クロノスにβテスト時からいる、今では数少ない古参メンバーの一人である



現在の彼は95レベルとなり、士道残影のDAROSや林羅山に負けるとも劣らないほどの実力者になっていた。


関係ないが、林羅山はすでに107レベルになり、ファン城でブイブイいわせている。

ギルメンから「林さん廃杉^^;」などと言われているのは言うまでもない・・・



本人はあまり気にしてはいないようだが・・・





話は戻って・・・


夏侯淳。士道残影の攻撃パラ。皆からは「トン兄」の愛称で親しまれている

その「トン兄」というあだ名のおかげで、以前のオフ会で合流できたというのは有名な話である

またまた関係ない話だが、トン兄は大のコーラ好きらしい

三度の飯に加えて三度のコーラを飲むとか飲まないとか・・・










誰かのSSと違い説明が長くなってしまった・・・



読者の方もそろそろ眠くなってきてるようだし、そろそろ物語を始めようか



これは夏侯淳のある日の出来事である・・・








ある日の夕方、夏侯淳はゲートからクロノス大陸に降り立つ



基本料無料となり、クロノス大陸は以前とうって変わって大勢の人で賑わっていた



夏侯淳「ふう、今日も賑やかでいいな」


ルゥ「そうですね、ご主人様」


彼が手にしているのはルゥ。

成長武器の一つであり、現在のクロノス大陸においては最強の武器である


彼は苦労の末、見事にルゥを完全体にしたのである





いつものように、INしてすぐにギルドのメンバー表を見てみる




案の定、氷輪丸さんいしかいない。


士道残影は夜になってから活動が活発になるギルドである


一部のメンバーなんかは深夜に活動しているようだ




夏侯淳「こん~^^」

氷輪丸「・・・」




返事がない。

どうしたのかと思いウロウロしてみるが、なんてことはない。ただAFKしているだけだった



夏侯淳「なんだ、いるのは私だけか・・・」


虚しさを胸にそう呟く



夏侯淳「さて、どうするかなぁ・・・」


ルゥ「とりあえず、どこかに狩りに出かけてはどうですか?」



手にした武器が彼に話しかける


そう、成長武器は自らの意思を持っているのだ





夏侯淳「そうだな。折角だしどこかに行くか」


はたから見れば、武器に話しかけている怪しい男だが、この喧騒の中では彼の一挙一動までチェックしているものはいない


夏侯淳「この説明いるのか?Σ(・ω・`)」



そんなこと知ったこっちゃない





夏侯淳「さて、どこに行こうかなぁ」


彼が相当強くなったのは間違いないが、エンタイスでソロ狩りをするにはまだ修行を積まなければならない。


士道残影のマスターであるDAROSや唯一の高レベルマジ、法魔丸なんかはエンタイスでソロをしたり、サキュバスを狩ったりして楽しんでいるようだ






勝手な想像でものを言うな?そんなことは私の知ったことではない







ちょっと考えたのち


夏侯淳「よし、アメイラにでも行こうか」



アメイラ。そこに広がるのは砂漠。生命が存在するにはあまりに厳しい環境だ。

それだけに、そこに生息しているモンスターは生命力が高く、並みの冒険者では歯が立たない




アメイラにはテラから徒歩で行かなければならないので、マエルに頼んでテラまで飛ばしてもらうことにする



夏侯淳「マエルさん、シティス=テラまでよろしく」


マエル「うむ、気をつけて」


早速、クロノス城からマエルを使い、テラへと飛ぶ


マエルはクロノス大陸全土に存在する。彼に話しかけた後返ってくる言葉が数種類しかないことから「彼はロボットか何かではないのか?」という噂もある

まあ、そんなことはどうでもいいが・・・




一瞬光に包まれた後、夏侯淳はシティス=テラに降り立つ








夏侯淳「おっと、危ない。ポーションなくなってたんだった。買っておかなきゃね」


ルゥ「もう、気をつけてくださいよ。ご主人様」



武器にたしなめられている辺りが、まだまだトン兄といったところか








テラ一番の美人という噂のアリアさんからポーションを購入する


このとき、彼の鼻の下が伸びていたとかいないとか・・・



夏侯淳「伸びてないって!!」







なにやら騒がしいが、きっと潮の音だろう





ポーションを買い揃えた夏侯淳はテラを駆け抜け、恐竜の頭の骨の前に立つ





夏侯淳「さあ、準備はいいかい?」


ルゥ「あの、ご主人様。スキルはしっかりかけておいた方が・・・」



夏侯淳「あwそうだね、すっかり忘れていたよw」





どっちがご主人様なんだか・・・・









しっかりスキルをかけ、心の準備をした後、彼は恐竜の骨の口の中へと入っていく








恐竜の口を通り抜け、目の前に広がる砂漠



今からここで自分が狩りをするのかと思うとちょっと不安になる


頬を軽くはたき、気を引き締める


そして、意を決して、足を踏み出した






彼の存在に気づいたモンスターが彼に向かってワラワラと集まってくる



モンスターの勢いに一瞬たじろいだ夏侯淳だが、今まで多くの苦難を乗り越えてきた彼だ、落ち着いてスキルを唱える



夏侯淳「我が刃で敵を切りさかん!スラッシングウェーブ!!」


唱えると同時に、彼は手に持ったルゥを横に大きく振った



彼の斬撃は大気を切り裂き、遠距離にいるモンスターをも切り裂いた




夏侯淳:俺TUEEEEEEEEE!!








夏侯淳「ちょっと!!勝手に台詞入れないでください!!!そんなこと言ってないですから!!」







何やらうるさいのはきっと砂嵐が来ているからだろう








夏侯淳はモンスターの容赦ない攻撃を捌きつつ、スラッシングウェーブでモンスターを切り裂いていく



しばらくの間、狩りに没頭する夏侯淳



しかし、彼が強いとはいえ所詮人間、疲労はする









夏侯淳「少し休もうか・・・」


ルゥ「はい、私も少し疲れました・・・」



ルゥはそう言った後、眠りについてしまった


夏侯淳「ありゃ、ちょっと無理させすぎたか」



砂漠の中で、彼は腰を下ろす


テラで買っておいたポーションを飲み、モンスターから受けた傷を癒す



何気なく、ギルドのメンバー表を覗いてみる



夏侯淳「氷輪丸さん落ちてるしΣ(・ω・`)」




砂漠の中ということもあってか、彼の頭の中に「孤独」の二文字が浮かんだ



夏侯淳「・・・帰るかな」







そう呟いた刹那、彼は背後から殺気を感じた


何か嫌な予感がする


とっさに武器を取り、振り向いた









彼が振り向いた先にいたのはミノタウロス。




このアメイラにおいて桁外れの強さを持つモンスター


大きさは夏侯淳の5倍以上はある




こんな距離まで接近を許してしまった、自分が情けない





しかし、後悔している間にもミノタウロスは彼に迫ってくる




今からゲートスクロールを使っても間に合わないだろう・・・









やるしかない・・・!












ミノタウロスは手に持った巨大な武器を振り下ろしてくる







夏侯淳「うわっ!!」






慌てて横に転がる夏侯淳





ミノタウロスの一撃で、地面が大きくえぐれる







夏侯淳「おい、どうする!?」




彼は武器に呼びかける



反応がない




夏侯淳「おい!どうした!?」



慌てて武器の方を見る夏侯淳





ルゥは気持ちよさそうに眠っていた





夏侯淳「くそっ」





ルゥが眠っている以上、自分で何とかするしかない


もっとも、ルゥが起きていたところで、自分で何とかするしか道はないのだが





ミノタウロスはさらに武器を振り上げ、彼に向かって振り下ろす





横に転がり、何とか身をかわす


ミノタウロスの攻撃はその巨体に似合わず俊敏だ





夏侯淳:もうダメポ。死のう・・・。







夏侯淳「だから、勝手に台詞を入れるなって!!」







どこからかミノタウロスのうなり声が聞こえるなぁ・・・










夏侯淳「くそ!こんなのとどうやって戦えと・・・!」





なおも武器を振り上げるミノタウロス







夏侯淳「スラッシングウェーブ!」




武器を振り上げ、がら空きになったミノタウロスの胸の辺りに向かいスラッシングウェーブを放つ




空気を切り裂く音とともに真空の刃が飛んでいく






シュバッ





何かが切れる音がした



夏侯淳「やったか?!」








しかし、ミノタウロスは何もなかったかのように武器を振り下ろしてくる



夏侯淳「マジかよΣ(・ω・`)」





今度はかわしきれずに、攻撃を食らってしまう





夏侯淳「これはちょっとやばいかな・・・」




絶体絶命。




まさにそんな状況だった









体中が痛い




もう避けれる気がしない・・・





ミノタウロスは最後の止めを刺そうと武器を大きく振り上げ走ってくる







避ける力はもう残ってはいない




傷だらけになった体で必死に最後の抵抗をする





夏侯淳はスキルを唱える




夏侯淳「スラッシュウェーブ!!」



彼にスラッシングウェーブを唱える力は残っていなかった


それでも必死に力を振り絞り、スキルを唱えた









しかし、彼の頭上にはミノタウロスの武器が迫っていた・・・













もうダメだ・・・・















彼は目をつむった













激しい衝撃と共に大地が揺れる




















































・・・数瞬後、彼は目を開ける






夏侯淳「あれ・・・?」








状況がつかめず周りを見渡す







砂煙が収まり、ようやく状況がわかった







ミノタウロスが倒れている




勿論、死んだわけではない


しかし、スネに夏侯淳のスラッシュウェーブを食らったために倒れてしまったようだ




夏侯淳に向かって振り下ろされた武器は彼から1mほど離れた位置にめり込んでいた







夏侯淳「今しかない・・・」




彼はよろよろと立ち上がり、武器を持った手に力を入れる





夏侯淳「スラッシングウェーブ!!」






渾身の力をこめて、武器を振り下ろす




剣の先から、閃光が放たれる








閃光は見事にミノタウロスを真っ二つに切り裂いた・・・





ミノタウロスは地面に沈んでいく




夏侯淳「や、やったぁ・・・」




その場にヘタリと座り込む



夏侯淳:やっぱり俺TUEEEEE!!








夏侯淳「いや、だから勝手に台詞を・・・」






もうツッコミをいれる元気も無いようだ



いい気味だ




それはそうとトン兄、向こうの方に馬鹿でかいトカゲみたいな奴がいるぞ?あれは狩らないでいいのか?



夏侯淳「ゲートスクロール」




・・・無視かよ





彼は巻物手にし、それを広げる


彼は光に包まれ、砂漠から姿を消した












目を開けると彼はいつも通りの喧騒に包まれたクロノス城に戻ってきていた









ルゥ「ん・・・。おはようございます、ご主人様。どうなさったのですか?体中傷だらけですよ」





寝ている間の出来事を知らないルゥが彼に問いかける





夏侯淳「ん、まあ色々とね」



疲れ果てた彼は、ルゥの問いかけにも適当な返事で返した






そして、いつものメンバーがクロノス城に集まりだす



彼らの溜まり場は積み上げられた樽の横


そこで彼らは無為とも有為とも言える時間をすごしていく





きっと今日はトン兄の武勇伝が語られるのだろう




























夏侯淳の武勇伝がギルメンに軽く流されて、彼がショックを受けたというのはまた別の話である


夏侯淳「。O゚(p′ω`q)゚o”」


Fin


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