After the evening glow ~夕焼けの後に~

After the evening glow ~夕焼けの後に~

四話 どこまでもついてくる男



蜩「・・・・・・・・・・寒いぃ・・・」

蜩「なんなんだよこの寒さは!!こっちの世界は夏だって言うのに・・・」

蜩「・・・・ん?こっちの世界・・・・そうか・・・
ここは魔界だったよな・・・多少の天変地異はアリってわけだ・・・」

蜩「うぅ・・・このまま立ち止まってたら凍え死んでしまう・・・・
さっさと歩くか・・・・」

?「・・・・・・・お~い」

蜩「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

蜩「何者だてめぇは!!帰れ!!消えろ!!死ね!!俺を呼びつけるな!!」

?「・・・・いきなりそれはねェだろヒグラシ!!」

蜩「このしゃべり方・・・もしかしてお前鐘箆か!?」

鐘箆「やっと気づいてくれたのか・・・ヒグラシィ・・・・!!」

蜩「でもなんでお前がこの世界にいるんだよ・・・・」

鐘箆「なんだ!そのオレがうっとーしいみたいな言い方は!」

蜩「・・・・・(まぁ鬱陶しいやつではあるが・・・・)」

鐘箆「ふん!オレは生死をサマヨッテたというのに・・・」

蜩「そういえばお前よくあの大火事の中で行きてられたな・・・」

鐘箆「あぁ・・・そのことならオレの家ってヒグラシの家がある町よりも
   少し離れた位置にあるだろ?だから助かったみたいだ」

蜩「そうか・・・・よかった・・・」

鐘箆「なんでそんなしんみりした顔なんだよ・・・・、あ!!」

蜩「そうだ・・・俺の家は崩れ去った・・・
  挙げ句の果てには母さんまでも失ったんだ・・・・」

鐘箆「・・悪かったな・・・ゴメンヒグラシ・・・」

蜩「いいっていいって気にしなくても・・・・。それよりなんでお前がここに?」

鐘箆「オレな・・・ヒマだったからおまえんちいこうと思ってきてみたら
   一面中焼け野原になってて心配だったからお前の家いってみたんだ。
   そしたらなんかなんていうか割れ目みたいなのがあって近づいてみたら
   吸い込まれてここにきちまったってワケだ」

蜩「ふぅん・・・・じゃあとりあえずいま俺が置かれている立場を 
  説明しとくか・・・・」

蜩「えーと簡単に言うと俺は帰り道に拾ったこの石・・・パワーストーンに
  戦うための力をもらった・・・それで町を殲滅した奴を倒したんだ・・・・
  すると空間に裂け目がでてきてそこから聞こえてくる声に導かれるままに
  この魔界へと来たわけだ・・・・」

鐘箆「へぇ・・・・って、戦うための力?なんんじゃそりゃ」

蜩「・・・しょうがない口で言うよりも実際に見せたほうが言いようだ・・・」

蜩「パワーストーンよ・・・俺に力を与えてくれ!!」

パァァァァァァ・・・・

蜩「・・・どうだ?」

鐘箆「・・・・・・・・・」

蜩「・・・・どうした?」

鐘箆「・・・・カッケェ!!なんだその赤い鎌は!!スゲー!スゲー!!」

蜩「はは・・・・(びっくりしてるな・・・・)」

蜩「まぁでも必要じゃないときは使わないほうがいいがな・・・・」

シュウウウウウウ・・・・

鐘箆「あっ!?石に戻った!!」

蜩「・・・とりあえずいつまでもここにいるわけにはいかないな・・・
  先に進むぞ鐘箆!!」

鐘箆「・・・・!!!」

蜩「どうした?」

鐘箆「イヤダ・・・・!!」

蜩「えっ!?お前・・・自分のいってることわかってるのか?」

鐘箆「オマエハココデシヌ・・・・オレガコロスカラナ!!」

蜩「ク・・・・どうやら様子がおかしい!」

?「当たり前だ・・・なぜなら僕が操ってるからね・・・!!」

蜩「何者だお前は!?」

ガンズ「僕の名はガンズ・・・・君が蜩くんか・・・・」

蜩「くっそぉ・・・・鐘箆を元に戻せぇ!!」

突如現れた敵ガンズ・・・・。こいつの力はどれほどのものなのか・・・!!

四話・・・完          五話へ・・・


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