+零+

+零+

→-君だけが真実-



人に裏切られるのは慣れていたというのに

ここまでこの人に依存していたというのだろうか?

だから今こんなにも哀しくて悲しくてしょうがないのだろうか?


…きっとまた何処かで期待をしていた

「この人の事は信用してもいいんだ」と

「この人の手ならとってもいいんだ」と


君が言ってくれたんじゃなかったのか?

「裏切られる事に慣れるのは悲しい事だ」と

「この先、誰かに裏切られたら頼ってもいい」と


嬉しかった

見返りを求めずに優しくしてくれたこと

私を利用しようとせずに、笑いかけてくれたこと

君の動作一つが私を暖かい気持ちにさせてくれた


だけど もう君はいない

笑っていたんだろう?

さぞ面白かっただろう?

自分が支えてやらなくては壊れる人間が崩れる様は

自分の嘘を信用していた愚かな人間が笑う様は


どんどん慣れていく

もう涙さえ出なくなっていく

小さな頃は少しでも悲しいと感じると泣いていたのに

今となっては、そんな純粋だった自分を懐かしく思うだけで

どんなに足掻いても手を伸ばしても戻れない


裏切りっていうのは

相手をボロボロに傷つけて捨てる事

別に嘘をつかれた、なんて理由で裏切られただなんて思わない

ただ、堕とされた瞬間に感じるんだ

「あぁ、また堕ちるんだな」って



何度捨てられたら分るんだろう?

何度ボロボロになれば分るんだろう?

いつまで縋っているつもりなんだろう?

いつまで人に甘えているつもりなんだろう?


もう嫌だ

止めてしまいたい

人間じゃなければよかったのに

人間じゃなくて空気とかだったら

こんな感情を持たなくてもすんだのに


どうして人間は感情なんてものを持って生まれたんだろう

私にはいらないのに

疎ましい存在でしかないというのに

どうして?
















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